就活での面接の際、企業から3分間の自己PRを求められることがあります。しかし、
「自己PRを3分もする場合、どんなことを話せばよいのだろうか?」
「3分の自己PRで高評価を得るには、どのようなことに注意すべきなのだろうか?」
そんな不安や疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。
たしかに話してみると3分は案外長いものですが、話す内容や話し方によって自分を最大限にアピールできるため、ポイントはしっかりとおさえておきたいものです。
そこで当記事では、3分の自己PRで高評価を得るためのポイントを詳しく解説します。
なぜ、企業は3分の自己PRを求めるのか?
論理的思考力があるかを判断するため
相手に物事や自分が言いたいことを伝えたり、仕事を効率的に進めるためには論理的思考力が大切になります。
3分間は長いため、話の内容が論理的に構成されていないと聞いている相手はわかりにくくなります。
要点を的確にまとめ論理的に話すために、根拠を添えて伝えることを意識しましょう。
プレゼン力があるかを判断するため
社会人になると、社内外の人に商品やサービス、自分の取り組みや成果などをプレゼンでアピールする機会があります。
プレゼン力は人になにか物事を伝える上で、多くの企業から求められるスキルの一つです。
そのため、企業は3分の自己PRを通じ、その就活生のプレゼン力を知りたいと考えています。
自社にマッチするかを判断するため
各企業も、自社が求める人材ニーズに合致した就活生を採用しようと考えています。
企業も就活生もお互いの強みや価値観、特徴などを十分に把握していないと、せっかく入社してもミスマッチが生じてしまい、早期退職につながってしまいます。
そのような事態を避けるためにも、企業は就活生の人柄や強みをじっくり聞くために3分の自己PRを求めています。
3分の自己PRに入れるべき要素
名前
自己PRでまず名前を名乗ることは基本常識です。
事前に提出したエントリーシートや履歴書にも書かれており、面接官も書類を見ながら把握はしていますが、自ら名前を名乗って自己PRをスタートしましょう。
大学、学部、学科
就活生が面接を受ける場合、名前とともに大学、学部、学科をワンセットとして伝えます。
どこの大学でどんなことを学んでいるかを伝えるためにも、大学、学部、学科はきちんと伝えましょう。
強みや価値観
自分の強みや価値観は、面接そのものや自己PR内で語る上で非常に重要な要素になります。
面接官は就活生の強みや価値観をもとに、特性を活かす入社後の配属先をイメージしながら聞いています。
自分という商品を面接官に売るためにも、強みや価値観をしっかりとアピールしましょう。
具体的なエピソード
自分の強みや価値観の裏付け、理由となる具体的なエピソードを語ります。
前述のように、論理的思考力で自己PRを行なう上で、このエピソードは大切な要素です。
さらに、面接官がイメージしやすいよう数字を含めるなど、できるだけ具体的に話すようにしましょう。
志望動機
面接官に「志望動機を教えてください」と質問されているわけではありませんが、自己PRの中で自分の強みや具体的なエピソードを語り、自然な流れの中で「なぜその業界であり、業種なのか」を説明すると、説得力が増してわかりやすくなります。
3分の自己PRの構成
名前や大学、学部、学科を語った後、3分の自己PRはどのように構成し、まとめればよいのでしょうか?
