就活において、重要な対策の一つに面接対策が挙げられます。

「採用担当者が面接で採用したい人物がどのような人なのかわかれば、効率よく対策できるのに…」
「面接で「採用したい」と思われるには、受け答えの際にどんなことに注意すればよいのだろう?」

そんな不安や疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

そこで当社では、人事担当者にアンケート調査を行ない「面接で採用したい学生はどんな学生?」についてまとめました。

調査概要

実施期間2023年6月
調査対象25歳から59歳までの人事担当者
調査方法ネットリサーチ
回答数63名

採用担当者は面接でどんな学生を採用したいと考えているのか?

採用担当者は面接の際、学生のどのようなところを見ながら「採用したい」と考えるのでしょうか?

多くの企業では以下のポイントに注目しながら、学生をチェックしていることがアンケート結果から伺えます。

1.コミュニケーション力のある学生

有効回答のうち、採用担当者が最も「面接で採用したい学生」として挙げたのがコミュニケーション力でした。以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。

・的確に返事できる

・相手の目を見てコミュニケーションが取れる方

・あいさつ、礼儀正しい人材

・コミュニケーション能力の高さ

・ハキハキ自分の答えに自信を持って話す学生

・会話が成立するか

・第一印象。コミュニケーション能力

・人の意見に反論せずに、自分の意見をしっかり伝えられる

・自分の言葉で本心を話す素直な人

・ぱっと見の好感度や話の筋などの論理が通った受け答えができるか

・明るくハキハキしている

・ハキハキ、しっかりしてる

・明るく挨拶の出来る人

・発言内容、話し方

・質疑応答ができているか

・所作、言動全て

などとなっています。

では採用担当者は、なぜコミュニケーション力のある学生を面接で採用したいと考えるのでしょうか?

なぜ、コミュニケーション力のある学生を求めるのか?

学生時代までは、自分の好きな人や相性の良い人と過ごすだけで生活は成り立っていました。

しかし、社会人になると限られた人々と接するだけにとどまらず、社内外の年齢や性別、考えの異なる多くの人々との関わりが必要になります。

このような人々といっしょに仕事をしていく上で、円滑な意思疎通が必要となるため、採用担当者はコミュニケーション力のある学生を面接で採用したいと考えるのです。

コミュニケーション力とは?

「コミュニケーション力」とはどのような力なのでしょうか?

コミュニケーション力には主に、次の4つの要素が含まれています。

意思伝達力

自分の考えや意見を相手にきちんと伝えることができる力のことを指します。

意思伝達力の高い学生は、自分の考えや意見を相手にきちんと理解させる姿勢が強く、相手の質問や性格、態度などに応じて考えや意見を的確に伝えることができます。

論理的表現力

物事を論理的に筋道を立てて説明できる力のことを指します。

論理的表現力の高い学生は、自分の考えや意見を筋道立てて伝えることが得意で、相手に合わせて臨機応変に表現方法を変え、伝わりやすくすることができます。

好感表現力

感じの良さ、雰囲気の良さを意図的に表現できる力のことを指します。

好感表現力が高い学生は、状況や環境に合わせて適切な応対をとる姿勢が強く、相手に対して感じや雰囲気の良い印象を与えることができます。

対人調和力

相手の意図や気持ちを理解し、配慮できる力のことを指します。

対人調和力が高い学生は、相手のことを尊重し、配慮することが得意で相手の意図や気持ちを正確に感じ取り、要望や期待を受け入れることができます。

2.自分なりの価値観を持っている学生

有効回答のうち、採用担当者が次に「面接で採用したい学生」として挙げたのが自分なりの価値観を持っている学生でした。以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。

・自分の目的意識がある

・自分を持ってる感じの子

・明確な価値基準と自分自身の軸を持っている

・自分の考えを持って、自分の考えを言葉にできる人

・自分の考えを持ってやりたい事が明確にある

・自分のことをちゃんと理解してアピールできる学生

・自分の意見を持っていて、自分の言葉でしっかり伝えられる学生

などとなっています。

では採用担当者は、なぜ自分なりの価値観を持っている学生を面接で採用したいと考えるのでしょうか?

採用担当者が面接で価値観を聞く理由とは?

会社の方向性と合っているか確認したいから

その学生が持っている価値観と自社の方向性が合っているかを確認するために、採用担当者は面接で価値観について質問をします。

事前にこうした価値観を質問するのは、学生が考える価値観と自社が合っていなければ、入社後、学生も会社側もお互いに損をしてしまうことになり、それを避けるためです。

職務内容に適性があるかを確認したいから

学生が持つ価値観と会社の方向性が合っていたとしても、職務内容に適性があるとは限りません。

会社は自社の方向性と合っている価値観を持ち、職務を通じて会社に貢献して活躍してくれる人材を採用したいと考えるため、学生の価値観を確認しながら職務の適性があるかどうかも判断しています。

社風とのミスマッチを防ぐため

社風とその学生の人柄や性格、価値観が合っていなければ活躍が期待できず、学生も自分の能力やスキルをうまく発揮できないことで早期退職につながってしまう恐れがあります。

早期退職となると企業側も採用にかけたコストがムダになってしまうため、事前に価値観を確認することでミスマッチを防ぎます。

学生時代の経験や気づきを確認するため

人の価値観は経験や気づきなどによって形成されます。

大学の学業、ゼミを通じて、または部活やサークル、アルバイトを通じて何に気づき、自分なりの価値観を得たのかを企業は知りたがっています。

そして、自分なりの考え方を持ち、相手の意見を尊重しながらも、自分の意見をしっかり伝えられる人材がほしいため、価値観を質問しています。

3.入社意欲が高く、熱意が感じられる学生

他、有効回答のうち、採用担当者が「面接で採用したい学生」として挙げたのは、やはり入社意欲が高く、熱意が感じられる学生でした。以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。

・やる気がある

・会社の魅力を語って、やりたい事を伝えてくれる

・何かに打ち込んできたか。最終的に熱意

・真面目

・前向きで一生懸命さが伝わる学生

などとなっています。

では採用担当者は、学生の入社意欲や熱意を面接のどのようなところで感じているのでしょうか?

入社意欲が高く、熱意が感じられる学生は、「逆質問」に積極的

入社意欲が高く、熱意が感じられる学生は、自分の意見を自分の言葉できちんと語り、その会社でやりたいことをしっかりとイメージできています。

また、面接には学生が面接官に質問できる「逆質問」の時間がありますが、入社意欲が高く、熱意が感じられる学生はこの逆質問に積極的です。

これはその会社にどうしても入社し働きたい、といった熱意の表れであり、このような学生を採用担当者は面接で採用したいと考えています。

まとめ

採用担当者へのアンケートで、面接で採用したい学生として挙げられたのが「コミュニケーション力のある学生」「自分なりの価値観を持っている学生」「入社意欲が高く、熱意が感じられる学生」でした。

社会人になると、年齢や性別、考え方の異なる人たちとのスムーズな意思疎通を求められるため、採用担当者はコミュニケーション力のある学生を採用したいと考えます。

また、価値観は経験や気づきに基づいて形成されるため、その学生が夢中になったものがあるかどうか、会社方針や職務内容にその価値観が合っているかどうか知るために、学生の考え方や意見を冷静にチェックしています。

さらに、やはり面接では入社意欲が高く、熱意が感じられる学生を採用担当者は採用したいと考えているようです。