業界・企業研究の手段の一つとして大切なのがOB・OG訪問です。しかし、
「OB・OG訪問はどのように行えばよいのだろうか?」
「OB・OGの流れはどのようになるのだろうか?」
そんな不安や疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。
実際に志望企業で働いている先輩たちの生の声を聞けるチャンスだけに、しっかりポイントを把握しておきたいものです。
そこで当記事では、OB・OG訪問の正しいやり方や一連の流れ、注意点を解説します。
OB・OG訪問の時期
各企業のエントリーがスタートし、本選考が活発化する大学4年時の6月までにはOB・OG訪問を終わらせておく必要があります。
大手企業や人気企業はOB・OG訪問のスケジュールも時期によっては難しくなってしまうため、大学3年生の3月から大学4年生になった4月には行うようにしましょう。
なぜ、OB・OG訪問は必要なのか?
企業情報の収集と志望動機の参考のため
企業情報はホームページやパンフレット、採用ページや就活サイト、会社四季報などから収集することができます。
しかし、このような情報はすべて公開されているものであり、また、企業から一方発信的に発信されたものになっています。
OB・OG訪問は実際に企業で働く先輩たちの生の声を聞くことになるため、業界の実状や社風、働き方など、公開情報では収集しきれない情報を得ることができます。
企業理解を深めることで自己PRにも磨きがかかるため
就活で重要になるのが志望動機と自己PRです。
志望企業への理解を深めることで、就活の自己PRの内容や質も向上させることができます。
OB・OG訪問では、その企業が求めている人物像をより詳しく知ることができるため、それに合致する自分の強みや価値観などを自己PRを通じて企業に伝えることができます。
面接の参考のため
OB・OGにその会社に入社を決めた理由、入社してみて良かったことやその理由、これまでにやりがいを感じたことや、実際に体験しないとわからない情報を収集します。
このような情報は、自分の志望動機を作成する上で、大変有効な参考資料となります。
OB・OG訪問のやり方と注意点(前日まで)
訪問企業や先輩の選定
まず、訪問企業を選定し、誰を訪問するかを決めます。
訪問する先輩を探すには、以下の方法が挙げられます。
大学のキャリアセンター
大学のキャリアセンターで名簿を公開している企業の資料を探してもらいましょう。
ただし、大学によっては名簿公開企業の数が少ない場合もあります。
人脈
直接の先輩や親戚、友人、知人、そして間接的な知り合いにもあたって人脈を辿ります。
志望企業に勤める先輩を人脈を辿って探し出す方法は大変ですが、直接的・間接的に共通の知人がいる先輩となるため、実際にOB・OG訪問を行った場合、一番話が盛り上がりやすいのがこのタイプとなります。
OB・OG訪問アプリ
OB・OG訪問アプリを活用する方法です。
チャットを用いてメッセージを送るだけで先輩たちとのビデオ通話が可能になります。
依頼メールを送信する
訪問する企業やOB・OGが決定したら、その先輩に依頼メールを送ります。
依頼メールの例文
件名:OB/OG訪問のお願い(〇〇大学・〇〇学部(氏名))
突然のご連絡失礼いたします。
〇〇大学〇〇学部3年の(氏名)と申します。
現在〇年卒として就職活動を行なっており、特に、〇〇事業の魅力から、貴社に大変興味を持っております。
そこで、〇〇様にお話を伺う機会を頂きたく、ご連絡いたしました。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
スケジュール調整
OB・OG訪問の日時の提示や調整は、就活生側で行なうのが基本マナーとなります。
相手の都合もあることなので、候補日は3つほど挙げておくとよいでしょう。
また、訪問時間は営業時間内に行うことがマナーです。
企業によって、営業時間はそれぞれ異なりますが、平日の9:00~18:00で提示するのがよいでしょう。
