就活の際、一般的にあらゆる業界の複数の企業に応募するより、業界を絞った方が効率的に進められるといわれています。しかし、
「どこまで絞っていいのかわからない」
「最初から業界を絞ると、自分に向いている業界がよくわからなくなるのではないか?」
そんな不安や疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。
たしかに業界の絞り方を正しく理解していないと、就活が効率よく進まないばかりか、入社後、企業とのミスマッチが発生してしまう恐れもあります。
そこで当記事では、就活における業界の絞り方4ステップをご紹介します。
就活で業界を絞るメリットとは?
就活の負担が小さく、効率よく進められる
世の中に存在する業界は多岐にわたっているため、業界を絞らずにすべての業界を調べ上げ、その中から自分に合った業界や企業を探し出すというのは、時間も労力もかかるため、効率がよいとはいえません。
事前に自分に合った業界をある程度絞り込んでいると、それ以外の業界は省きながら就活ができるため、効率よく進められます。
選考準備に力を集中できる
就活では、履歴書やエントリーシートなどの応募書類対策や面接対策などの準備に多くの時間が割かれてしまいます。
どちらも志望業界をよく調べて対策する必要があるからです。
業界を絞らずに業界研究をしてしまうと、研究が浅くて広いものにしかなりませんが、業界を絞って業界研究をすると、その質が向上し内容も濃いものになります。
そのため、自己PRや志望動機などもより精度が上がるのです。
一貫性が生まれる
志望業界が複数もあると、企業に対しての自分の適性や思いなどに矛盾が生じてしまうことがあり、説得力も低下してしまいます。
業界を絞ることにより、「こんな仕事をしたいから〇〇業界を志望する」「△△を魅力に感じるから〇〇業界を志望する」など、志望業界に対する思いや理由が確固なものとなり、ブレも生じにくくなります。
就活で業界を絞るデメリットとは?
就職の選択肢が少なくなる
就活で業界を絞ることにより、就職で選べる選択肢が必然的に少なくなってしまいます。
省いた業界でも、すべての企業が同じような内容というわけではなく、もしかしたら自分に合う企業や仕事があるかもしれません。
しかし、一度省いた業界は、あらためてその業界を調べる機会もほとんどなくなってしまうため、就職の選択肢が少なくなります。
社会全体の視野が狭くなる
就活の際の業界研究は、貴重な時間ともいえます。
社会人になると、取引業界でない限り、他の業界のことを知る機会はあまりないからです。
その意味ではこうした就活の際に、あらゆる業界を研究することも意味はあるでしょう。
就活で業界を絞ることにより、絞った業界の知識に深みは出ますが、社会全体を俯瞰する視野は狭くなってしまいます。
また、他業界に比べ志望業界は何が強みで魅力があるのか?という観点も、失われてしまうことになります。
内定が一つももらえない可能性もある
自分では合っていると思った業界でも、必ずしも本当に適性があるかはわかりません。
もし、絞った業界に適性がなかったり、企業が求める人物像に合致していなかった場合、内定が一つももらえない危険もあります。
また、絞った業界が人気業界などの場合、当然、競争率も高くなってしまうため、ますます内定獲得が難しくなってしまいます。
就活で業界を絞る場合と絞らない場合
前述のように、就活で業界を絞るのはメリットとデメリットもあるため、一概にどちらがよいとは言い切れません。
そこで、次に絞った方が良い場合と、絞らない方が良い場合を見ていくことにしましょう。
就活で業界を絞った方が良い場合
就活がすでに本格化しており、各業界・企業でエントリーが開始されているような時期の場合、あれこれ複数の業界を調べるには時間が足りないため、業界は絞った方がよいでしょう。
業界を絞って研究した方が、自分の自己PRや志望動機の精度も上がるためです。
また、具体的に携わりたい仕事や分野がある場合も、業界を絞って就活した方が効率よく進みます。
就活で業界を絞らない方が良い場合
就活を始めたばかりの頃は、自分の強みや価値観、企業選びの軸が定まっていない人がほとんどです。
このような段階では、業界を絞らず、様々な業界を研究しながら自分は何がしたいのかを考えた方がよいでしょう。
また、志望する業界や具体的な仕事ではなく、
・高収入を得られる企業で働きたい
・若い人にも裁量権が与えられている企業で働きたい
・商品やサービスにこだわりはないが、営業がしたい
などの希望を持っている人も、業界は絞らず幅広く研究してみるとよいでしょう。
業界はどのくらい絞るべきか?
