就活では、ほとんどの就活生が複数社にエントリーすることが一般的です。しかし、
「平均エントリー数はどのくらいなのだろうか?」
「内定を獲得するためには何社ほど応募するのがよいのだろうか?」
そんな不安や疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。
エントリー数は多くても少なくてもそれぞれメリットやデメリットがあるため、自分に合ったエントリー数をまずは把握することが大切です。
そこで当記事では、就活の平均エントリー数はどのくらいで、何社受けるのがベストなのか?詳しく解説します。
そもそも「エントリー」とは?
企業に対し、就活生が「入社を希望する」「興味がある」ことを意思表示することであり、個人情報を登録して、企業から選考に関する情報を入手できるようになることをエントリーと呼びます。
エントリーはさらに、会社説明会やインターン、選考スケジュールなどの情報を得ることを「プレエントリー」、実際にエントリーシートを提出して選考に応募することを「本エントリー」と呼ぶこともあります。
就活の平均エントリー数は?
厚生労働省の「大卒者等のインターネットを通じた就職活動に関する調査」によると、エントリー企業のボリュームゾーンは「21~50社」で23.7%でした。
また、各種就活サイトのアンケート調査でも、例年の平均エントリー数は20社程度という結果が出ています。
なお、文系と理系では、理系のエントリー数が少ない傾向にあります。
理系の場合は、学校推薦や教授推薦などを利用する学生が多いことに加え、専門分野や関連業界・企業に絞ってエントリーする学生がほとんどなので、文系に比べるとエントリー数は少なくなります。
就活のエントリー数が少ない場合のメリット・デメリット
メリット:時間をかけて企業研究や面接対策ができる
エントリー数が少なければ、一つ一つの企業研究や面接対策に時間をかけることができます。
企業研究をより深く行うことによって、自己PRや志望動機の内容も説得力が増します。
また、面接対策でも、他社ではなくどうしてその企業に入社したいのかなど、深みのある回答ができるようになります。
メリット:スケジュールに余裕が生まれる
エントリー数が少ないと、スケジュールに余裕が生まれます。
就活生の本業はあくまで学業であり、授業やテスト、ゼミに関わる時間はきちんと確保しなければなりません。
また、部活やサークル、生活費を稼ぐためのアルバイトもあり、就活生のスケジュール調整はとても大変です。
しかし、エントリー数が少ないと、目標や行うべきことも絞れるため、就活を効率よく進めることができます。
デメリット:就活期間が長くなってしまう可能性がある
エントリーした企業の選考がうまく進まなかった場合、就活期間が長くなってしまう可能性があります。
エントリー数が少ない中で応募企業に落ちてしまうと、また、エントリーを最初から行わなければなりません。
大学3年生の2、3月頃であればエントリーできる企業はたくさんありますが、夏時期以降にエントリーし直すといっても応募できるところが少なくなってしまいます。
エントリー数が少ない場合は、このような状況になることも想定して十分に検討しましょう。
デメリット:ミスマッチが起きた場合の修正が困難になる
最終面接に近い段階でその企業にミスマッチを感じ、さらにエントリー企業がもうないといった場合、最初から就活をやり直さなくてはならず修正が困難になります。
エントリー数を少なくするのであれば、自己分析や業界・企業研究を徹底し、どうしても行きたい業界・企業なのかを十分に検討してから決めるようにしましょう。
デメリット:自分に合う業界や企業を見落とす可能性がある
エントリー数が少ないということは、業界・企業研究の範囲も狭くなってしまいます。
すると、よく調べていれば見つかったかもしれない自分に合う業界や企業を見落とす可能性もあります。
就活のスタート段階は特に、幅広く業界や企業研究を行った方がよいでしょう。
就活のエントリー数が多い場合のメリット・デメリット
メリット:選考が進むにつれ、自分に合う業界や企業を発見できる可能性がある
エントリー数が多いということは、それだけ業界・企業研究の範囲も広くなります。
プレエントリーを行い、会社説明会や資料といった情報が企業から送られてくると、それがまたきっかけとなり、それまで特に興味のなかった業界や企業の中でも、自分に合うところが発見できる可能性があります。
