就活の際の書類選考で提出を求められるエントリーシートですが、いくつかある質問の中で、「健康状態」という欄があります。

「普段、あまり健康状態を気にしながら生活しているわけではないし、どのようなことを書けばよいのだろう?」

「喘息持ちでたまに発作が出たりするけど、正直に書いてしまって合否に影響しないのだろうか?」

そんな不安や疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

そこで当記事では、エントリーシートの「健康状態」は書く内容によって合否に影響を与えてしまうのか?また、どのように書けばよいのかを解説します。

企業はエントリーシートの健康状態から、何を知りたいのか?

採用の際の判断材料の一つとして

健康状態があまりにも悪いというわけでなければ、選考の際の合否に影響を与えるわけではありません。

しかし、履歴書やエントリーシートに書かれている強みや特徴などが似たような就活生が他にもいた場合、健康状態のより良い人を企業は採用するでしょう。

そのため、採用の際の判断材料の一つとして、健康状態を確認しています。

業務に支障がないかの確認として

動き回ることに支障がある病気やケガ、例えば心臓に持病を持っている、もしくは長年足をケガしているなどの健康状態の場合、営業職や立ち仕事、力仕事は向かない職種といえるでしょう。

また、体調が悪いことが多く通勤が困難な場合も、重要な業務を任せられないかもしれません。

入社後にわかったのでは、企業も本人も業務遂行が大変になるため、事前に把握するようにしています。

トラブル回避として

健康上の理由から、勤務中の従業員にトラブルが発生してしまうと、社内だけではなく、場合によってはお客様や取引先に迷惑をかけてしまい、その責任を企業が負うことになってしまいます。

このようなトラブルを回避するためにも、企業は入社前から健康状態を把握しておく必要があるのです。

エントリーシートの健康状態の書き方 ~健康状態がよい場合~

良好でOK

健康状態に問題がない場合は、「良好」と記載するだけでOKです。

また、「問題なし」でも「健康です」でもかまいませんが、空欄のまま提出するのはマナー違反となるため避けましょう。

なお、多少体調が悪かったとしても、薬を飲めば治る程度の場合やそれほど業務に支障をきたす問題がなければ、「良好」と記載してもよいでしょう。

健康状態に自信がある場合は、それをアピールポイントにつなげる

例えば「小学生時代から、学校を休んだことはありません」「毎日ジョギングをしています」など、健康状態に自信がある場合はそれをアピールポイントとしてつなげてもよいでしょう。

エントリーシートの健康状態の書き方 ~健康状態が悪い場合~

正直に答える

持病があるのにそれを隠していて、体力的にきつい仕事や外回りなどの仕事を任されてしまった場合、本人が仕事を続けるのが難しくなるばかりか、社内外を巻き込んでトラブルに発展してしまう場合もあります。

エントリーシートの健康状態にウソがあると、企業も本人にとってもプラスのことは何もないため、正直に答えましょう。

業務に支障をきたさないのであれば、「良好」と書く

例えば

・風邪を引きやすい

・花粉症である

・軽いアレルギーがある

・喘息を持っている

・貧血を起こしやすい

など、体調が良くなく多少の持病があったとしても、それが業務に支障をきたさない程度であれば、「良好」と書いても問題はありません。

病名の他、症状も書く

同じ病名でも患者によってその程度が異なることがあります。

また、病名だけ記載しても、採用担当者がどれだけの病気なのかわからないこともあるでしょう。

そのため、どのような症状があるのか、また、どの程度の頻度で通院をしているのかなど、なるべく具体的に書いた方がよいでしょう。

プラスの印象になるような一言を添える

健康状態が悪く、病名や症状名だけが書かれていると、採用担当者はどうしてもマイナスの印象を受けてしまいます。

そのため、「治療を続ければ完治できます」「〇〇のような仕事であれば働けます」など、プラスの印象につながるような一文を最後に添えるとよいでしょう。

エントリーシートの健康状態の書き方 ~こんな場合はどうする?~

完治している病気の場合

過去に病気をしていて、ある一定の期間、通院していたなどの場合です。

すでに病気が完治し、業務に支障をきたすことがなければ、「良好」と書いても問題はないでしょう。

ただし、後遺症が残っていたり再発の恐れがある場合は、どのような症状があり、どのように対処しなければならないのかを書いておく必要があります。

ケガで通院している場合

ケガをしていても、業務に支障をきたすことがなければ、ケガについて記載する必要はありません。

ただし、入社後も定期的に通院する必要があり、会社を休まざるを得ない日もあるようなケガであれば、業務に支障をきたすことになるため、ケガをしていることを正直に書きましょう。

健康診断で「異常あり」と診断された場合

健康診断で「異常あり」と診断された場合であっても、問題なく仕事ができるのであれば、「良好」と書いても問題はありません。

ただしこの場合も、定期的に通院し、経過観察が必要であり、会社を休まざるを得ない日があるような体の不調は、業務に支障をきたすことになるため、正直に書いた方がよいでしょう。

アレルギー体質の場合

アレルギー体質の場合、人によってはある食べ物を食べてしまうと、命の危険が及ぶ場合もあります。

また、金属アレルギーなどを持っている人も、業務で金属に触れることがある仕事などはできないため、このような場合は健康状態欄にきちんと書かなければなりません。

しかし、例えば花粉症や軽度の動物アレルギーなどの場合は、業務に支障をきたすことはほぼないため、「良好」と書いても問題はないでしょう。

(ペットショップに勤める人が動物アレルギーの場合は、仕事上問題があるため、健康状態欄にアレルギーを持っていることを書いた方がよいでしょう)

病気やケガを会社の人に知られたくない場合

病気やケガを応募企業の採用担当者に知られたくない就活生もいるでしょう。

しかしそれが、業務に支障をきたすものである場合、申告しなければマナーやモラルの問題を問われるでしょう。

勤務中にトラブルが発生してしまった場合、まず困るのは自分です。

そして、自分だけならまだしも、社内のチームやお客様、取引先に迷惑をかけてしまう恐れもあります。

このときに責任を負うことになるのは企業側であるため、事前に健康状態を把握しておく必要があるのです。

そのため、エントリーシートの健康状態欄は、自分の健康状態について正しい情報を伝えなければなりません。

まとめ

健康状態があまりにも悪いというわけでなければ、選考の際の合否に影響を与えるわけではありません。

基本的には、業務に支障をきたすほどの病気やケガでなければ、「良好」「問題なし」「健康です」と書いても問題はありません。

ただし、仕事を行なう上でスムーズに業務を遂行できないような問題がある場合は、その病名やケガの名前、症状、どのような対処が必要なのかを正直に書く必要があります。

トラブルが起きた場合も考慮して、企業も事前に把握しておかなければいけないからです。

なお、そのような場合でも、「治療を続ければ完治できます」「〇〇のような仕事であれば働けます」など、プラスの印象につながるような一文を最後に添えるとよいでしょう。