様々な企業のエントリーシートで頻繁に問われるのが「長所・短所」です。しかし、
「自分の長所や短所をどのようにして書いてよいのかわからない」
「特に長所の見つけ方がわからない」
「エントリーシートで長所や短所を書く際に注意すべきことはあるのだろうか?」
など、お困りの方々も多いことでしょう。
たしかに、自分のこととはいえ、長所や短所を答えるのは難しいかもしれません。
そこで当記事では、エントリーシートでの長所や短所の書き方やコツを解説します。
なぜ、企業は長所や短所を知りたがるのか?
自分自身を客観的に分析できるか知りたいから
企業はその就活生が、客観的に自分自身を分析する力があるかどうかを見ています。
長所や短所は表裏一体で、ある見方で判断すると長所になっても、別な見方では短所になることもよくあります。
長所がただの自慢になっていないか、冷静に自分を分析しているかどうか、企業はエントリーシートから確認しています。
仕事での活躍が期待できるか知りたいから
就活生の長所が、仕事において活躍できるかどうかチェックしています。
例えば、営業職を目指す就活生の長所が「誰とでも気軽に話せること」など、社交性の高さであった場合、高評価につながります。
行動や思考の特徴を知りたいから
その人の性格や能力、価値観などから行動パターンは生まれます。この行動の仕方や物事の考え方こそが長所や短所につながります。
企業はエントリーシートに書かれた長所や短所から、その就活生がどのような特徴を持ち、入社後その特徴でどのように貢献できるかを判断するために質問をしています。
エントリーシートに書く長所や短所の探し方
自己分析する
まず、小学生時代から現在まで振り返り、経験や出来事、そのときに気づいたことや学んだこと、周りの環境などをまとめてみましょう。
自分の特徴を列挙する
次に、自己分析で振り返ったこれまでの自分の歴史から、自分の特徴にはどのようことがあるかどんどん書き出してみましょう。そしてその際、大まかに自分の性格や個性を整理しておくことがポイントになります。
例えば、「忍耐力がある」といった特徴があれば、そのまま長所として整理します。また一方で「優柔不断なところがある」といった特徴は、とりあえず短所として整理します。
それぞれ言い換えてみる
「長所があまり見つからず、短所ばかり見つかってしまった」そんな方々も多いかもしれません。
そのような場合は、短所を長所に言い換えてみることも大切です。例えば、
・すぐに物事に飽きてしまう(短所)⇒好奇心が旺盛(長所)
・優柔不断で決断が遅い(短所)⇒物事を慎重に、冷静に判断できる(長所)
前述のように、長所と短所は表裏一体です。自分が短所だと思っていても、違う見方から判断すると長所になる場合もよくあります。
長所探しに困った場合は、様々な角度から判断することが大切になります。
他己分析もする
自分だけでうまく長所が見つからない場合、他己分析もしてみましょう。
他己分析の際におすすめなのが「ジョハリの窓」です。
「ジョハリの窓」はアメリカの心理学者ジョセフ・ルフトとハリ・インガムが唱えた心理学モデルで、自分から見た自分と他人から見た自分に分けて分析する手法です。
「ジョハリの窓」には以下の4つの「窓」があります。
1.開放の窓
自分も他人も知っている自分の性質です。
2.秘密の窓
自分だけが知っていて、まだ他人には知られていない自分の性質です。
3.盲点の窓
他人は知っていて、自分では気づいていない自分の性質です。
4.未知の窓
自分も他人も知らない、誰からもまだ知られていない自分の性質です。
自分は知っている性質 | 自分が知らない性質 | |
他人は知っている | 開放の窓 | 盲点の窓 |
他人は知らない | 秘密の窓 | 未知の窓 |
この他己分析である「ジョハリの窓」は、家族や友人に協力してもらいながら行なうのがよいでしょう。
エントリーシートに長所や短所を書く時のコツ
結論から先に書く
エントリーシートに長所を書く際、いつまでも結論を書かずにダラダラと説明をすると、読み手にストレスを与えてしまいます。
そのため、まず結論から書くようにしましょう。
例えば、長所が「協調性がある」だった場合、「私の長所は協調性があることです」と冒頭でその特徴を書いた方が読みやすくなります。
根拠と具体的なエピソードを説明する
次に、結論の根拠となる具体的なエピソードを説明します。結論ばかりでなく、エピソードがあると、より強く人間性もアピールできます。
逆に結論ばかりで根拠やエピソードがないと説得力に欠け、場合によっては「ウソをついているのではないか?」と誤解されてしまうこともあります。そして評価も下がってしまうため、なぜそれを長所と言えるのか、理由もしっかりと述べましょう。
その長所が仕事にどのように活かせるかを書く
企業は就活生の長所そのものを知りたいわけではありません。
あくまでも、その長所を仕事においてどのように活かすのかを知りたいと考えています。そして、企業の売上や利益にどのように貢献するのか、エントリーシートの締めくくりはこの点をしっかりとおさえて書くようにしましょう。
短所はどのように対処し改善するのかも書く
短所はただ書いて終わりではなく、その短所をどのように対処し、今後どう改善していくかも書きます。
短所だけを書いてアピールを終えてしまうとマイナス印象ばかりが強く残ってしまい、評価が下がる可能性があるからです。
短所は誰もが持っていますが、それに対処し改善していく前向きな姿勢が文面から感じ取れると、高評価につながります。
エントリーシートで長所を書く際の注意点とは?
長所や短所に矛盾が生じないようにする
エントリーシートでは長所と短所を質問されるのが一般的です。そのため、長所と短所に矛盾が生じていると説得力に欠けてしまい、「この就活生はウソをついているのでは?」と疑われてしまうこともあるため注意しましょう。
例えば、長所に「度胸があり本番に強い」と書いておきながら、短所に「緊張しやすい」と述べるのは矛盾しています。
このような場合、マイナス評価となってしまうため、エントリーシート提出の前に、長所や短所以外にも矛盾が生じていないかよく確認しましょう。
仕事上、問題のある短所は書かない
仕事上、問題のある短所は評価を大幅に下げられてしまう可能性があります。
例えば「物事をよく忘れてしまう」「時間厳守ができない」「ウソばかりついてしまう」など、これでは採用担当者も敬遠してしまうでしょう。
仕事は社内外の様々な人たちとの信頼関係で成り立っています。
その短所は相手に対して迷惑をかけないか、事前によく確認しましょう。
まとめ
企業は就活生が、自分自身を客観的に分析できているか、入社後の活躍が期待できるか、どのような行動や思考を持っているのか、などを知りたいためにエントリーシートで長所や短所を質問しています。
エントリーシートで長所や短所を書くためには、まず自己分析を行ない、自分の特徴を列挙していきましょう。そして長所や短所を見つけ出し、短所の場合は長所としても言い換えられるか考えてみましょう。
また、自己分析ばかりでなく「ジョハリの窓」を用いて家族や友人に協力してもらい、他己分析することも大切です。
エントリーシートで長所や短所を書く場合はまず結論から先に書き、次にその根拠となる具体的なエピソードを書きましょう。そして、長所の場合はそれが仕事上、どのようなことに活かせるのかを書いて締めくくると、高評価が期待できます。