エントリーシートや面接など、採用試験において必ず準備しておかなくてはならないのが、志望動機を尋ねられた際の回答です。しかし、
「採用担当者は志望動機のどのようなところをチェックしているのだろう?」
「採用したいと思われる志望動機とは、どのようなものなのだろう?」
そんな疑問をお持ちの方も多いことでしょう。
たしかに、志望動機を明確にしない限りは内定獲得は不可能であるため、就活の上では特に重要です。
そこで当社では、人事担当者にアンケート調査を行ない「こんな志望動機は採用したい」についてまとめました。
調査概要
実施期間 | 2023年6月 |
調査対象 | 25歳から59歳までの人事担当者 |
調査方法 | ネットリサーチ |
回答数 | 54名 |
採用担当者は志望動機のどんなところをチェックしているのか?
採用担当者は志望動機のどのようなところをチェックしながら「採用したい」と考えるのでしょうか?
多くの企業では以下のポイントに注目しながら、志望動機を確認していることがアンケート結果から伺えます。
1.やる気があり、入社意欲が高い
有効回答のうち、採用担当者が最も「こんな志望動機は採用したい」として挙げたのが「やる気や入社意欲」でした。
基本的なことではありますが、やはり、自分の言葉でストレートに入社したい気持ちを伝えることこそが重要であるといえます。
以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。
・意欲のある人
・チャレンジしたい
・自分のやりたい事があり、こちらの会社でそれをなしたいと言う目標がしっかりしている
・一所懸命頑張りたい人
・会社を発展させたい
・やる気が見られる
・会社や仕事が好き
・熱い想い
・自己成長したい
・向上心がある事を上手にまとめてある動機
などとなっています。
では、多くの採用担当者が「こんな志望動機は採用したい」として挙げた「やる気や入社意欲」について、詳しく解説します。
採用担当者は働く意欲の高さを確認したい
採用担当者は志望動機を通じて、学生の働く意欲の高さを確認しています。
働く意欲が薄い人を採用し研修・教育したとしても、すぐに辞められてしまったり、あまり成長が見られなかったとすれば、企業にとっては時間もコストもムダになってしまうからです。
採用担当者は熱意ややる気を持って仕事に取り組んでくれる学生を求めているため、「入社したい気持ち」をストレートに強く伝えましょう。
学生の中には「大企業で安定しているから」「給料がよいから」といった気持ちでその企業を志望する人もいますが、志望動機には「なぜその企業でないといけないのか」「どのように働きたいのか」といった視点でまとめるようにしましょう。
2.将来のビジョンを持っている
有効回答のうち、採用担当者が「こんな志望動機は採用したい」として次に挙げたのが「やる気や入社意欲」でした。
以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。
・数年後の自分を見据えている人
・将来設計が出来ている。たとえ数年後には退職の意志があっても
・やりたい事を伝えてくれる
・入社してからのイメージができている方
・将来を見据えた志望動機
・ここでどうなりたい、だからどうするのかを持っている
・目的が明確なもの
・自社の社業に将来性を感じていることはもちろん、入社後にやりたい事が本人なりに明確な場合
・やりたい事が明確な子
・将来が明確
などとなっています。
では、多くの採用担当者が「こんな志望動機は採用したい」として挙げた「将来のビジョン」について、詳しく解説します。
志望度の高さを確認
採用担当者は志望動機にある将来のビジョンから、志望度の高さをチェックしています。
その学生が入社後、どのように働き成長していきたいのかを感じ取ることができれば、志望度が高いと判断されます。
一方、将来のビジョンややりたいことが希薄な場合、「他社でも良いのでは?」と思われてしまい、志望度も低いと判断されてしまいます。
仕事への価値観を確認
志望動機にある将来のビジョンから、その学生が仕事をどのように捉えているかといった価値観がわかります。
そして、採用担当者はそこに自社が求める人材と合致していると判断できれば、「採用したい」気持ちも強くなることでしょう。
自己分析ができているかどうかの確認
自己分析は、「自分はこれまで何を経験し、そこから何を学び、何が強みなのか。そして将来どうしたいのか」を明確にする作業です。
つまり、自己分析をしっかり行なっていると、将来のビジョンも明確になりますが、逆に自己分析が疎かだと将来のビジョンも見えないままになってしまいます。
企業は将来のビジョンが明確でない学生を採用してしまうと、入社後ミスマッチが起きてしまうため、将来のビジョンを重要視して確認しています。
3.企業研究をしっかり行なっている
有効回答のうち、採用担当者が「こんな志望動機は採用したい」として次に挙げたのが「企業研究をしっかり行なっている」でした。
以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。
・企業研究した上での志望動機
・会社を理解している
・会社との相性
・弊社のことをよく調べてあることがわかる書類
・当社であることが明確な志望動機
・インターンの中で学んだ会社の方針に同意してくれる雰囲気があれば嬉しい
・業界への親和性が高い
・しっかりと企業分析したうえで、その中で自分はどんな貢献できるか考えている志望動機
などとなっています。
では、多くの採用担当者が「こんな志望動機は採用したい」として挙げた「企業研究をしっかり行なっている」について、詳しく解説します。
自社との接点を確認
自分と企業との接点を見極めていない場合、志望動機も明確になりません。
一方、企業ホームページや企業説明会から情報収集したり、OB・OG訪問から従業員の生の声を聞くと、その企業の実像が明確になります。
さらに、企業が開催するインターンに参加し、実際の仕事内容を経験すると、社風や人間関係も把握できるため、自分の適性もより明確になります。
また、同業他社との比較までできていれば、よりその企業の強みや弱みもわかるようになります。
つまり、企業研究がしっかり行えていると志望動機も魅力あるものになるため、採用担当者も「採用したい」と考えるのです。
4.一方ではこんな意見も…
有効回答のうち、複数の採用担当者が「こんな志望動機は採用したい」として挙げたのが「志望動機は重要ではない」でした。
以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。
・つくられた内容が多くあまり志望動機を信用しません。重きを置きません
・動機は重視しない
・志望動機は重視していない
・志望動機程度では採用云々に至らない
・志望動機は、問わない。人手不足のため
志望動機は重要ではない、という意味ではない
定型文のような志望動機が多いことの裏付けであり、それであれば人間性やコミュニケーション力などで採用を決定するといった意味かもしれません。
けっして志望動機が重要ではないという意味ではないため、これまでに挙げたポイントをよく理解し、魅力ある志望動機を作成しましょう。
まとめ
採用担当者は採用したいと思える志望動機として、「やる気があり、入社意欲が高い」「将来のビジョンを持っている」「企業研究をしっかり行なっている」ことを挙げています。