就活生は内定獲得のために、自己分析、業界・企業分析、エントリーシート作成、面接対策等を行いながら準備します。様々ある就活の準備ですが、できれば効率よく進めたいものです。

「採用担当者は採用したい学生をどのように考えているのだろうか?」
「採用担当者が採用したい学生には、共通点があるのだろうか?」

そんな疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

そこで当社では、人事担当者にアンケート調査を行ない「こんな学生は採用したい」についてまとめました。

調査概要

実施期間2023年6月
調査対象25歳から59歳までの人事担当者
調査方法ネットリサーチ
回答数52名

採用担当者は学生のどんな点をチェックしているのか?

採用担当者は採用試験の際、学生のどのようなところをチェックしているのでしょうか?

企業規模を問わず、多くの企業では以下のポイントに注目しながら、学生と接していることがアンケート結果から伺えます。

1.コミュニケーション力

有効回答数のうち、採用担当者が最も「こんな学生は採用したい」と感じたポイントがコミュニケーション力でした。以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。

・質問に対して的確な回答をする人

・こちらの聞いたことをきちんと返答できた人

・生き生き、ハキハキと答える

・話がわかりやすい

・答えに悩んでもとにかくハキハキ話す

・頑張って受け答えしているのが、分かる人

・緊張して口がモゴっても前向きな方は良いと思う

・自分の言葉で話そうとし、会話に努めている

・自分の強みを持っていてアピールできる

・笑顔が良い。ハキハキしている。自分の言葉で話す人

・ハキハキと目を見て話すなど基本的なことがしっかりできる

・飾らない自分の言葉で、誠実に回答できる

・自分の言葉で話す学生

・マニュアル通りでなく引き出しが多い

・挨拶が笑顔でハキハキとした返事

などとなっています。

では採用担当者は、さらにどのようなコミュニケーション力のある学生を採用したいと考えるのでしょうか?

理論的な説明ができる学生

自分の意見を相手にきちんと伝えるためには、内容を整理し、理論的に筋道を立てて説明する必要があります。

結論をまず述べ、その理由を話し、根拠となることを具体的に説明しながら、最後に再度結論を述べます。

プレゼンや取引先との交渉などの他、社内スタッフとの打合せなどにおいても理論的な説明を求められるシーンはたくさんあるため、採用担当者も学生に理論的に話せる力があるか、この点をチェックしています。

会話の仕方に協調性がある学生

一方的に話しをまくし立て、相手を論破することが「コミュニケーション力がある」とは判断されません。

相手と円滑に意思疎通するためには、協調性を持ち、相手の気持ちや意図を正しくくみ取り、傾聴する力が大切になります。

アンケート結果にもあるように、「質問に対して的確な回答をする人」「こちらの聞いたことをきちんと返答できた人」などは、コミュニケーションの中の協調性を指している意見と捉えることができるでしょう。

会話しながら好感が持てる学生

理論的に話し、協調性があっても、声のトーンや表情が暗くては、相手への意思疎通も円滑にはいきません。

アンケート結果を見ても、「ハキハキ話せる学生」と答えた採用担当者は多く、笑顔で元気よく大きな声で受け答えできることが、とても重要なことがわかります。

2.主体性と適応力

有効回答数のうち、採用担当者が「こんな学生は採用したい」と感じたポイントが次に多かったのが主体性と適応力に関わる意見でした。

以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう

・主体的に行動した経験がある人

・積極的な人、積極性のある人

・学業にしっかり取り組んだ学生こそがもっとも貴重だと考える

・達成エピソードにあふれてる人

・事前の工場見学はじめインターンの経験を織り込んでくれる学生

・課題意識を持って取り組んだ経験のある人

などとなっています。

では採用担当者は、なぜ主体性や適応力のある学生を採用したいと考えるのでしょうか?

自分で考え行動できる人材を求めているから

企業規模を問わず多くの企業では、ただ上司の指示を待つのではなく、自ら考え自発的に行動できる学生に入社してもらいたいと考えています。

社会人になれば、自分の意思と判断によって行動しなければなりません。

その決断と行動には責任が伴い、もしその決断と行動が間違っていて、結果にうまく結びつかなかったとしても、その責任は自分にあると考えるのが主体性になります。

上司の指示がなければ何も考えず、行動もしない人は企業にとって魅力の欠ける人であり、指示がなくても周囲に気を配りながら行動し、自分の考えをきちんと発言できる人が、主体性のある人材といえるでしょう。

また、主体性のある人は、今後の組織を引っ張ってくれることも期待されます。

組織をけん引してくれる人材は、どの企業でも求められるため、採用担当者は学生の主体性をよく見ているのです。

環境に合わせて行動や考え方を変えられる人を求めているから

学生は企業に入社すると、まずその職場環境に慣れなければなりません。

職場環境に慣れるのが早ければ早いほど、仕事の効率化にもつながるため、採用担当者はこうした適応力もチェックしています。

また、企業によっては先々、異動や転勤の場合もあるため、臨機応変に環境に馴染める力が求められています。

そのため、例えば学校やサークル、アルバイトといった環境の中で、どのように適応してどんな成果をあげることができたのか、といったことから採用担当者は学生の適応力を見ています。

3.将来のビジョン

有効回答数のうち、採用担当者が「こんな学生は採用したい」と感じたポイントで次に多かったのが将来のビジョンに関わる意見でした。

以下、アンケート結果の抜粋を見ていくことにしましょう。

・自身のやりたいこと、なりたい姿を明確にイメージしており、その実現に必要な環境を探していることがわかる

・自分の道を考えている人

・しっかりと企業分析・自己分析ができている

・自社の強みをしっかり理解し、かつ将来的な展望をその子なりに述べている時に採用したいと思う

・会社に対する思い

などとなっています。

では採用担当者は、なぜ将来のビジョンがある学生を採用したいと考えるのでしょうか?

進むべき方向性を明確にし、モチベーションアップにもつながるから

仕事を行なっていると、誰しもうまくいかないこともあります。

がんばっていても成果が上がらない時や取引先とのトラブルなど、業務が滞り、モチベーションが下がってしまいがちです。

将来のビジョンがなく、進むべき方向性がつかめていないと、一度の失敗で一気に気持ちがトーンダウンし、「仕事が面白くない」とすべてにおいて消極的になってしまうこともありえます。

しかし、将来のあるべき姿を描けていると、うまくいかないことがあってもそれが軌道修正の際の道しるべとなってくれるため、常に前進できるのです。

また、将来のビジョンがあると、仕事も主体的になるため、採用担当者は学生が将来どうなりたいかをしっかり見ています。

まとめ

仕事において、社内外との意思疎通をスムーズに行えることが理想であるため、採用担当者は学生のコミュニケーション力をよくチェックしています。

理論的な説明ができ、相手との協調性を持ち、声のトーンや表情が明るく話していて好感度のある学生を採用したいと考えています。

また、どの企業でも自分で考え行動できる人材や、環境に合わせて考えや行動を変えられる人材を求めているため、採用担当者は主体性と適応力のある学生を採用したいと考えています。

さらに、進むべき方向性をしっかり持っていると、モチベーションアップにもつながるため、採用担当者は将来のビジョンをきちんと持っている学生を採用したいと考えています。