エントリーシートの言葉遣いに悩む就活生は多い
いざエントリーシートを書こうと思うと、語尾を「ですます調」で書くべきなのか、「である調」で書くべきなのか、迷う就活生は多くいるかと思います。
一般的には「ですます調」で書くことが多いですが、だからといって「である調」で書くことに問題があるわけでもありません。
基本的にはどちらを使用してもOKなのです。
ただし、言葉遣いによって相手に伝わる印象は大きく変わります。「ですます調」、「である調」それぞれの言葉遣いが相手に与える印象について、しっかりと理解した上で、どちらを使用するか判断するのが賢明だと言えるでしょう。
ここでは、「ですます調」、「である調」それぞれの特徴について解説していきます。違いをよく理解した上で、自身が書きやすい言葉遣いを選択できるようにしましょう。
「ですます調」の特徴
丁寧で誠実な印象を与えることができる
「ですます調」を用いて作成することで、採用担当者に丁寧で誠実な印象を持ってもらえる可能性があります。
エントリーシートは、自分という人間を初めて採用担当者へアピールする機会となります。初対面の方と話す際には、相手に失礼の無いよう、まずは「ですます調」で話しかけるのが一般的です。これは、初対面の相手にいきなりタメ口で話しかけてしまうと、相手に困惑され、その後円滑なコミュニケーションを行うことが出来なくなってしまう恐れがあるためです。
エントリーシートにおいても同様で、「ですます調」を用いたほうが、丁寧で誠実な印象を採用担当者に与えることができると言えるでしょう。
一緒に働く姿を想像してもらえる
「ですます調」を用いることで、採用担当者に、自分と一緒に働く姿をイメージしてもらえる可能性があります。採用担当者にとって就活生は、将来自分の同僚になる可能性のある人物です。そのため「一緒に働きたいと思えるか」という点も含めて見られることになるのです。
多くの仕事は1人で完結するものではなく、同僚と協力して進めていくことになるため、採用担当者は、円滑なコミュニケーションを取ることが可能な人物か、という観点で就活生を見ることになります。「ですます調」は相手に丁寧で誠実な印象を与えることが可能な表現であるため、一緒に働く姿を想像した際に、好感を持ってもらいやすい表現だと言えるのです。
自信無さげに映ってしまう可能性もある
「ですます調」で作成することで、やや控えめな印象を持たれてしまう可能性もあります。上述のとおり、たしかに「ですます調」は相手に丁寧な印象を持ってもらいやすいですが、一方で「である調」に比べ、物事に対する強い意志は伝わりにくい側面があります。
柔らかい表現の言葉遣いである分、どうしても説得力という点では劣ってしまうのです。自信を持っているような文章を書きたい場合や、採用担当者へ強い熱意を伝えたい場合には、「ですます調」よりも「である調」が適していると言えるでしょう。
「である調」の特徴
自分の思いをより強くアピールすることが出来る
「である調」を用いることで、自身のスキルや入社への強い熱意をより強く採用担当者へアピールできる可能性があります。「である調」は断定を表す表現です。
そのため、「ですます調」で書かれている文章と比べると、内容に説得力があるように感じやすい側面があるのです。
上述のとおり、「ですます調」を用いることで採用担当者に丁寧で誠実な印象を与えることが出来るため、多くの就活生は「ですます調」でエントリーシートを記入しています。
その中で「である調」で書かれているエントリーシートは記憶にも残りやすく、その分自分の思いをよりアピールしやすいという一面もあるのです。
簡潔で読みやすい文章にまとまりやすい
「である調」で書くことで、文章を簡潔で読みやすいものに出来ることも特徴と言えるでしょう。エントリーシートには通常、文字数制限が設けられていることが多いです。「ですます調」の場合、語尾に敬語を用いることで文字数がかさんでしまい、結果、内容を一部省略せざるを得なくなる恐れもあります。
「である調」の場合、語尾が短く、敬語表現も無いため、伝えたい内容を網羅しつつ、かつ簡潔で読みやすい文章にまとめることが可能になるのです。
尊大な印象を与えてしまう恐れもある
「である調」を用いることで、尊大な印象を与えてしまう恐れもあります。初対面の方と会話する際には、相手に失礼の無いよう、敬語を用いることが一般的ですが、そのような中で「である調」を使うことで、「基本的には礼儀作法がなっていない」とコミュニケーション能力を疑われてしまう恐れがあるのです。
社会人として働くにあたっては、ビジネスマナーは必須のスキルです。ビジネスマナーを疑われてしまう恐れがあるという点は、「である調」を用いる際の大きなデメリットと言えるでしょう。
エントリーシートの言葉遣いに係る注意点
ここまで、「ですます調」と「である調」それぞれが相手に与える印象について、説明を行ってきました。最初に述べた通り、基本的にはどちらで作成を進めても問題はないのですが、上述のとおり、「である調」を用いる場合、ビジネスマナーという点でマイナスの印象を与えてしまうリスクもありますので、どちらを使うか悩むようであれば、「ですます調」で書くのが無難だと言えるでしょう。
最後に、ここではエントリーシートの言葉遣いに係る注意点を2つ、解説していきます。「ですます調」「である調」どちらを選択するにしても、以下の注意点を踏まえ、作成を行うようにしましょう。
語尾を統一する
語尾の表現は「ですます調」「である調」のどちらかに必ず統一するようにしましょう。「この部分は強調したいから、である調で書こう」と同じ文章内で語尾の表現をバラバラにするのはNGです。全体として文章が読みづらく、採用担当者にマイナスの印象を持たれてしまう恐れがあります。文章を作成し終えたら、語尾が統一されているか、必ず確認するようにしましょう。
正しい敬語表現を使う
特に「ですます調」を用いる場合は、正しい敬語表現を使用するように気を付ける必要があります。敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があり、それぞれ相手との立ち位置により使い分ける必要があります。敬語はビジネスマナーとしても重要であるため、誤った書き方をすることで、思わぬところで減点を受けてしまう恐れがあるのです。
敬語表現は難しく、誤って認識している場合も多々あります。正しい敬語表現を使って作成できているか、提出する前に一度周りの人に添削してもらうのが良いでしょう。
まとめ
「ですます調」「である調」それぞれが相手に与える印象について、ここまで解説してきました。それぞれの表現には特徴があり、自分がどのようなエントリーシートを書きたいか、に合わせて使い分けるのが良いと言えるでしょう。言葉遣いはビジネスにおけるマナーであり、エントリーシートにおける重要なポイントの1つです。
しかし、エントリーシートにおけるもっとも重要なポイントはその内容です。言葉遣いはたしかに重要ではありますが、そこにあまり気を使いすぎず、内容が充実したエントリーシートを完成させることを主軸に考え、作成を進めるようにしましょう。