以下のように構成するとわかりやすくなります。
まず自分の強みを述べる
話はダラダラと話し、結論をなかなか言わないと、聞いている人はストレスを感じ聞きづらくなってしまいます。
そのため、まず要点を簡潔に述べることが重要です。
3分の自己PRの場合、まず結論であり核心である自分の強みから述べましょう。
強みの根拠となるエピソードを具体的に語る
ただ強みだけを語っても説得力がありません。
強みの根拠となるエピソードを、できるだけ具体的に語ることで説得力が増します。
その強みをどのように活かして貢献するのかを語る
3分の自己PRは、面接官に入社後の活躍をイメージさせるのが高評価につながります。
強みやエピソードを伝えても、それが入社後どのように活かされるのかがイメージできなければ、面接官も選考通過に躊躇してしまいます。
自分の強みを入社後、どのような分野で活かし、それをどのようにして会社の貢献につなげるのかを語りましょう。
3分の自己PRの例文
3分の自己PRは、話すスピードなどによって多少異なりますが、850字から1000字でまとめるとよいでしょう。
行動力
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇(名前)と申します。
私の強みは行動力です。
私は学童時代から高校時代まで野球を行い、大学で野球サークルを立ち上げました。
そしてこの野球サークルが、学内で唯一の公認野球サークルとなりました。
もともとは他の野球サークルに入会していたのですが、会費が高いうえに活動日数が少なく、せっかく入会しても継続して活動できる人もわずかだったため、新しく野球サークルを作ることを決めました。
「メンバー全員が楽しく、野球の輪を広げよう」をテーマに、経験者、初心者問わず入会できるようなサークルを形にしたいと考えておりました。
私が取り組んだことが2点あります。
1点目は勧誘です。
自分の友達の他、友達の友達にも声をかけてまずはメンバーを増やすことに注力しました。
2か月後に大学に新サークルの申請書類を提出する必要があり、活動内容や会員数など詳細に書く必要があったため、1か月で30人を目標に活動しました。
しかし、地道に声をかけるだけではこの目標に達しないと考え、途中からSNSも活用し、会員を募りました。
2点目は大学の関係者各位と何度も話し合いを行いました。
基本的にはいくら自分たちが野球サークルの活動をしたいと思っても、大学側の承認がないことには、正式な形で活動していくことができません。
そのためにはどのような意図で活動するのか、活動をとおして大学にどう貢献するのかなど話すことで了承を得る努力をしました。
また、実際に仲間が集まっても、活動する場所がなければ活動できないため、近隣のグラウンドをすべてあたり、定期的に使わせていただけないか交渉しました。
なんとか部員数、活動場所、活動内容に承諾をいただくことができ、学内認定の公認野球サークルを立ち上げることに成功しました。
以上のことから私の強みは、自分が考えたことや決めたことに対して、すぐに行動に移すことができる「行動力」です。
この強みは私が志望するマーケティング部の新規事業立ち上げにおいて活かすことができます。
上司の指示に対してまずは正確に行動することと、その中で自分自身で試行錯誤し、新たな事業やサービスを通じて、これまでにない価値を顧客に提供します。
本日はよろしくお願いします。(922字)
継続力
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇(名前)と申します。
私の強みは継続力があることです。
一つのことを諦めずに継続し、それまでよりもさらに上のスキルや能力を身に付けた経験があります。
私は絵を描くことが好きで、中学・高校と美術部に所属していました。
大学では美術大学に入学し、油絵を専攻しました。
人物や抽象画を描くこともありましたが、主に風景画を描いていました。
特に私は自宅近くの街の写生が好きでしたが、街の写生画を描き続ける中で、次第にイメージやインスピレーションが乏しくなってしまい、風景画を描くことがつらくなってしまった時期もありました。
特にこれと言って自分の絵にオリジナリティや特徴がなく、無難であまり工夫されていない絵だと感じていたのだと思います。
こんな気持ちで絵を描き続けていても、自分独自の絵を描くことはできないと思い、突破口を探していました。
そして他人の絵も参考にしようと、美術館や街のギャラリーなどに月に10日は通うようになりました。
そのとき、ある小さな画廊で目にした日本画がすごく印象に残りました。
タッチが繊細で、私がこれまで描いていた風景画とは構図が全く違ったため、日本画の組み立てや構図を新鮮に感じました。
自分の絵にも取り入れてみようと考え、日本画の構図をイメージして描いてみることにしました。
その結果、自分でも斬新に思う構図の風景画が完成しましたが可能性を感じ、その後ますます構図にこだわって絵画を描くようになりました。
スランプに陥っても諦めず、今の自分にできることを見つけたことで、新しいスキルや能力が身についたのではないかと思います。
私はこのような経験から一つのことを継続する大切さを身をもって感じることができました。
私が志望するクリエイター職は、顧客ニーズに合わせて、何度も修正しながら新たなデザインを生み出すことが重要だと考えます。
ときには自分の提案が却下されたり、何も思い浮かばずに行き詰まり、苦しいと思うこともあるかもしれませんが、その難局を打破することで、顧客ニーズに合ったよりクリエイティブなデザインができると思います。
継続することは常に一定して留まることではなく、進化することが大切だと私は感じています。
私は自分の継続力を活かし、ただ顧客ニーズの期待に応えるだけでなく、その上をいくクリエイティブなデザインを提供できるよう努めていきます。
本日はよろしくお願いします。(999文字)
まとめ
3分の自己PRでは、まず自分の強みを簡潔に述べます。
そして、強みの根拠となるエピソードを具体的に述べます。
最後にその強みをどのように活かして志望企業に貢献するのかを語ります。 なお、3分の自己PRは、話すスピードなどによって多少異なりますが、850字から1000字でまとめるとよいでしょう。