グループの創業から数えて、60年以上も求人広告を取り扱ってきた株式会社アクシアエージェンシー。
独自のサービスを展開し採用コンサルティング会社へと進化を続けている中、現場はこれらサービスの現在地と未来像をどう捉えているのでしょうか。新たな事業を立ち上げることになったきっかけや動機、これまでの歩み、そして将来への手応えなど、事業部長の神津さんに伺いました。

魅力を「直接」届ける。想いを「自ら」届ける。

新しい事業を生み出し、求人コンサルティング会社として舵を切っている最中と伺いました。具体的にはどういった事業に取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

当社の基幹事業は、求人広告の代理店です。しかし企業の採用成功は、あくまでその企業の事業成功へのピースの一つに過ぎないと考えています。つまり、会社は「目指したい姿や叶えたい未来があるから人を採用する」「そのためには、きちんと目的や社風にマッチした人材と企業を繋げる必要がある」というところですね。求職者にとっても「自分がやりたい仕事・自分に合っている会社」を知り、共感してもらうことが欠かせません。様々な時代の変化に伴い、従来の求人広告を出すだけの手法では、人と企業のマッチングが難しくなってきました。実際、就活中の学生さんをはじめとした求職者も、「ひとつの求人広告だけ」での職場選びはしていないですよね。
そこで、新たな採用手法を軸に、いま進めている期待の事業が2つあります。1つは、リクルートダイレクトスカウト、ビズリーチに代表される、企業が直接求職者へアプローチをする、「ダイレクトリクルーティング(DR)」。ターゲットの細分化、求人票の細分化、そこに合わせたスカウトと、適切なマッチングを図るコンサルティングを行っています。2つめは、会社自らが保有するメディア(HP・採用サイトやブログサイト、SNSなど)を軸に、WEB広告なども活用し直接求職者へメッセージを発信する「オウンドメディアリクルーティング(OMR)」です。

▼変革に向けた歩みや、それを可能にした会社の風土・制度の記事はこちら

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変化してきた、企業の「採用活動」と求職者の「仕事探し」。

新しい手法を取り入れ始めたきっかけは?

これまで企業の採用活動は、求人メディアという情報を介して、1週間なり4週間なり、有限期間の中で、果たして求める人材に届くか届かないか、わからないまま募集情報を発信してマッチングを図るのが主流でした。また人材紹介においても、企業が出した求人票の条件ありきで、人材紹介会社のキャリアアドバイザーがアテンドしていくため、求人票だけでは、その企業や仕事の本当の魅力が伝わらなかったり。間接的なアプローチゆえの課題感がありました。

一方で、求職者サイドの情報の探し方も変わってきています
以前は、名の知れている転職サイトを用いていたのが、Googleなどの一般的な検索エンジンやSNSから、たとえば「職種×経験年数×勤務地」と入れて探しているなど、必ずしも特定の求人情報メディアが選ばれなくなってきています。総合求人メディアも専門職メディアも、そのまとめサイトもしかり。情報の乱立で、いったいどのサイトを選んでいいかわからない。つまりメディアを通じて探す手間自体が増えてしまっているんですよ。人材紹介の場合もビジネスですから、マッチング以前に、どうしても欠量が高い、バックオーダー数が多いものに誘導されるということが散見されているのも事実。つまり求職者は何を信用していいのか、判断しかねていると言えるでしょう。

ダイレクトリクルーティングのコンサルティング

こうした背景により、第三者を介さずに企業が直接求職者のプロフィールを見てスカウトする動きが主流になっていくと捉えています。ただ、欲しい人材を獲得するには、多くのノウハウと人的リソースが必要。どんなターゲットに向けて、どんな文面をいつ送ればいいのかをきちんと分析することも必要ですし、とにかく手間と工数がかかります。「第三者を介さずに」とはいえ、実は自社だけでの運用では人材確保がなかなか難しい採用手法なんです。

