就活では、選考手段の一つとしてグループディスカッションが行われることがあります。しかし、
「グループディスカッションを円滑に進めるにはどのようにしたらよいのだろうか?」
「グループディスカッションを行う際は、どのようなことに注意すべきなのだろうか?」
そんな不安や疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。
何度も経験し慣れている人の方が少ないグループディスカッションだけに、しっかりコツをおさえて対策を立てたいものです。
そこで当記事では、グループディスカッションの正しい進め方やコツ、注意点などを詳しく解説します。
グループディスカッションとは?
グループディスカッションとは、複数の就活生(5~10名程度)が企業から与えられた一つのテーマに対して議論し、グループとしての結論を出す選考方法です。
テーマは日常生活における誰もが話せることや、ビジネスに関したものなど様々です。
また、グループディスカッション後、グループごとに結論を発表させる企業もあります。
企業はグループディスカッションを通して何を見ている?
他人へも配慮した課題解決力
グループディスカッションは、他の就活生と協力しながら結論を導き出さなければなりません。
中には反対意見を持つメンバーもいますが、そのような人にも納得してもらえる説明力や協調性を活かしながら、課題を解決する必要があります。
社会人になると、社内外の多くのスタッフたちと協力しながら仕事を進めることになりますが、課題に対して様々な意見が出されるため、他人への配慮も行いながら解決しなければいけません。
グループディスカッションを通し、その就活生が入社後も他人へも配慮した課題解決力、協調性、論理性が活かせるかなどを企業は確認しています。
柔軟な対応力
グループディスカッションは、与えられたテーマやグループメンバーによって議論の流れ方が変わるため、自分の想定通りにすべて進むことはないでしょう。
他のメンバーの反対意見に心が揺さぶられてしまったり、それまで発言していた自分の意見が間違っていることに気づくこともあるでしょう。
このように、グループディスカッションは通常の個人面接のような質疑応答とはまったく違うため、事前に対策を立てることが難しくなります。
これは日常の業務においても同じことで、予期せぬことが突然起きてしまうこともあります。
企業はグループディスカッションを通し、その就活生が柔軟な対応力があるかどうかを確認しています。
リーダーシップや積極性
グループディスカッションは限られた時間内にテーマに沿った議論をグループメンバーで行い、結論を導き出さなければなりません。
そのため、積極的に意見を言ったり、口火を切って発言することも大切になります。
また、様々な意見をメンバー同士で出し続けていても、それでは収拾がつかなくなるため、誰かが率先して意見をまとめる必要があります。
企業はグループディスカッションを通し、その就活生がリーダーシップや積極性があるかどうかを確認しています。
グループディスカッションの正しい進め方
採用担当者から説明を聞く
最初にテーマや制限時間、ルールなどについて説明があるので、聞き洩らしがないよう、重要事項はメモするなど集中して聞きましょう。
自己紹介をする
グループディスカッションがスタートしたら、まず、同じグループ内で自己紹介しましょう。
学校と名前を述べますが、ディスカッション中に相手を呼びかけることもあるため、メンバーの名前はしっかりメモしておきましょう。
役割分担を決める
グループディスカッションは事前に役割を決めておくと、スムーズに進められます。
リーダー(議長、司会)
スムーズな進行を心がけることが大切です。
中には積極的な発言が苦手なメンバーもいますが、要所で意見を求めるなど、全員が話せるような場づくりを行いましょう。
そして、様々な意見を集約しまとめることもリーダーの役割です。
タイムキーパー
グループディスカッションは制限時間が設けられているため、「あと〇分で意見を出しあいましょう」「あと〇分で結論をまとめましょう」など、メンバー全員に目安時間を伝えることが役割となります。
書記
議論の要点を整理しながらまとめ、グループメンバーで導き出された結論を書き留めます。
書いた内容はグループメンバーと共有します。
発表者
発表者は1名でも複数名でもOKです。
例えば発表の進行者、結論や理由の発表者、議論の過程を発表する人、採用担当者からの質問に答える人などに分けてもよいでしょう。
時間配分を決める
