人材業界を志望して「業界研究をしている最中」、「実際に選考が進んでいる」という就活生においても、人材サービス毎の違いやその仕事内容をイマイチ理解できていないというケースが多いのではないでしょうか。

人材業界には多くのサービスがあり、そのサービス毎に仕事内容は大きく異なります。また同じサービスを扱っていたとしても会社によって事業戦略は違いますし、組織風土も違います。今回は人材業界で営業として働きたいという就活生に向けて会社選びの手助けになるように各サービスの概要や、営業職の仕事内容についてご紹介していきます。企業と人を繋ぐ人材業界の仕事には多くの魅力があります。

ぜひこちらの記事を就職活動の参考にしてください。

人材業界とは

人材業界は企業と人を繋ぐビジネスであり、大きくは「人材派遣」「求人広告」「人材紹介」という3つのビジネスに分けることができます。

「人材派遣」

人材派遣業とは派遣元事業主(派遣会社)が雇用している労働者を、人手が必要な企業(派遣先)に派遣するサービスです。仕事に対しての指揮命令は派遣先企業が行います。人材派遣事業の市場規模は9兆2000億円(※1)に上る非常に大きなマーケットであり、多くの業界・職種の派遣を行う総合型の派遣会社から、特定の業界・職種に特化した派遣会社など様々な派遣会社が存在します。また日本人材派遣協会によると派遣会社数(支店や営業所を含めた許可事業所数の合計)は2021年の6月時点で4万2448カ所あり、大手派遣会社だけでなく中小企業含めて多くの派遣会社があります。

「求人広告」

求人広告とは人材採用を目的とした広告(WEB・フリーペーパー・チラシなど)のことです。求人広告会社はリクルート(リクナビやタウンワークの運営元)やマイナビ(マイナビ転職・バイトなどの運営元)などに代表され自社の求人広告のみを販売する「直販」と複数の求人広告を取り扱う「代理店」の2つに大別されます。求人広告の市場規模は6962億円(※2)となっており、派遣の市場規模と比較すると小さいですが、求人広告の掲載件数は1515万件(※2)に上り多くの企業が求人広告を利用していることがわかります。

「人材紹介」

人材紹介サービスとは人手が必要な企業から依頼を受け、募集内容にマッチする人材を紹介するサービスです。職種や採用ターゲットにもよりますが、採用した方の想定年収の30%前後が人材紹介会社の売上となります。派遣会社同様、総合型で多くの業界・職種に対応している人材紹介会社もあれば業界・職種に特化した紹介会社に大別されます。また、ハイクラスの人材をヘッドハンティングして紹介を行っている人材紹介会社もありますので、就職活動の際にはその違いを理解しておく必要があるでしょう。

人材紹介サービスの市場規模は2960億円(※1)となっており人材派遣サービス、求人広告サービスと比較すると小さいですが、ここ数年で大きく成長しているサービスになります。

(※1 2021年度推計/矢野経済研究所調査)

(※2  2021年度推計/全国求人情報協会調査)

人材業界に分類されるサービスは上記3つの他に「人事・採用コンサルティング」「人材・採用代行」「HRテックサービス」があります。特にHRテック系のサービスはベンチャー企業を中心に様々な会社があり、中には急成長しているサービスもあります。

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各人材サービスにおける営業職の具体的な仕事内容

それでは「人材派遣」「人材紹介」「求人広告」「人事・採用コンサルタント」「人事・採用代行」「HRテックサービス」、各人材サービスにおける営業職の具体的な仕事内容を解説します。

人材派遣における営業(コーディネーター)の仕事内容

人材派遣の営業の仕事は大きく分けて3つあります。

1つ目の仕事は新規開拓営業です。

既存の取引先を中心に対応する会社もありますが、新人であればまずはスタッフの派遣先を見つける新規開拓を行うことが多いでしょう。

新規開拓はTELでのアプローチが中心となりますが、会社によっては飛び込みでの新規開拓を推奨するところもあります。面接時にどのような新規開拓スタイルか確認しておくことが必要です。

2つ目の仕事は既存顧客への営業です。

既存の顧客から増員のオーダーや派遣スタッフが退職してしまった際にマッチする人材の提案を行います。顧客のニーズ発生のタイミングで逃さないために密なコミュニケーションが必要になります。また人材のマッチングのためにどのような人材を求めているのか?しっかりヒアリングすることが重要です。

3つ目の仕事は派遣スタッフのサポート・フォローです。

派遣されているスタッフが働きやすいように現場での不安・困りごとなどを解消していくのも大事な役割になります。また分業している会社もありますが、会社によってはスタッフの登録面談から、希望条件と案件のマッチングの部分から営業が携わることもあります。

求人広告における営業の仕事内容

広告を通じて企業の採用活動を支援するのが求人広告業界の営業の仕事になります。ただ広告の枠を売るのが仕事ではなく、企業の採用成功には①採用・活躍できる採用ターゲットの設定、②企業の魅力・強みの抽出、③広告コンセプトの設計が重要になります。

