就職活動において、企業から内々定を取り消されることは少ないですが、必ずしも起こらないとは言い切れません。中には就活生が原因で取り消されるケースもあります。
せっかく説明会や履歴書作成、面接対応など長い時間をかけて獲得した内々定を取り消されてしまうのは、誰もが避けたいことです。
そこで今回は、内々定が取り消される確率はどの程度あるのかを踏まえ、 取り消されてしまう主なケースについて詳しく紹介します。
就職活動で内々定を取り消されないように、事前にしっかりと把握しておきましょう。
内々定の取り消しは違法?
「そもそも企業から内々定を取り消すのは違反じゃないの?」と思う方もいるでしょう。
しかし、結論から言うと内々定を企業側から取り消しても違法ではありません。
内定は企業と学生の間で正式な労働契約を交わしているため、企業側から一方的に取り消すのは違法に当たります。対して内々定はあくまで内定前の口約束のような段階であり、正式な契約は交わしていないため、取り消しが可能です。
そのため、実際に企業側から学生への内々定を取り消すケースもありますが、そこまで多いケースではないことも事実でしょう。
ただし、企業側から内々定を取り消されるのは「1%」ほどにも満たないとされているため、ほとんど起こらないといえます。
企業から内々定が取り消される主なケースとは
企業から内々定の取り消しが可能と言っても、正当な理由が必要です。
就職活動において、内々定が取り消される主なケースは以下の通りです。
単位不足で卒業できなくなってしまう
学生側の要因で内々定が取り消される理由で1番と言っていいほど多いのが、単位不足によって卒業できなくなってしまうケースです。
学生が大学を3月で卒業できない場合、最短でも半年後の9月になってしまいます。企業は新卒採用において4月から就業できる人材を探しており、もともと3月に卒業する暗黙の了解で内々定を出していることがほとんどです。
予定通り3月で卒業ができなければ、当初の話と変わってくるため、内々定を取り消されかねません。
また、卒業できないのであれば、3月で学校を退学して4月から就業しようと考える方もいるでしょう。
しかし、企業側が大卒の学歴を持つ人材を採用していたり、途中で大学を無理にでも辞めることに誠実性が欠けていると判断し、どのみち取り消しをしたりすることがあるため無理は禁物です。
犯罪行為をして逮捕される
稀なるケースですが、中には企業から内々定を獲得してからの期間中に、暴行や窃盗などの罪を犯し、逮捕されてしまう学生もいます。
企業からすれば、罪を犯すような人材を採用し、社内でトラブルを起こされてはたまりません。
犯罪行為を犯してしまった場合、たとえ内定を獲得していたとしても企業から取り消される可能性が高いため、内々定の時点ではほぼ確実に取り消されると考えておきましょう。
しかし、たとえ犯罪や事故に関わっていたとしても、自身が被害者であったり、知らず知らずのうちに巻き込まれているようなケースは別といえます。
入社することで企業にとってデメリットになる
犯罪行為と同様にごく稀なケースですが、昨今では多くの消費者がSNS上でさまざまな情報を飛び交っていることから、学生の迷惑行為が炎上しているケースが多いです。
万が一、自身の迷惑行為がSNSやメディアで取り上げられ、世間から悪いイメージを持たれたまま企業に入社してしまうと、企業側のイメージも下がりかねません。
特に悪い噂や口コミが早く拡散されやすい世の中になっていることから、企業側は懸念となる要素は1つでも排除したいところでしょう。
そのため、自身の悪い行いが世間に広まってしまうと、企業からの内々定を取り消される可能性がかなり高くなります。
学歴や報告内容の詐称
就職活動では、自身の学歴や取得資格、アルバイトや部活動での実績を企業にアピールします。
少しでも企業へ好印象を与えようとして、学歴や報告する内容が全く異なっていると、詐称とされ、内々定が取り消される可能性が高いです。
学歴や報告内容の詐称例として良くある例は以下のようなことが挙げられます。
- 学歴の詐称
- 取得していない資格を取得済みと報告する
- TOEICの点数を実際よりも高く報告する
- 部活動でベンチメンバーだったにもかかわらずずレギュラーメンバーと主張する
- 部活動で大会の実績を誇張して伝える
- アルバイトで対応していない業務も対応していたと回答する
