創業70周年を迎えた株式会社産案。新聞社の専属代理店としてスタートし、時代の流れの中で「広告」を扱い続けてきました。メディア各社と深い関係を築きながら、顧客自身の業態の変化にも寄り添い続けてきた老舗企業は今、WEBマーケティングやイベント企画など、さらに幅広い企画にもチャレンジし、新たな進化を遂げています。大手の広告代理店にも、ベンチャー企業にもない、産案独自の魅力や強みはどこなのか。今回、常務の木村さんに詳しく伺いました。

業種にも、企業規模にも、手法にもとらわれない

まずは事業の概要をお聞かせください。どういったお客様と、どのようなお付き合いをされているのでしょうか?

お客様の業種は本当に多種多様です。主要なところで言うと高級輸入車ディーラー様各社が売上の3割くらいで、次いで医療介護系・高齢者施設。フリーペーパーを中心に扱っていた時代から、特定の業種や企業規模に捉われずに提案をしていて、それが今に繋がっている形です。
というのも、10年ほど前までの産案は、フリーペーパーの企画を元にして、その媒体に合った読者を集客したい企業への営業活動が中心だったんです。地域誌であれば、その地域にある企業は全てお客様。習い事、飲食、不動産など線を引かずに様々な企業へアプローチをしていました。そこからずっとお付き合いが続いていることが多い上に、お客様も時代とともに業態が変わっていったりしますから、あらゆる業界への対応力があります。

例えば最近だと、BtoB向けにビジネス誌の企画を立てたり、お客様のニーズを先回りしてイベントの企画運営を担ったり。顧客と世の中の求めるものを上手く結びつけ、新たな価値を生み出す仕事を増やしています。ターゲットによって手法や銘柄が変わりますが、あらゆるプロモーションを多岐にわたって取り扱えるのが強み。顧客自身の業態も変容している時代ですから、どこか1つの業態や提案方法に特化しているというよりは、時代のニーズやお客様個々の目指す姿に向けて、何をしていくべきか企画提案していくことがメインになっています。

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人、企業、情報、すべての懸け橋になるという視点

提案する業界も幅も制限がないのは面白いですね。決まった枠がない分、どういった観点に重きを置いた営業企画を行っているのでしょうか?

代表主導で現場の声を取り入れながら企業理念を制定したのが2018年。それまでの産案も、顧客企業だけではなく、媒体社と繋がる・読者と繋がる面が強いと感じていました。それは、広告の在り方が変わっていく中でも変わらないもの。これからの時代も、それらの架け橋になれる存在であり続けたいと考えています。
お客様の事業成長がなくては、私たち代理店も利益を作っていけません。自分達だけが目先の売上を上げても仕方がないんですよね。お客様同士を繋げることで事業成長を図ることもそうですし、PRイベントにおいてもそう。「つなぐ」ことがキーワードになるというマネージャー陣共通の思いがあり、理念が作られました。

私自身、現場上がりですし、いまもお客様を担当しています。中には、入社当時からお付き合いいただいているお客様も。これは自分自身の課題でもありますが、そうやって「人」として信頼いただいているお客様を、社内の誰でもが理解し対応できる体制を作っていきたいですね。そうすることで提案に広がりも出てきますから…社外だけではなく、社内においても「つなぐ」ことが1つのテーマになっています。

瞬間的な売り上げより、長期的な「お客様の成長」に伴走

大手広告代理店だと、部署が分かれていて社員1人が関われる範囲というのは限られていたり、予算が大きくないときめ細やかなオーダーメイド企画は難しいことがあります。一方でWebマーケティング専門の会社だと、Web以外のプロモーションは提案がしきれず、単一的な手法になってしまう。もちろんどちらにも利点は多くありますが、当社はそれらの隙間を縫う「ちょうどよさ」がある…というのがお客様からよく聞く声です。

営業先として最初から大きい会社を選んでアプローチするというよりも、私たちが伴走をすることで中小企業も事業を拡大させていくことができる。そういった点が他社とは異なる産案ならではの強みだと考えています。例えば昔は3万円で広告を出すのが精一杯という状況だったお客様が、やがて上場して月に1000万円の予算をかけていただくようになったり。無名のスタートアップ企業でもその魅力を見出して伝えることで、事業成長に関与することができる。それがこの仕事の面白いところです。瞬間的に受注できる数億よりも、10年・20年と長くお付き合いを続けていくことで生まれる利益や繋がりを大切にしていきたいんですよね。

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部門をこえた連携の取りやすさ

社内にはどういった部門があり、それぞれがどのように機能しているのでしょうか?

産案には、営業部のほかに、新規事業開発部、メディアプランニング部、Webマーケティング部、クリエイティブを担う企画制作部があります。各部署いずれも所属人数は3~7名。全体で約30名という規模感です。営業部目線でいうと、メディアプランニング部とは提案の前段階から一緒に企画を組んでいきますし、Web運用や制作も一人ではできないこと。どの部署とも活発にやり取りを交わしています。

■メディアプランニング部
各種メディアの版元である「媒体社」からの仕入れと、企画を打ち立てる際の調整を行う部署です。既にオープンになっている企画を引っ張ってセールスしていくのではなく、産案オリジナルの企画ができるように媒体社へ掛け合ったりもしていきます。流れとしては、営業が提案やヒアリングの場で汲み上げたお客様の課題に対して、「こんなことができないですか」とMP部に相談を持ち込み。どんな媒体や施策が有効かを話し合い、新しい企画を作っていく…というイメージですね。

