近年、web面接を導入する企業も増加傾向にはありますが、最終選考に近づくほど今だ一般的なのが対面面接です。
「対面面接でおさえるべきマナーとは、いったいどのようなことだろうか?」
「対面面接で好印象を与えることは、どのようなことだろうか?」
そんな疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。
就活において面接は、最も合否を左右する選考試験であるといえるため、基本マナーはしっかりとおさえておきたいところです。
そこで当記事では、対面面接で欠かせないマナー10選と題し、好印象を与えるポイントを解説します。
事前準備で注意すべきマナー
事前準備では、身だしなみや持ち物などで注意したいマナーを見ていくことにしましょう。
1.服装
男性
企業から指示がない場合、基本的にはスーツ着用がマナーとなります。
スーツは無地でシングルボタンが一般的です。
黒や紺などが無難で、明るすぎる色や派手な柄、デザインのスーツは避けましょう。
シャツは無地の白で、シワや汚れがないよう、面接前は特によく確認しておく必要があります。
靴下はスーツに合うよう、黒か紺が基本であり、ネクタイやベルトも派手な色柄、デザインは避け、なるべくシンプルなものを選ぶようにしましょう。
靴は革製で紐タイプが一般的で、黒色か濃い茶色がおすすめです。
女性
女性も企業から指示がない場合、基本的にはスーツ着用がマナーとなります。
スーツは紺かグレーで無地のテーラードタイプが一般的で、下はひざ丈のタイトスカートかパンツとなります。
インナーは白か淡い色が基本で、透けのないものを選びましょう。
また、第一ボタンを外した際でも、胸元が開きすぎないものが基本となります。
ストッキングは肌に合った自然なものが基本で、派手な色は避けましょう。
靴は高すぎないヒールのパンプスがおすすめで、バッグはA4用紙やクリアファイルを折らずに入れられるほどの大きさで革製のものがよいでしょう。
2.髪型
男女ともに清潔感のある髪型が基本となるため、明るすぎる髪色や目にかかるほどの長さの前髪、フケなどに注意しましょう。
男性
基本的には表情がわかりやすいようおでこを出しましょう。
また、セットしていない髪型はスーツとはアンバランスなので、整髪料で整えた方がよいでしょう。
女性
横の髪が顔に落ちてしまわないように、髪をまとめるかハーフアップにするなどしましょう。
3.持ち物
書類
履歴書やエントリーシートなどをクリアファイルに挟み、A4の封筒に入れて持参しましょう。
バッグ
上記書類など、A4サイズのものが折らずに収納できる大きさがおすすめです。
メモ帳・筆記用具
提出書類に不備があった場合の書き加え、面接で次の選考についての説明があった場合のメモなど、メモ帳や筆記用具を使用することがあるため必ず用意しましょう。
ハンカチ・ティッシュ
身だしなみの基本であるため、必ず用意しましょう。
スマホ
緊急時の連絡などもあるため、企業の電話番号は必ず登録しておきましょう。
現金
万が一に備え、お金はある程度多めに用意しておきましょう。
印鑑
交通費が支給される場合もあり、確認印として必要になることもあるため印鑑は用意しておきましょう。
腕時計
社会人のマナーとして、腕時計はしていきましょう。
受付時に注意すべきマナー
4.会場到着時間と受付
会場到着は面接開始時刻の10分~15分前に到着するのがマナーです。
あまり早く到着しすぎてしまうと、採用担当者も仕事を中断せざるを得なくなったり、会場設営がまだ終了していないなどといったこともあるため、適度な時間に会場へ到着しましょう。
ただし、いくつものテナントが入った高層オフィスビルなどの場合は、エレベータが混みあうなど、受付へ行くまでに時間がかかることもあるため、このような場合は会場到着に少し余裕を持った方がよいでしょう。
会場到着後は着ている上着は脱ぎ、携帯電話の電源を切りましょう。
なお、受付は面接開始の5分~10分前に済ませるのがマナーです。
受付では「本日〇時より面接のお時間をいただいております、〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します」と伝え、指示を待ちましょう。