営業の企画・提案の内容次第で広告の効果は大きく変わりますので、その部分が営業の介在価値になります。リクルート、マイナビの直販であれば提案は自社サービスに限定されますが、代理店であれば、さまざまな求人広告の中から採用ニーズにマッチした広告を提案することが可能です。最近では求人広告サービスにとらわれずに、人材に関する様々なサービスを扱っている求人代理店が増えていますので企業情報を収集する際にはそのあたりをチェックしておきましょう。

人材紹介における営業の仕事内容

人材紹介サービスはRA(リクルーティングアドバイザー)とCA(キャリアアドバイザー)の2つの仕事に分けられます。人材紹介において営業の立ち位置になるRAは企業の採用ニーズをヒアリングして求める人材を明確にした後、CAと協働してマッチングする人材を企業に紹介していくのが主な仕事になります。取引先の新規開拓をRAの役割としている企業もあります。CAというのはその名の通り求職者に対してヒアリングを行い、希望条件とキャリア形成の観点からマッチする仕事を紹介していく仕事になります。RA・CA両方の役割を営業が担う両手型で事業を進めている企業も多くありますので、面接時に必ずどちらの営業スタイルかを確認する必要があります。

人事、採用コンサルタントの仕事内容

企業の人事・組織に関する課題を解決するのが人事コンサルの仕事です。人事コンサルの仕事は幅が広いですが多くの会社が「評価・報酬制度」「人材開発・育成制度」の改革や新制度の導入をコンサルタントとしてサポートしています。

採用コンサルタントは担当企業の採用目標を達成するために採用戦略の立案・採用プロセスの設計を行います。採用戦略の立案には業界構造を理解した上で市場調査、競合調査を行い採用における勝ち筋を見出します。また採用プロセスにおいては、有効な母集団の形成するために最適な手法の選定はもちろん、応募から面接、入社までの歩留まりを改善していくための設計を行います。

人事、採用代行における営業の仕事内容

人事代行(アウトソーシング)の市場は大きく成長しており、2019年度の市場規模は8兆6542億円に上ります。(矢野経済研究所調べ) 人事業務における代行業務は給与計算、勤怠管理、社会保険業務などの「労務管理業務」の代行と、応募者対応、面接、採用手法の選定などの「採用業務」の代行があります。営業はアウトソーシングによる「コスト削減」や「質の改善」(例えば採用率のアップ)の提案を行い人事・採用代行の契約に繋げていきます。企業の人手不足は深刻な状況であり、人手不足の解消や生産性を改善していくためにも人事業務をアウトソーシングする企業は増えています。

HRテックサービスにおける営業の仕事内容

HRテックとは「Human Resource」と「Technology」を掛け合わせた造語で、人事が抱える課題をビッグデータ、クラウド、AIなどのテクノロジーを用いて解決するサービスになります。HRテックサービスはタレントマネジメントサービス、採用管理システム、求人・マッチングサービス、社内コミュニケーションツールなど、人材に関わる幅広い領域でサービスが展開されています。その中で営業の役割は自社のHRテックサービスを市場の中で拡大していくことになります。まだ市場に浸透していない新しいサービスを取り扱うケースが多いため、新規開拓が中心となります。

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人材業界の営業職に向いている人の特徴とは?

人材業界の営業の仕事に向いている人の多くは下記の特徴があります。

コミュニケーション能力が高い。

様々な顧客と数多くのコミュニケーションをとるのが人材業界の営業の仕事です。

また人材紹介、人材派遣の仕事であれば求職者とのコミュニケーションも必要になります。

年齢、人物タイプ、バックボーンの違い・・・いろいろな方と接する機会がありますので時には自分とは真逆のタイプの方と上手くコミュニケーションをとらなければならないこともあります。相手のタイプ、おかれている立場、興味・関心など、相手に合わせて適切なコミュニケーションが求められますので人材業界の営業職として活躍する人の多くはコミュニケーション能力が高い傾向にあります。

顧客や求職者の役に立ちたいというスタンスを持っている。

人材業界の営業として継続して成果を出している人は顧客や求職者の役に立ちたい、抱えている課題を解決したいというスタンスを持っています。

人材業界の営業の仕事は「モノを売る」仕事ではなく、顧客の事業課題や採用課題に向き合いその「課題を解決する」仕事になります。顧客や求職者の課題に向き合わずに「求人広告というモノを売る」、「とりあえず人を紹介する」という営業は短期的に成果を上げることはあっても継続して多くの顧客や求職者に選ばれ続けることはありません。