そこで当社は、個社ごとの課題を把握した上でターゲットの細分化、求人票の細分化、そこに合わせたスカウト送信、選考など、適切なマッチングを図るための戦略や戦術を設計し運用代用も行える、専門コンサルティングを行っています。スカウト型データベースは主要なものだけでも既に64種類以上が台頭していて、企業がどのサービスを使えばいいのか迷ってしまうこともあります。そんな中で、課題がハッキリしていれば適切なデータベースをオススメすることもできますし、運用面でも一部から全部まで相談できる先があるというのは心強いと、嬉しい声を多くいただけています。
DRは対応組織を立ち上げてまだ1年経っていませんが、困難だったエンジニアの採用数を15倍にしたという実例がすでにあり、お客様からの注目度もいよいよ高まってきました。

そのほか、たとえば海外に目を向けてみると、欧米では「linkedin(リンクトイン)」というビジネス特化型SNSを利用した転職活動が当たり前になっています。求職者は、自分のスキルや経歴などを登録。それを見た企業からのスカウトを受ける、新しいビジネスチャンスの機会を得る、といったことが可能です。もちろんSNS上での情報発信が可能なので、ビジネス用の情報収集ツールとしても、多くのユーザーに利用されています。linkedinの日本での利用者数は約200万人ほどとされていますが、世界では6億人を超えるユーザー数を誇っています。Twitterのユーザー数が4億人弱なので、転職ツールの新たなグローバルスタンダードと言っても過言ではありません。

このような、”スカウト型採用”へ企業の期待感や効果を実感する中「ここは伸ばしていかないと」という手応えを感じています。

オウンドメディアでのリクルーティング

企業が求職者へ直接メッセージを発信できる、もう一つの手法がオウンドメディアです。オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自社で保有するメディアのこと。オンラインマーケティングでは主にサイトや自社ブログ等を指します。こういった仕事や会社の魅力を伝える採用サイトをプラットフォームに、Google広告をはじめとしたWEB広告配信やSNS発信によって求職者を呼び込む手法が、オウンドメディアリクルーティング(OMR)と呼ばれています。

WEBマーケティングの手法を使っていくと、居住地・性別・就業状況、興味・関心・習慣などに基づいた詳細なターゲティングが可能になります。情報を届けたい相手に、ピンポイントで届けられる。以前より、このシステムをどうにか採用のシーンで使えないかと考えていました。
先ほどお話しした通り、求人メディアの広告は有限です。時間をかけてしっかりと取材してできあがった、どんなに素晴らしい広告であっても、掲載期間を過ぎてしまえばその情報は世の中から消えてしまいます。これって本当に無駄なことだな思います。オウンドメディアには基本、掲載期間はありません。であれば、自社のメディアできちんと魅力を伝えていきながら、それを直接届けてしまった方が、企業としても安定的に求職者の獲得につながっていくはずです。なぜならオウンドメディアは、更新しながらずっと情報を蓄積していくことができるから。
豊富で詳細な情報量は、求職者にとっても「自分とマッチしそうだな」と判断しやすく、入社してから「思っていた仕事・会社と違った」といったアンマッチを防ぐことができます。ですから、ただ求人検索エンジンと連携するのではなく、ウンドメディアのコンテンツそのものの質を上げていきながら、WEBマーケティングの手法を用いて採用ターゲットに向けて届けていくOMR事業に舵を切ったのです。

こちらは立ち上げて2年半。実際にいくつもオウンドメディアの構築をお手伝いさせていただいていますが、たとえば「この社員インタビューはよく閲覧されている」とか「滞在時間が長い」とか、そういったデータを基に興味を持たれているコンテンツを分析することができます。そこから実際に応募につなげる導線をどう作っていこうとか、似たような記事のボリュームをもう少し増やしてみようとか、個社ごとにそういう話をしながら、勝ち筋を見つけていく。それがすべて、その企業の採用における資産になっています。

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試行錯誤の難しさがある。しかし伸びしろしかない。

実際に手ごたえや反響も大きい事業なんですね。それぞれの将来像や目指している姿はありますか?

