就職活動における面接では、ほとんどといっていいほど自身の長所や短所についての質問があります。
面接官からの質問に対して上手く答えられなかったり、魅力的に感じてもらえなかったりした場合、選考の合否にも影響する可能性が高いです。そのため、伝え方1つでも細心の注意を払わなければいけません。
この記事では面接の際に評価を上げやすい長所や短所の伝え方について紹介します。
面接でどう答えれば良いのか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
面接の時に長所や短所を聞かれる理由とは
面接ではかなりの確率で長所や短所を聞かれることがありますが、そもそもなぜ面接の時に聞かれるのか分からないという方もいるでしょう。
まずは面接の時に長所や短所が聞かれる理由について紹介します。
自分自身を把握できているか
1つ目の理由は、自分自身を把握できているのかを確認するためです。
企業に入社して仕事をするうえでは自身の強みを活かしつつ、弱みを改善もしくは周りの従業員に助けを求める必要があるため、自身の強みや弱みを理解していなければいけません。
自分のことを理解できていない場合、闇雲に仕事をしても成果が出にくいため、採用担当者からの期待は薄れてしまうでしょう。
面接に向けてしっかり準備をしてきているか
2つ目は面接に向けて準備ができているか確認するためです。
面接は数日から1週間ほど前には日程が決まるため、事前に余裕を持って準備できます。
中には「自分のことだから準備しなくてもその場の雰囲気で話せる」と思う方もいるでしょう。しかし、面接の緊張感がある雰囲気では意外にも自分のことでさえ上手く話せない人の方が多いです。
また、社会人として働くうえでは、プレゼンや会議、商談のように大事な予定に向けて事前準備は欠かせません。
その点、面接のように就活生のとって非常に重要な日の為にしっかりと準備をできているのか、という点を見られやすいです。
自社にマッチしている人材か
3つ目は、採用担当者が自社にマッチしている人材かを判断するためです。
就活生が企業に入社した際に価値観や性格、スキルなどの面でマッチしていなければ早期退職になりかねません。
企業は新卒採用において即戦力よりも、将来的な戦力や中心となる人材を求めているため、早期で退職されてしまっては元も子もないでしょう。
その点、強みや弱みが自社にマッチしている人材を採用しなければ早期退職の懸念が大きくなるため、長所や短所は重要な判断材料になるのです。
面接で長所や短所を聞かれた時のポイントとは
面接では、自身の長所や短所を的確に伝えなければ面接官に魅力を感じてもらえないため、いくつか押さえるべきポイントがあります。
主なポイントは以下の通りです。
根拠や裏付けとなるエピソードを踏まえる
長所や短所はただ口で話すだけでは内容に信憑性がありません。
より面接官へ信憑性のあるアピールをして魅力に感じてもらうためには、根拠や裏付けとなるエピソードを踏まえて話しましょう。
実際に体験したエピソードを踏まえることで、独自のストーリーを踏まえてアピールできるため、魅力に感じてもらいやすいです。
結論から話す
面接では無駄に長い話をしてしまうと、面接官は話の内容が頭に入ってこないため、魅力が伝わりにくくなってしまいます。
特に結論がなかなか出てこない話を聞かされるほど、聞き手がストレスを感じやすい物はありません。
そのため、面接で質問されたことに対する回答をする際は、まず結論から話し、その後に実際のエピソードや根拠を話しましょう。
企業が求める人物像に適した内容をアピールする
企業によって状況やビジョンが異なるため、求める人物像が異なります。
いかに良いアピールができたとしても、企業側が求めている人物であると伝えなければ採用される確率は低いです。
少しでも自身の長所を魅力に感じてもらいたい場合は、企業の理念やビジョン、求める人物を事前に調べておき、欲していそうな人物像に沿ってアピールしましょう。
短所が強みになることも話す
短所を答えることで、採用担当者からマイナスな印象は持たれたくないところですが、短所はありませんと答えてしまうと、余計にマイナスな印象を持たれてしまいます。
そのため、何かしらの短所を伝えなければいけませんが、短所が必ずしもマイナスな要素とは限りません。中には短所の見方を変えれば長所に変わることもあるため、伝え方に細心の注意を払いましょう。
