就職活動において、多くの就活生は自身が気になる企業や業界について調べており、ノートにまとめる方も少なくありません。
しかし、ただノートに書きだせば良いというわけではなく、自身の就職活動に活かせるように適切に行う必要があります。
そこで今回は、就職活動で業界研究の情報をノートにまとめる際に書き出すべき項目を踏まえ、注意点について紹介します。
業界研究を有意義に行いたい就活生の方は、ぜひ参考にしてみてください。
業界研究のノートを作る目的とは
有意義な業界研究を行うためには、そもそも「何のために業界研究のノートを作るのか」という目的をはっきり認識していなければいけません。
業界研究のノートを作る主な目的は以下の通りです。
入社前後のギャップを無くす
企業に入社した後に早期で退職してしまう方のほとんどは「入社前後のギャップ」が要因です。
入社前に想定していた内容と入社後に感じたギャップが大きければ大きいほど、将来に不安を感じてしまい、早期での退職をしやすくなってしまいます。
そのため、事前に業界研究のノートを作成し、業界に関する情報を把握したうえで企業選びが必要になるのです。
業界の情報を書き出して理解を深める
業界に関する知識を深めることで、志望する企業や業界に関する歴史やトレンド、ビジネスモデルが把握できます。
知識が深まれば深まるほど、業界について詳しくなるだけでなく、それまで業界に対して感じていたイメージとは違っていたという点が出てくることも多々あるでしょう。
そのため、業界研究をノートにまとめることで、業界に関するリアルな情報の把握ができるようになるのです。
自身に合った業界を見つける
最初に興味や関心を持っていた業界が必ず自身に合っているとは限らず、調べていくうちに興味が薄れていくことがあります。
反対に、もともとはそこまで興味や関心が無かった業界でも、研究を重ねるうちに段々と興味が出始め、最終的に当初は選択肢に入れていなかった業界に就職するということも少なくありません。
その点では、業界研究をすることで、自身に合った業界の発見や選択肢を広げられるようになると言えるでしょう。
志望動機に役立てる
業界研究を通して業界について詳しくなるうちに、企業や業界の強みや弱み、戦略や求める人物像などの特徴が見えてきます。
業界に関する特徴を把握することで、自身のどのような点が活かせるのかといった強みが分析できるため、志望動機の作成や面接にも役立つでしょう。
特に、志望動機で「業界の中でも御社だからこそ志望した」という理由を明確にすることで、選考の通過率を上げやすくなるため、業界研究をノートにまとめることは大きなメリットです。
業界研究のノートで書き出すべき項目とは
続いては、業界研究のノートを作成する際に、書き出すべき項目について紹介します。
業界研究のノートにはさまざまな情報を書き出しますが、主に以下のような項目を書き出すと良いでしょう。
業界
まずは、大きな括りとして業界別に分けます。
業界を混ぜて順番をバラバラに書いてしまうと、ノートを行ったり来たりしなければいけなくなり、見にくくなってしまうでしょう。
そのため、まずは自身が気になる業界をいくつか選択し、業界別でページの使い分けることをおすすめします。
会社名
続いては会社名です。
同じ業界でもそれぞれの会社で風習が異なり、商品やサービス提供の手法が異なります。
会社ごとに書き分ける際は、会社名のあいうえお順で書き出す方もいますが、あいうえお順では後々に気になる企業が増えた場合、対応しづらくなってしまうため、注意しましょう。
規模
会社の規模は就職活動における、企業選びで重要な要素です。
規模が大きければ大きいほど従業員の人数が多くなりやすく、売上高や福利厚生なども充実しやすいです。しかし、誰でも大きい会社に就職すれば良いというわけではなく、中には少人数で小さくこじんまりとした雰囲気で仕事をしたいという方もいるでしょう。
会社の規模を分ける基準としては「法人全体の従業員の人数」「営業所ごとの従業員人数」「資本金」「営業所やグループ会社の数」などがあります。
業務内容
業務内容は入社後に長期で就業するうえでは重要な要素です。