ダイレクトリクルーティングについては、特に正社員募集領域において次世代の主力商品になる高いポテンシャルをもっており、事業の柱に成り代わるであろうと期待しています。現在はリクルートダイレクトスカウトなど他社のデータベースを使い、代行の部分でマネタイズしているので、将来は自社のデータベースを保有し、よりよいマッチングを作れるようなサービス展開を図りたいと考えています。現在、立ち上げたばかりなので売上目標は、年間1億円。これは社内での事業化における最低限のライン額です。まずは、ここをクリアする。次の段階は、T2・D3と呼ばれる、ベンチャー企業やスタートアップ企業が優れたサービスを世に出した時に売上を伸ばす計画方式を用います。次の2年間の目標は3倍ずつで3億円、9億円。続いて3年間で2倍ずつ、18億円、36億円、72億円という具合ですね。まずは目先の3年で10億円の事業に育てることに注力していきます。

オウンドメディアリクルーティングも同じで、Indeedの拡販込みで今期1億円の計画を掲げ、事業化ラインに乗せていく予定です。その中で特に採用ブランディングに力を入れます。その理由は当社も含め業界全体で、募集企業の魅力やその伝え方が上手くないところが多いなと感じているから。新卒採用も中途採用でも、まだまだ労働条件だけで採用競合と差別化しようとしています。企業本来の魅力を求人広告という一過性のものではなく、オウンドメディアを通じてブランディングしていけば、きっとその企業と本当にマッチする人材が入社して活躍してくれると考え、力を入れていきたいのです。

採用ブランディングというのは?

企業や担当者視点の推しポイントが一方通行で、現場の実態や求職者目線とブレていることがよくあります。たとえば、現場で働く社員は仲間同士のチームワークや仕事内容に魅力を感じているのに、経営者側は事業の安定性や取引先の多さを強みと考えていたり。こうした場合、実際に働く従業員の声や体験、想いを丁寧に汲み上げて、実態に即したアドバイスを行い調整する必要があります。また応募してから面接、内定、オファー面談、入社に至るまで、求職者の体験もブランディングしていかないと、事前情報で良さそうと感じていたのに実際に面接官に会ったら雰囲気が全然違っていた、なんてミスマッチが生じることもありえます。したがって競合調査をしながら月に1回などの定期的な取材を通じて、人事担当者が気づいていない、その企業ならではの様々な魅力を掘り起こし「こういう採用ブランディングをしていきましょう」と3ヶ月くらいかけてブランドコンセプトを決めていきます。そして外に向けて情報発信するアウターブランディングと、面接についてなどのインナーブランディングを設計して、そこから先方担当者と一緒に、その企業の資産として企業カラーと魅力をブランディングしていくのです。まずは「その会社を知る」。採用手法が変わっていく中でも変わらない、その企業を正しく理解して魅力を引き出して発信していくのがキモ。アクシアエージェンシーは、ノウハウも陣容も揃っている自負があります。

事業部長プロフィール

神津 秀明(こうづ ひであき)
株式会社アクシアエージェンシー
ビジネスソリューションユニット ユニット長
新規事業開発室 責任者

■2005年1月 行政書士試験合格
■2005年3月 アクシアエージェンシー入社
行政書士としてやっていく前に社会を知り、人脈を作りたい。3年で学ばせてほしい。
そんな動機で当社へ契約社員として入社。1年後に正社員昇格。
その後、顧客の課題に対して、その要因を紐解いていくことや、関係者を巻き込みながら解決しに行くのが楽しい、やれることが多くて面白いと、当社で働き続けることを選択。マネージャー職、執行役員を歴任し、「事業横断で行うプロジェクトをはじめ、全体の舵取りまでやらせてもらっている今が、自分にとって理想の形ですね。」と現在に至る。

■気になる趣味は・・・
サッカーの探求(息子連れで本場スペインへ旅行)、
読書(年間100冊以上)、飲み会(Ave年間150回)

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