短所を改善する努力を伝える
短所は誰でも必ずといっていいほどありますが、ただ短所を伝えるだけでは意味がありません。
自己分析を通して自身の短所を把握し、そのうえで改善するように努めているというアピールをしましょう。
ほとんどの採用担当者は短所があるかないかを聞いているというよりも、自身の短所をしっかりと把握し、どのように向き合っていく気持ちを持っているのかを判断します。
そのため、自身の短所を改善するためにどのような改善策があるのかを事前に考えておきましょう。
短所を長所に言い換える主な例とは
短所は見方を少し変えれば長所に変わることも多いです。
今まで自身の中で短所だと思っていた点やコンプレックスを感じていた点でも、長所としてアピールに繋げることもできるため、以下のような例を参考にしてみてください。
<短所➡長所>
- 心配性➡慎重で計画性がある
- 負けず嫌い➡目標の達成意欲、向上心が強い
- 理屈っぽい➡論理的な思考ができる
- マイペース➡自分の考えをしっかり持っている
- せっかち➡スピード感や行動力がある
上記はあくまで一部の例であり、その他にも見方を少し変えるだけで長所に変わったり改善策が見つかったりするため、自己分析を通して新たな気づきをしてみてください。
長所や短所の回答例4選
長所や短所は伝え方1つでアピールに繋がるため、回答の仕方は非常に重要です。
今回は長所と短所の例を2つずつ紹介しているため、参考にしてみてください。
長所①「熱意をアピールする例」
私の長所は何事にも全力で取り組み、最後までやり遂げる点です。
私は高校の学生時代には野球部に所属しており、入社時点で自身よりも優れた部員が多かったため、圧倒されていたのが本音のところです。しかし、どうせ3年間部活をやるのであれば、自身の力でレギュラーを勝ち取りたいと思っておりました。
そのため、日々部活動の時間が終わってからも1時間から2時間ほど自主練習を行い、高校3年生の春にレギュラーの座を勝ち取りました。
社会人として就業する際も同様に、周りには自身よりも優れた方が多いと思いますが、この時の経験を活かして日々の学びを大事にし、早く貴社の戦力になるように精進いたします。
長所②「思考力をアピールする例」
私の長所はどんなことでも物事の本質を把握しようとする思考力だと考えています。
大学時代にスポーツサークルのリーダーとして取り組んでおり、約30人のメンバーをまとめて活動しておりました。
ある時、メンバー内でトラブルが発生しましたが、私が双方にヒアリングして仲介に入ったことで問題は解決しました。しかし、振り返ってみると、サークル内のルールに問題があるということが発覚しました。
再度メンバー内でルールについて見直しのミーティングを行い改善したところ、今ではトラブルなく円満な活動を続けられております。
貴社へ入社してからも目の前の問題だけではなく、そもそもの問題解決を図るために物事の本質を見抜けるように精進してまいります。
短所①「行動力の無さをアピールに繋げる例」
私の短所は行動するまでに時間がかかってしまう点だと考えております。
私は何か行動を起こそうとする前に、まず懸念点やリスクを考えるあまり、すぐに行動ができないことがあります。
今まで結果として考えてから行動をする方が成功に繋がることが多かったですが、社会人として就業をする際にはスピード感を求められることもあると思います。そのため、今後は行動へのスピードを優先する時と1度冷静に考えるべき時を見極めたうえで行動してまいります。
短所②「頑固さをアピールに繋げる例」
私の短所は自身の考えを強く持ちすぎるがあまり、相手の意見に納得できない場合は自身の考えを主張しすぎてしまう点です。
自身の考えを持っているのは良いことだとも思っておりますが、自分の考えだけが正解だとは思わずに他の意見の良いところも参考にした方が、より正解に近い回答が導き出せると考えるようになりました。
貴社に入社してからは、自身の考えと上司の考えを常に擦り合わせをして、少しずつでも考えや価値観を上司や企業の方針に沿えるように精進してまいります。
自分自身を理解して面接で的確にアピールしよう
今回は面接の際に長所や短所が聞かれる理由を踏まえ、適切な伝え方や回答例について紹介しました。
ほとんどの面接で自身の長所や短所が聞かれるため、少しでも選考の通過率を高めるためには、しっかりと自己分析をしたうえで適切な伝え方を見直しておきましょう。