そして、控室や面接室に案内してくれる社員には、「〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します」と名前を伝え、指示を待ちます。
5.遅刻
遅刻は厳禁ですが、交通機関の遅れや事故など、やむを得ない理由で遅刻になりそうな場合は、すぐに採用担当者へ連絡しましょう。
遅刻理由を説明し、きちんとお詫びしながら指示を待つことが大切です。
また、交通機関で遅延証明書が発行される場合は企業へ提出し、面接後もあらためてお詫びするようにしましょう。
対面面接中のマナー
6.入室時
入室時はドアを3回ノックすることが基本マナーとなります。
部屋の中から「どうぞ」と声がしたら、ドアの外で「失礼します」と返事をし、ドアを開けて入室します。
この時、ドアの開閉に大きな音を立てないよう注意し、必ずドアの方に向き直して閉めることがマナーです。
けっして後ろ手で閉めることがないよう注意しましょう。
そして面接官に向かってお辞儀をし「本日はよろしくお願いいたします」と一言添えると丁寧な印象を与えます。
なお、手の位置は男性の場合、パンツの縫い目にそってまっすぐ下ろし、女性の場合は腕を前方向に出し、左手を右手の上に重ねるような姿勢でお辞儀をすると、きれいな姿勢に見えます。
次にイスの方へ進み、横に立ちます。
「本日は面接のお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。よろしくお願いいたします」と挨拶をし、再びお辞儀します。
バッグは面接官から指示がない場合は、イスの横に置くようにしましょう。
そして、面接官から「どうぞ」と言われたら「失礼します」と一言添え、一礼して着席します。
7.面接中のお茶
社員がお茶を出してくれた場合はお礼を述べ(面接中は黙礼でかまいません)ますが、すぐに自分から飲みだすことはNGです。
面接官にすすめられた場合に「いただきます」と言って飲むようにしましょう。
また、面接後は「ごちそうさまでした」とお茶のお礼も忘れずに伝えましょう。
8.面接中のしぐさや表情
人は相手の話を聞く際、話の内容よりもしぐさや表情など、視覚からの情報に影響を受けやすいといった心理学データもあります。
そのため、面接中は終始、笑顔でいることを心がけましょう。
また、目線が定まらない、貧乏ゆすりをしてしまうといったしぐさは、自信がなく落ち着きがないよう面接官の目に映ってしまうため注意が必要です。
面接官の目を見ながら話すのが苦手という人は、少しだけ目線を外し、鼻や顎のあたりを見るとよいでしょう。
9.面接中の言葉遣い
面接での一人称は男女ともに「わたし」もしくは「わたくし」が基本マナーです。
また、尊敬語や謙譲語を間違って話すと、それだけでマイナス印象を与えてしまうこともあるため、基本的な言葉遣いは面接前によく確認しておきましょう。
10.退室
退室時はまず、座ったままの姿勢で「本日は面接のお時間をいただき大変ありがとうございました」とお礼を述べお辞儀しましょう。
そして立ち上がり、イスの横で再度お辞儀します。
ドアの手前まで移動したら面接官の方を振り返り、「失礼します」と一言添え、ここでもお辞儀します。
そしてドアを静かに開閉し、このときできるだけ音がしないよう注意しましょう。
まとめ
面接官は、就活生が自己PRや志望動機でどんなことを話すかといったことばかりをチェックするのではなく、身だしなみや服装、髪型、表情、そして面接室での入室から退室まで、基本マナーをきちんと身につけているかどうかもチェックしています。
いくら話の内容がすばらしくても、服装や髪型に常識がなかったり、ドアの開け閉めやお辞儀、イスの腰かけ方などがいい加減であれば、マイナス評価につながってしまいます。
対面面接は対策も立てず、自己流に行ってしまっては、ほとんどの就活生がマナー違反をおかしてしまうでしょう。 まずは解説にある基本マナーを身につけ、家族や友人にチェックしてもらうなど、事前の練習が必要になります。