また、OB・OG訪問日は直近過ぎても先過ぎてもお互いのスケジュール調整が難しくなるため、依頼メールで承諾を得てから1週間前後の日程を提示するようにしましょう。
質問を事前にメールする
OB・OG訪問日の1週間程前には、訪問時に何を確認し知りたいのかメールをしておくと、訪問日当日がスムーズになるため、おすすめです。
前日に最終確認のメールを送信する
OB・OG訪問日前日に、最終確認として、日時、集合場所を記載したメールを送ると丁寧な印象を与えることができます。
OB・OG訪問のやり方と注意点(当日)
対面の場合
事前に集合場所を確認しておく
交通機関の到着遅延が生じても間に合うように、約1時間前には集合場所の最寄り駅に到着し、事前に集合場所を確認しておきましょう。
集合時間まで近くのカフェなどで、この後先輩に聞きたい内容などを確認します。
訪問
OB・OG訪問の集合場所は様々ですが、カフェやファミレス、オフィスなどが一般的です。
事前に送った質問リストに沿って回答してもらうことも大切ですが、あまり雰囲気が硬くならないよう、会話自体を楽しむことをおすすめします。
オンラインの場合
接続環境を確認しておく
OB・OG訪問は対面ばかりでなく、オンライン上で行う場合も近年増えています。
オンラインOB・OG訪問を自宅やその他の場所から行う場合、その場所のネット環境に問題がないか、事前に確認しておきましょう。
映像が乱れやすく、音声が聞こえづらい場所では、先輩との会話がスムーズにいかなく、ストレスを与えてしまうことになるため注意が必要です。
また、自宅以外の場合は特に、外部からの雑音が聞こえないかも十分確認する必要があります。
さらに、OB・OG訪問では志望企業の機密情報も語られることが多いため、自宅以外の場合でもプライベートが確保できる空間で行うようにしましょう。
訪問
入室は5分前に行なうのが基本マナーとなります。
先輩が入室後は自分から挨拶し、まずはOB・OG訪問の機会をいただいたことに感謝の気持ちを伝え、自己紹介を行ないましょう。
自己紹介は、
・大学・学部
・氏名
・部活やサークル
・趣味
・志望業界
などを語ります。
このような自己紹介をオンラインで行う場合は口頭だけでなく、簡単に資料を画面に映せるようにしておくと、わかりやすくなります。
対面・オンライン共通
お礼メールを送る
以下がお礼メールの例文となります。
OB・OG訪問後、できるだけ早く送るとよいでしょう。
件名:OB/OG訪問のお礼(〇〇大学〇〇学部(氏名))
お世話になっております。
先程は貴重なお時間を頂き、誠にありがとうございました。
貴社の〜という方針や考え、そして〇〇様の〜という事業に対する思いについて、
理解を深めることができ大変勉強になりました。
今後も貴社内定に向け、就職活動に力を入れてまいります。
またご相談させていただけますと幸いです。
改めまして、本日は誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
OB・OG訪問の注意点
下記の質問はOB・OG訪問の際、避けるべき質問となるため注意しましょう。
給与・残業・福利厚生について
給与や残業、福利厚生は個人のプライバシー情報につながるだけでなく、その企業にとってもデリケートな情報となるだけに質問は避けましょう。
ネガティブな内容の質問
例えば、離職率や入社してイヤだったこと、人間関係の困りごとといったネガティブな内容の質問は、OB・OGに対しマイナスな印象を与えてしまうため避けましょう。
答えにくい質問
OB・OGの担当部署以外の質問や抽象的で返答に困るような質問は避けましょう。
まとめ
OB・OG訪問はまず、企業や先輩の選定から行います。
大学のキャリアセンターや友人・知人などの人脈、そしてOB・OG訪問アプリなどを活用して訪問する先輩を決定するとよいでしょう。
その後、依頼メールを送り、承諾されたら訪問候補日をいくつか記載し、先輩からの回答後にスケジュール調整をして、決定日時と集合場所を伝えましょう。
そしてOB・OG訪問後はお礼のメールを忘れずに送信します。