上記のように事実と異なる内容を企業側にアピールをしたとしても、面接の際の質問で深堀りをされるとボロが出てバレてしまいます。
そのため、たとえ自身の中で自慢できる事象が無いとしても、現状の自分で強みとなるポイントを探し、偽りのない自分で採用を獲得するようにしましょう。
怪我や病気など健康上の問題
内々定を獲得してから、事故による怪我や病気の発覚により明らかに入社時期が遅れてしまったり、病気によってそもそも就業が困難になってしまったりすることがあります。
企業からすれば、4月の入社を目途に採用を進めている中、いきなり入社時期が遅れてしまうケースやそもそも就業すら難しいというケースは避けたいところです。
そのため、内々定を獲得してからも、自身の体調管理には細心の注意を払いましょう。
提出書類や内定通知への未対応
企業から内々定の通知が来た後、企業から正式に内定をもらうには、内定承諾書などの書類提出が必要です。
もし企業からの内定通知の承諾を忘れ、その後の催促も無視したままにしてしまうと、入社の意思が無いと見なされて取り消されてしまいます。
内々定が取り消されてから慌てて対応したとしても、企業側から対応が悪くだらしのない性格と認識され、再度内々定をもらうのは困難です。
そのため、企業とメールのやり取りをする際は迅速に対応し、他のメールに埋もれてしまう恐れがある場合は、専用のフォルダを作るなど徹底した管理を心掛けましょう。
企業の業績悪化
内々定が取り消される要因は、必ずしも就活生側だけとは限りません。
中には、内々定を出した企業側の経営状況が悪化し、人材採用をストップせざる負えないケースもあります。
企業の業績悪化による内々定の取り消しを回避するには、ある程度の規模が確立されており、経営状況が安定している企業や世間的な需要が高い企業を選ぶと良いでしょう。
自然災害による被害
企業側の業績が安定していたとしても、地震や火災、津波などの自然災害による被害を受けた場合、企業側も復旧や立て直しを優先するため人材採用をストップします。
自然災害による内々定取り消すは稀ですが、実際に大きな災害が原因で内々定が取り消される可能性がある以上、頭の片隅には入れておくべきでしょう。
内々定を取り消されないために注意すべきこととは
就活生が企業から内々定をもらうためには、履歴書やエントリーシートの作成、企業説明会への参加、面接での選考通過など、多くの時間を費やしています。そのため、意地でも取り消されたくないところです。
そこで、内々定を取り消されないためには以下の点に注意しましょう。
対応事を迅速に終わらせる
内々定をもらったからといって、そのまま企業に入社できるわけではなく、内定承諾書の対応や内定式、懇親会などの対応が必要です。
対応が遅いという理由だけで、せっかく獲得した内々定が取り消されてしまうことほどもったいないことはありません。
そのため、入社をしたい企業とのやり取りは何よりも優先し、プライベートの隙間時間だけでも対応できることは迅速に対応するようにしましょう。
トラブルを起こさない
内々定後に犯罪や違法行為などを起こしてしまうと、ほとんどの確率で企業からの内々定は取り消されてしまいます。
また、犯罪や違法行為は、他の企業の選考を受ける時にも悪影響であり、メディアで取り上げられるような罪を犯してしまうと、そもそも入社自体が難しくなってしまうでしょう。
そのため、内々定をもらったとしても、ハメを外しすぎないことをおすすめします。
SNSの取り扱いに注意する
昨今では、一個人の迷惑行為がSNS上で拡散され、内々定をもらった企業の耳にも入ってしまう可能性が高くなっています。
犯罪の場合は個人情報保護の兼ね合いで実名や住所などは特定されにくいですが、SNSの場合は下手すると自身の名前や住所が特定されかねません。
SNSで拡散されすぎてしまい、自身の顔や名前が漏洩してしまうと、就職活動においてかなり不利になってしまうため、SNSの活用や私生活には注意が必要です。
内々定を獲得してからも細心の注意を払おう!
今回は、就職活動における内々定について、企業から内々定を取り消されるケースや取り消しを防ぐために注意すべきことについて紹介しました。
就職活動は企業からの内定を獲得し、入社することを目的としているため、前段階である内々定が取り消らされてしまっては元も子もありません。
そのため、内々定を獲得したとしても決して油断することなく、細心の注意を払い続けましょう。