グループディスカッションは時間が制限されているため、それぞれの作業に対し、時間配分を決めましょう。
例えば、
・個々でテーマについて考える時間
・意見を出し合い、議論する時間
・メンバーから出された意見をまとめる時間
・発表の準備や練習時間
テーマや発表スタイルによっても時間配分は変わりますが、議論とまとめに多めの時間を割くのがコツとなります。
テーマの確認とテーマの掘り下げ
与えられたテーマを確認した後、テーマを掘り下げて考える必要があります。
グループディスカッションのテーマは、抽象的なものや漠然としたものなどもあります。
このような状態で議論を行なっても、メンバー間でテーマの捉え方や認識の違いが生じてしまい、議論が噛み合わなくなることもあります。
そのため、テーマを5W1Hで捉え、
Who:誰が主体となるのか
What:何について議論するのか
Why:何を目的とするのか
When:いつの施策とするのか
Where:どこで行なうのか
How:どのように課題解決するのか
などを事前に決めておくとよいでしょう。
アイデア出し
議論が始まったら、アイデアをどんどん出していきます。
相手の意見を否定したり、誰かの意見とかぶっているのでは?などと指摘することなく、自由にアイデアを出していきましょう。
アイデアをたくさん出せれば結論の精度が高まるだけでなく、チームの雰囲気もよくなるため、グループディスカッションをスムーズに進行することができます。
アイデアのまとめ
アイデアを出し尽くしたら、今度は収束します。
実現度が高いものに絞ったり、チームの目的や価値観に照らし合わせながら絞るのがコツになります。
発表
発表はPREP法に沿って説明するとよいでしょう。
PREP法とは、
Point:結論
Reason:理由
Example:具体例
Point:結論
の頭文字を取ったもので、論理的でわかりやすい説明の際によく用いられる方法の一つです。
発表の際は、発言者が他のメンバーをさりげなく称えてあげると、チーム全体でまとめた結論であることが伝わるだけでなく、協調性もアピールできます。
グループディスカッションの注意点
他人の意見を否定しない
複数名で議論していると、自分の意見とは異なる反対意見も出てきます。
しかし、このような他人の意見をすぐに否定してしまうことは避けましょう。
発言者が委縮してしまうだけでなく、チームの雰囲気も悪くなってしまう恐れがあります。
まずは様々な意見を傾聴し受け入れ、どのような思いや意図によるアイデアなのかを丁寧に聞きましょう。
無言は避ける
テーマは必ずしも自分に知見があるものとは限りません。
何を話したらよいのかわからないこともあるかもしれませんが、前述のように、企業はグループディスカッションを通じ積極性もチェックしています。
そのため、他のメンバーの発言からの付け加えなどでもよいので、「アイデアが思いつきません」「特にありません」などの発言や無言は避けるようにしましょう。
自分だけ話しすぎない
グループディスカッションは企業に積極性をチェックされている、とはいっても、自分だけが話しすぎる状態はかえって問題です。
「協調性がないのでは?」と判断されてしまいます。
時間が限られているため、自分だけが発言するのではなく、全員が発言できているか周囲にも気を配りましょう。
周囲や役割を気にしすぎない
協調性は大切ですが、周囲に気を配りすぎて発言の機会を譲り過ぎることもよくありません。
「積極性がない」「他人任せ」と判断されてしまいます。
また、役割を気にしすぎないことも大切です。
例えば、タイムキーパーの場合、時間に注意することは役割として大切ですが、それにとらわれ過ぎて発言が少なくなってしまっては選考に不利になってしまいます。
自分の思いやアイデアはきちんと伝えましょう。
強引に結論を出さない
時間が迫ってくると、強引に結論を出してしまう人もいますが、メンバー全員が納得できる結論を出せるよう、小さな合意を取りながら結論を出していきましょう。
まとめ
グループディスカッションは採用担当者から説明を聞いた後、メンバーで自己紹介を行い、役割分担や時間配分を決めます。
そしてテーマをよく吟味し、アイデアを出し合いまとめていきます。
発表は1名でも複数名でも問題ありませんが、PREP法に沿って説明するとわかりやすく伝えられます。
グループディスカッションは
・他人の意見を否定しない
・無言は避ける
・自分だけ話しすぎない
・周囲や役割を気にしすぎない
・強引に結論を出さない こと
などが注意点となります。