メリット:選考試験に慣れる
エントリー数を多くすると、企業に接する機会も増えるため、選考試験にも慣れてきます。
本命企業を受ける前に多くの書類選考を経験しておくと、どのような書き方や内容が選考にパスできるか自然とわかるようになってきます。
また、面接も同様で、慣れていないと緊張しがちです。
数多く面接にのぞんでいると、よく聞かれる質問内容がわかるようになるばかりでなく、声の大きさやトーン、表情など、どのように話すと相手に伝わりやすいかもわかるようになってきます。
メリット:選考に落ちたとしても次のチャンスがある
エントリー数が少ないと一回一回の選考試験が崖っぷちの状態で気持ちに余裕がなくなり、ただでさえ緊張するところが余計な緊張を生んでしまいます。
しかし、エントリー数が多ければ、その企業にもし落ちたとしても、次に選考試験にのぞめる企業がまだあると、気持ちに余裕を持つことができます。
ただし、緊張感がなくなるのはかえってよくないことです。
一回の選考試験に全力でのぞみましょう。
デメリット:スケジュール管理が困難になる
選考試験には主に、適性検査、書類選考、面接などがあります。
エントリー数が多いと、複数企業においてそれぞれの選考試験の予定が入ってきます。
就活ピーク時ともなれば、選考試験日がかぶってしまう場合もあり、スケジュール管理が難しくなります。
また、応募書類提出日がかぶることもあるため、事前に自分の予定をしっかりと調整しておきましょう。
デメリット:企業研究や面接対策に時間をかけられない
エントリー数が多いと、一社あたりにかけられる企業研究や面接対策に時間をかけられなくなってしまいます。
そのため、企業への理解度も浅いものになってしまい、自己PRや志望動機の内容も説得力がなくなってしまい、選考試験に苦戦を強いられてしまいます。
就活のエントリーの際に注意すべきこと
自分はどのような就活を進めたいのかをよく考える
多くの就活生にとって、就活はわからないことだらけです。
エントリー数もどのくらい応募すべきかわからず、他人の状況が気になりがちです。
周囲の様子を見聞きすることも大切ですが、あまり他人のエントリー数に左右されないようにしましょう。
エントリー数は多くても少なくてもそれぞれメリット・デメリットがあるため、自分にとってどのような就活を進めたいかをまずはじっくり考えましょう。
興味のある企業はエントリーする
エントリー自体はそれほど時間がかかることではありません。
後になって「やっぱりエントリーしておけばよかった」と後悔するくらいなら、まずは興味のある企業にエントリーしてみましょう。
エントリーしても、エントリーシートを提出しなければ、その後準備等で時間がかかることはないため、エントリーし忘れがないよう注意しましょう。
業界や企業を絞りすぎない
自己分析や業界・企業研究を徹底して行ない、「どうしても〇〇業界(企業)で働きたい」という人でなければ、あまり業界や企業を絞らない方がよいでしょう。
特に大学3年生の夏頃の就活スタート期は、視野を広げるためにも多くの企業にエントリーをした方がよいでしょう。
エントリーチャンスを逃さない
エントリーがピークになるのは、就活情報が解禁となる大学3年生の3月頃です。
「自分は〇〇業界で働くことしか考えていないから」と、業界や企業を限定して考えすぎると、エントリーチャンスを逃してしまうことになります。
一度チャンスを逃してしまうと、二度とその企業へエントリーできないことも多いため注意しましょう。
無理なスケジュールは立てない
エントリーシートの提出には、業界・企業研究が欠かせません。
そのため、多くの時間がかかります。
面接対策も同様に、応募する企業が多ければ多いほど、それぞれの対策に時間をかけることが難しくなってしまいます。
さらに、選考日時のかぶりも発生しやすくなるため、エントリー数が多いとスケジュール管理も大変になります。
就活生は大学での学業やアルバイトなどもあるため、無理なスケジュールを立てるとどれも効率よく進まなくなります。
多少の余裕を持って就活を行うのがよいでしょう。
まとめ
例年、一般的にはエントリー数の平均は約20社といわれています。
エントリー数は多くても少なくてもそれぞれメリット・デメリットもあります。 そのため、あまり他人と比較するのではなく、自分にとって最適と思われる就活イメージをまずはしっかり持つようにしましょう。