■Webマーケティング部
運用型の広告、Web媒体、Web制作を行う部署です。以前はアウトソーシングしていた分野を、昨年から内製化。マネージャークラスの専門家が仲間入りして、ニーズに対する対応力が増しました。

■企画制作部
自社メディアをはじめ、DM・チラシ、媒体へ載せる広告、WebバナーやLPなどの制作にあたる部署です。同じフロア内に席を並べている分、要望も伝えやすいですし、スピードも早い。お客様へ価値を返しやすい構造になっています。

長年培ってきた、媒体社や顧客との強いグリップ

幅広い媒体を扱えるという部分はメリットではあるものの、扱える数を増やすというよりも「どことどれだけグリップを握れているか」がキーになると考えています。
媒体がなくては、私たちもお客様へ価値を返せません。メディアの世界も転換期を迎えている中、こちらとしては媒体社にとってもプラスになる企画を作り・一生懸命セールスしていく。媒体社からは、新しい案件が生まれた際に「産案に任せればうまくやってくれる」といち早く声をかけていただく。そんな、相互に作用する関係を育んでいきたいですね。特に産案独占企画を打ち立てた「Forbes JAPAN」とは、実際にそんな信頼関係が結べています。

産案じゃないとできなかった、という事例や喜びの声も多そうですね。

はい、山ほどありますよ(笑)。新しい企画を作る際には、営業がお客様からヒアリングを行い「こんなことができないか」と媒体に調整をかけるルートと、先に営業とメディアプランニング部が「面白そう」と企画に膨らませて媒体社に持ち込むルートの2通りがあります。後者はまさしく産案だけのプランニングですから、他の会社からは生まれません。企画が成功して多くの企業にご参画いただけた際には、媒体社も「こんなに動いてくれるのか」驚いていました。そんな事例を1回だけではなく2回・3回と繰り返していくことで、産案の認知も上げていけたら理想的です。

対顧客とも、古くから関係性を築いてきたと伺いました。

長く頼っていただける会社が多いですね。冒頭でお話した輸入車ディーラー様でいえば、十数年前に新聞の連合企画でお取引をいただいて以来のお付き合い。今や本部から年間約3億円の予算をいただき、ホテルでの展示イベントやオーナー向けのツーリングイベント・試乗会などの運営のほか、各販売店の広告を請け負うなど総合的に携わっています。こんな風に、その会社を深く知らないとできない企画を手掛けることが多いので、今ある信頼関係をより強めながら広げていけたらと。

老舗だけど、凝り固まらない。柔軟な企画力

70年という歴史を持ちながらも、まるでベンチャーのようなフットワークの軽さがあると感じました。その理由はどんな部分にあるのでしょうか?

とにかく新しいことにどんどん取り組んでいこう、という価値観が根付いています。現場のメンバーひとり一人も、世の中の動きによくアンテナを張っているのが見えますね。上の者が「これを売れ」と決め切るのではなく、若い世代の社員自身の視点で「やりたい」にフォーカスして動いています。新卒の子たちが成功させた女性誌のSDGsの企画も、メンバーの着眼点から生まれたもの。それを形にできるように、バックアップしていくのが管理職や我々の役目です。一生懸命考えて持ってきたものに対して、頭ごなしに「それダメ」と否定するのではなく「やってみたら」「もっとこうしたら伸びそう」とアイデアを膨らませ、よりよい形に実現させていく。そんな、なんでもチャレンジできる職場を作っています。

そんな若手が活躍する将来に向けては、会社としてどんな姿を目指していますか?

すべては働いている社員が「産案でよかった、幸せだ」と思えることが一番でしょうね。あとは、産案だからできることがあり、それがきっかけで成長できることって多くあるはず。だから…会社愛を持てとは言いませんが(笑)、この会社を大きくしていこうと思う社員が増えていけばと。

それからやはり、お客様や媒体社からも愛される会社でありたいです。これはちょっとした自慢ですが、私が昇格した時や事務所を移転した際には、お客様である有名企業からお花が届くんですよ。これって結構感動もので。それだけの信頼関係を築いてきて、これからも付き合っていきたいというメッセージでもあるので、こちらも返したいと感じますし、そんな「人と人との繋がり」が、これからの世代でも続くといいなと思っています。
幕末の思想家・吉田松陰の言葉に「夢なき者に成功なし」というものがあります。どんな成功も、まずは夢を持つことから始まります。これから入社する人たちにも、小さくても良いので夢を持ってきてほしいですね。それらをこの会社で少しでも実現していけそうと感じたら、かなりの活躍人材に成長できるのではないでしょうか。ぜひ一緒にチャレンジしていきましょう。

常務プロフィール

木村 幸芳(きむら ゆきよし)
株式会社産案
常務取締役

新卒から長年産案に在籍。
就活当時、トレンディドラマでは様々な業種の代理店が多く取り上げられ大人気だったこともあり、特に広告代理店という煌びやかなイメージに惹かれ入社。藤沢営業所にてフジサンケイグループのメディア・フリーペーパー(湘南リビング新聞)販売からスタートして以降、社内賞を総なめ。
2017年に執行役員、2020年に取締役、2023年4月に常務へ昇格。

■気になる趣味は・・・
ゴルフ、勝負事(仕事も勝負!)

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