業界を絞る場合でも、絞りすぎないことが重要です。
スケジュールや就活においての労力にもよりますが、3つ程度に絞ることで業界比較もでき、一つ一つの業界を選ぶ上でも根拠も明確になるでしょう。
3つの業界と聞くと、「そんなに少なくて大丈夫なのだろうか?」と疑問を感じる方もいるかもしれません。
しかし、1業界で10社ほどに応募すれば、合計で30社ほど選考試験を受けられるため、内定が一つももらえないといったリスクも避けることができるでしょう。
就活における業界の絞り方4ステップ
自己分析を通し、就活の軸を理解する
まずは自己分析をしっかり行っていないと、自分の強みや弱み、価値観、性格、特徴も把握できないため、どんな業界の企業に応募してよいのかわからなくなります。
自己分析は大学時代はもちろん幼少期から振り返り、どんな経験をし、そのとき何に気づき学び、何を得て何に失敗したのかなどを書き出していきましょう。
このとき、常に「それはなんでだろう?」と考え深掘りすることがポイントになります。
そして、自分はどのような事象に出会ったときにワクワクしたり、モチベーションが上がるかなども考えていくと、就活の軸、企業選びの軸が明確になってきます。
広く浅く業を知る
「自分は〇〇業界を志望する」「やりたいことがすでに見つかっている」という人も、就活の初めの段階であれば、広く浅く様々な業界を研究することをおすすめします。
自分では気づかなくても、調べることによって適性のある業界が他に見つかる場合もあります。
また、他業界を知ることになるため、志望業界との比較もでき、結果的により志望業界の魅力の発見や理解を深めることにつながるでしょう。
積極的に就活イベントに参加する
ここまでのステップである程度業界を絞ったら、より深く理解するための行動に移りましょう。
業界研究自体はホームページや業界サイトなどで知ることはできますが、あくまでオープンで一方的な情報にすぎません。
興味が持てる業界や企業に対しては、インターンや会社説明会にも積極的に参加してみましょう。
社員の方々の声を直接聞くことで社風を肌で理解することができ、こちらからの疑問も質問することができます。
そのため、魅力がさらに深まることもあれば、逆に考え直すこともできるため、よりミスマッチを減らす効果にもつながります。
自分の就活軸に合った業界を選択する
ここまでのステップを通じ、自己分析を通じた就活軸にその業界・企業があっているかどうかを判断しましょう。
就活軸は複数ある場合、優先順位をつけて考えていくとよいでしょう。
また、その業界に興味はあったとしても、自分の就活軸に合っていない場合、入社後ミスマッチが起きてしまう可能性もあるため、このような場合は選択肢から外した方がよいでしょう。
まとめ
就活で業界を絞るメリットとして、「就活の負担が小さく、効率よく進められる」「選考準備に力を集中できる」「考えや行動に一貫性が生まれる」などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、「就職の選択肢が少なくなる」「社会全体の視野が狭くなる」「内定が一つももらえない可能性もある」などが挙げられます。
就活がすでに本格化した段階で、かつ、志望する業界がある場合は応募業界を絞った方がよいでしょう。
しかし、就活当初の段階では、複数の業界を研究した方が自分の適性が発見しやすくなるでしょう。
業界の絞り方ですが、まず自己分析をしっかり行い、自分の就活軸をきちんと理解しましょう。
一通り様々な業界を研究し、ある程度業界を絞った後で、よりその業界を深く知るために積極的に就活イベントに参加しましょう。
そして、最終的に自分の就活軸に合った業界を絞って選択します。