問題解決力が高い。

問題解決力が高い人も人材業界の営業に向いています。

営業の仕事を進めていく中で「顧客の採用課題を解決する。」「営業目標を達成するために自身の課題を特定し解決する。」など、多くの問題を解決していく必要があります。

問題解決においては

  • WHAT「何が問題か?」(目指す姿と現状のGAP=問題点)
    ※問題を解決するために取り組むべきことが課題
  • WHERE「どこに問題があるか?」(問題個所の特定)
  • WHY「その問題はなぜ起きているのか?」
  • HOW「どうやって解決するのか?」
  • ACTION「解決策の実行」

という手順で考えていく必要があります。人の思考のクセとしてHOW「どうやって解決するのか?」という打ち手から考えてしまう傾向にあります。問題解決力を上げるためには日頃から、思考のクセを矯正するように訓練をしておく必要があるでしょう。

行動力がある。

人材業界の営業は行動力も必要です。

新人の際は新規開拓がミッションの中心となることが多いですが、その際に重要になるのが行動力です。数多く行動していくことでニーズを発見する確率も高まりますし、失敗も含めて多くの経験を積むことができます。既存の取引先に対しても新しい提案・解決策を積極的に提案していくことが求められますので、頭で考えるだけでなくスピーディーに行動する力が重要になります。

マルチタスクをこなせる。

新卒入社後2~3年目となると多くの顧客や求職者を担当するようになります。

顧客対応においては多くの求人案件を充足させるために同時並行で複数の提案を進めていく必要があります。また人材紹介や人材派遣においては担当する求職者や稼働スタッフも増える中でも、変わらずに丁寧にフォローしていくことが重要です。突発的に対応しなければならない案件も増えてきますので、人材業界の営業として活躍するためにはマルチタスクをこなしていく力は必須の能力と言えるでしょう。

メンタルの強さ

どの仕事においても言えることかもしれませんが人材業界の営業の仕事はメンタルの強さが特に必要です。断られ続ける新規開拓、目標達成に対するプレッシャー、提案した内容で効果が出ない、紹介したスタッフの急な離職、コミュニケーション不足によるクレームなど人材業界の営業として働いていると精神力が試されるようなことが多くあります。そこをマイナスと捉えるのではなく自身の成長の機会として向き合えるメンタルの強さが必要になります。

人材業界における営業職の魅力とは!?

人材業界で営業職として働く魅力は4つあります。

1  成長するスピードが速い。

   1つ目の魅力は何といっても成長スピードが速いことが挙げられます。営業目標の達成に向けた自身の課題分析・抽出、課題解決を週次単位(もしくは日次)でスピーディー繰り返していく必要があり、言われたことだけやっていればいいということはありません。

また課題の解決は自身だけでなく、日々向き合っていくお客様である企業や求職者の課題解決も必要になりますので。あらゆる場面で問題解決のPDCAを繰り返していくことが求められます。簡単な仕事ではありませんが本気で3年間ほど取り組めば大きな成長を実感できるでしょう。

また、企業に対する提案や求職者との面談のシーンにおいては、表面的な課題を捉えるのではなく、お客様が気付いていない課題の本質的な部分をヒアリングや分析を通じて捉える必要があります。そのような高いスキルを身に付けていくことができるのも人材業界の営業職の魅力です。

2 自身の介在価値を感じることができる。

2つ目の魅力は営業として仕事を進めていく中で自身の介在価値を感じることできることです。「自身が紹介した人材によって事業が大きく成長した。」「前職では不遇の時代を過ごしていた求職者が紹介先の会社でイキイキ活躍している。」など、自分自身が介在したことの成果を肌で感じることができるのが人材業界の大きな魅力の1つであると言えます。

また無形の商材となりますので営業次第で提案内容は大きく変わります。自分自身が考えた提案で課題解決をしていくことは大きなやりがいになるでしょう。

3  多くの人との出会いがある。

3つ目の魅力は多くの人との出会いがあるということです。当たり前ですが多くの採用担当者や社長とお会いしてヒアリング、提案していく毎日になります。年齢、経歴、人物タイプなど様々な方とお会いすることで自身の成長にも繋がりますし、人脈も広がります。また1社に対して長く営業担当となるケースも多いため、お客様とじっくり信頼関係を築いていけることもこの仕事の魅力です。

4 キャリアの選択肢が増える。

新卒で人材業界の営業を選ぶ一番の魅力はキャリアの選択肢が増えるということです。人材業界の営業を通じてあらゆる業界のことを深く知ることができますので、就活の時には気が付けなかった自分に合いそうな仕事、面白そうな仕事を見つけることができます。

もちろん就職したその企業で営業マネージャーや営業スペシャリストとしてキャリアを積んでいく事もできますが、様々な業界を知ることで視野が広げ選択肢を増やすことはキャリア構築において重要です。また人材業界の営業として成果を出してきた人材であれば、営業としてのキャリアだけでなく、コンサルタント、人事、プロジェクトマネージャー、営業企画など様々な領域で活躍できるスキルが身についているはずです。そのような高い能力を評価され将来の転職市場でも多くの企業からスカウトされる可能性が高くなります。

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