大まかに分けると業界ごとで分けられますが、実際に行う業務の流れや手法は会社ごとに異なるため、できれば分かる範囲で会社ごとの業務内容についてもまとめておくと良いでしょう。
ビジネスモデル
ビジネスモデルは「誰に」「どうやって」「何を売っているのか」といった仕組みのことです。
会社によって個人に対して商品やサービスを提供する「to C」があれば、法人に対して提供する「to B」もあります。
ビジネスモデルは、会社の売上に影響するだけでなく、業務の難易度や求められるスキルが異なるため、合う・合わないが生じるでしょう。
課題や将来性
どの業界にも、必ずといっていいほど課題があり、世の中の需要の大小があるため将来性も異なります。
入社する企業が今後も長く成果を出し、成長しなければ、自身の収入やキャリアにも影響しかねません。そのため、現状、企業や業界が抱えている悩みはそもそも解決や緩和ができそうなのか、業界自体に将来性があるのかを研究することは必要不可欠と言えるでしょう。
大手企業3つ
業界ごとに会社の規模や業績が異なり、大手と言われる有名企業が存在します。
業界について調べる際は、その業界の中で大手や有名と呼ばれている企業を最低でも3つは抽出しましょう。
業界の中で大手と言われる企業がどの程度の業績を出し、安定性や将来性があるのかを分析します。
万が一、業界の中でも大手と言われる企業の業績が怪しい場合、その業界自体に需要や将来性が無いケースが多いため、極力避けると良いでしょう。
平均年齢や年収
企業や業界の平均年齢や年収は、将来長く働くためにも重要なポイントです。
平均年齢が低ければ低いほど、入社後に長く就業するのが困難であり、将来的に転職を余儀なくされかねません。また、年収が低ければ低いほど、将来のキャリアアップや結婚といったライフスタイルの変化に応じた収入アップも見込めないでしょう。
自身の感想や魅力に感じたポイント
上記の項目以外にも、自身の感想や魅力に感じたポイントもまとめておきましょう。
業界について気づいたことや魅力に感じたポイントをまとめておくことで、後々にノートを見返した際に、自身の考えが変わっていることがあったり、自身の企業選びの軸にもしやすくなります。
業界研究ノートを作る際の注意点
業界研究のノートを作る際は、以下のような点に注意しましょう。
修正や書き足しができるようにしておく
業界研究のノートは、長い就職活動で活用するため、後から修正が必要な箇所や追記したい情報がでてきます。
その際、修正や書き足しができないようなレイアウトだと、ノートがぐちゃぐちゃになってしまい、見づらくなってしまうでしょう。そのため、ノートを作成する際には、ある程度スペースに余裕を持たせておき、後からでも手を加えやすくしておくことをおすすめします。
インターネットの情報だけで判断しない
昨今では、インターネットで調べれば大半の情報は収集できるため、非常に利便性が高くなっています。業界研究においても、インターネットで企業や業界について調べればさまざまな情報収集が可能です。
しかし、情報量が多いメリットがある反面、中には誤った情報や古い情報が飛び交っているというデメリットもあります。
万が一誤った情報や古い情報で判断してしまうと、自身の選択肢が減ってしまったり、誤った判断をしかねません。
そのため、インターネットの情報はあくまで参考やベースと考え、最終的な判断は会社説明会や先輩からの口コミなどを踏まえて判断すると良いでしょう。
第3者目線で考える
業界研究のノートを作成しているうちに、その時々でさまざまな気づきや思いが生じてきます。しかし、その時々の感情や思考だけで判断するのは危険であり、ノートにまとめた情報は必ず後で見返し、客観的な目線で判断するようにしましょう。
業界研究のノートを有効活用して納得のいく就職活動をしよう
今回は就職活動における業界研究ノートについて、まとめるべき項目や注意点を紹介しました。
就職活動は自身の人生を大きく左右する1大イベントであり、安易な気持ちで選択をしてしまうと、自身の将来に悪影響を及ぼします。そのため、手間暇をかけてでも事前に取り組むべき価値があるのです。
皆さんも、業界研究のノートを最大限に有効活用し、自身の明るい未来の為に納得のいく就職活動をしてください。