就職活動において、特定の時期までは企業から内定をもらえずに内々定をもらいます。
基本的には内々定は取り消されることはないため、自身が入社したい企業から内々定をもらった場合は就活をやめても問題ありません。しかし、内々定をもらった時点で就活をやめる際にはいくつかのリスクが伴うため、安易な判断は危険です。
この記事では内々定をもらった時点で就活をやめる際のリスクを踏まえ、注意点について紹介します。
就活で失敗をしたくないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
内定と内々定の違いとは?
そもそも内定と内々定の違いは何か把握できていないという就活生も多いでしょう。
実は内定と内々定には明確な違いがあります。
内定とは「始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれる正式な労働契約の事であり、基本的に企業側から内定の取り消しはできません。
対して内々定とは、労働契約のようなものを結んでいる状態ではなく、一種の口約束にあたります。しかし、たとえ正式な労働契約を結んでいないとはいえ、よほどの事でもない限り内定を取り消されることはないでしょう。
内々定をもらって就活をやめる際のリスクとは
就活生が企業から内々定をもらった時点で就活をやめる際にはいくつかのリスクが伴い、主なリスクは以下の2つが挙げられます。
入社できる選択肢が減る
1つ目は、入社できる企業の選択肢が減る点です。
就職活動は多くの企業の選考を受け、複数の内定を獲得した中で自身が入社したい企業を選択するのが一般的でしょう。
その点、内々定をもらった時点で就活をやめてしまうと、自身が入社できる選択肢を増やせなくなってしまいます。
内々定をもらった嬉しさのあまりすぐに就活をやめたが、後から考えて自身に合っていないと感じ、就活を再開しても自身に合っている企業が見つからなくなってしまうというケースも少なくありません。
そのため、就活をやめるタイミングの選択は非常に重要といえるでしょう。
内々定を取り消される可能性がある
2つ目は内々定が取り消される可能性がある点です。
内定は企業側から取り消されることはありませんが、内々定の場合は取り消される可能性があり、実際に企業から内々定をもらってから就活をやめたが、何かしらの理由で内々定が取り消されるというケースも少なくありません。
万が一就活をやめてから内々定を取り消されてしまうと、再度就活を始める必要があり、周りの就活生に遅れをとってしまいます。
そのため、安易な判断で就活をやめてしまうのは危険といえるでしょう。
内々定が取り消される主な理由とは
就職活動で企業側から内々定を取り消されるケースは稀ですが、可能性はゼロではありません。
内々定が取り消される主なケースは以下のような例が挙げられます。
資格要件を満たしていない
資格要件の代表的な例は大学を卒業できないというケースです。
企業が就活生に内定を出す際は卒業することを前提条件としているため、卒業できなければそもそもの話が変わってしまうため、内々定が取り消されてしまいます。
中には秋の第2新卒としての採用まで待ってくれる企業もありますが、ほとんどの企業は内々定が取り消されるという認識をしておくといいでしょう。
病気や怪我により入院が必要になった
就活生が内々定をもらった後や入社前に、病気や怪我で入院が必要になるケースも起こり得ます。
実際には病気や怪我の程度によってどのくらいの期間入院が必要かにもよりますが、明らかに入社予定日からの勤務が困難な場合は内々定を取り消しされかねません。
経歴に詐称があった
就職活動では、高学歴であればあるほど好印象を持たれやすいため、高学歴の人は面接や書類選考でアピールしやすくなります。
そのため、中には高学歴とは言えない人が、自身の経歴を詐称してまでアピールしようとする人もいます。しかし、就活において経歴詐称はNGです。
もし経歴詐称が発覚した場合は、どんな理由があろうと内々定は取り消されてしまうため、経歴詐称は行わないようにしましょう。
素行不良
内々定を獲得してから万が一犯罪をしてしまい、警察に捕まるようなことがあると内々定は取り消されてしまいます。
また、昨今では個人がSNSで発信した内容が炎上してしまうケースも少なくありません。
もし不適切な発言が炎上し、世間から悪い意味で注目を集めた場合も会社の信頼に影響する可能性があることから、内々定が取り消されかねないため注意しましょう。
企業の業績不振
内々定が取り消されるのは就活生側だけの問題ではありません。
中には企業側の経営状況が悪化し、人材採用が困難になるケースもあります。
企業側が業績不振になった場合は、内定でさえ取り消しが可能になるため、致し方ないと言えるでしょう。
就活生から内々定を断る際の注意点とは
企業から内々定をもらったとしても、就活生から断ることもあるでしょう。
もし企業の内々定を断る際は、以下のような点に注意してみてください。
できるだけ早く連絡する
基本的に企業から内定や内々定をもらってから、回答をするまでの期間は2週間ほどとされており、待たせれば待たせるほど企業には迷惑をかけてしまいます。
そのため、断ることが決まった際はすぐにでも企業に連絡をしましょう。
電話で連絡をする
断りの連絡を入れる際はできるだけ電話で行いましょう。
同じ断るの内容を伝えるのはメールでも変わりませんが、電話の方が気持ちが伝わります。また、ビジネスシーンにおいて重要な要件を伝えるのは電話であることが一般的であるため、できるだけ電話で連絡する方が良いでしょう。
内々定を辞退する理由を伝える
内々定を断る際は、その理由も伝えられる範囲で伝えましょう。
理由も伝えずにただ断りの連絡だけしては失礼に当たってしまいます。また、企業側からすれば、少しでも明確な辞退理由を把握した方が今後の改善に活かせるため、企業の為にも伝えてあげることをおすすめします。
最後まで雑な対応をしない
就職活動で内々定を断る企業とは今後関わる可能性は低いです。
そのため、最後に雑な対応をしてしまう就活生は少なくありません。しかし、これまで自身のために長い時間を使って、書類選考や面接をしてくれた相手に対して雑な対応をするのは失礼にあたります。
最後は今まで対応してくれた感謝を込めて、社会人としてのマナーを考慮した対応をしましょう。
適切なタイミングで就活を辞めて納得の行く企業選びをしよう
今回は就職活動において内々定をもらったタイミングで就活をやめるリスクを踏まえ、内々定が企業側から取り消される理由や内々定を断る際の注意点について紹介しました。
就活は多くの企業の選考を受けて自身が入社したい企業を選ぶため、内々定をいくつももらうことがあります。
そんな時、就活を適切なタイミングでやめなければいつまでも就活を続けなければいけなくなったり、自身が選択できる企業が少なくなってしまいます。 また、就活をやめる際はただ内々定をもらったからやめるのではなく、企業から取り消されないように細心の注意を払いましょう。