就活を進めていくと、6月頃より各企業から通知され始めるのが「内々定」です。

就活生の中には、事情によって内々定を辞退する人もいますが、

「企業側による内々定の取り消しもあるのだろうか?」

「内々定の取り消しはどのような場合に起こるのだろうか?」

そんな不安や疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

せっかく獲得した内々定通知です。

ちょっとしたミスから取り消されてしまっては、取り返しのつかないことになってしまいます。

そこで当記事では、内々定取り消しは大手企業でもあるのか?また、どのような場合に内々定取り消しが起こるのかを解説します。

そもそも内々定と内定の違いとは?

そもそも内々定と内定にはどのような違いがあるのでしょうか?

まず内々定は、企業が就活生に対し、「採用の意思がある」ことを6月1日以降に告げるものですが、これは自社が求める人材ニーズに合った優秀な就活生を囲い込む目的があります。

しかし、内々定は企業と就活生で労働契約を結んだ状態ではなく、あくまで口約束に過ぎないため、法的な拘束力も発生しません。

一方、内定は企業が就活生に対し10月1日以降に「採用通知」と「入社承諾書」を送り、就活生がこの「入社承諾書」に署名、捺印をし企業に送り、企業が受け取った時点で労働契約が締結されたことになります。

そのため、内定には法的な拘束力が発生します。

大手をはじめ中小企業でも内々定が取り消されることはあるのか?

ここまで見てきたように、内々定は企業と就活生が労働契約を締結したわけではなく、あくまで口約束でしかないため、法的な拘束力も発生しません。

つまり、企業側は会社規模に関係なく、内々定を取り消すことができ、就活生側も辞退することができます。

企業が内々定を取り消す理由は後述しますが、通知は電話やメール、書面などで一方的に行われるのが一般的です。

内々定が取り消されてしまう主な理由とは?

ここでは、就活生の行動による問題が原因で、企業が内々定を取り消す主な原因を見ていくことにしましょう。

経歴詐称

履歴書やエントリーシートなどに、虚偽の経歴を記載し、それを企業側が発見した場合、内々定が取り消されることがあります。

例えば、

・卒業した高校などの偽り

・卒業予定大学の偽り

・取得していない資格、免許等の記載

・受賞、賞罰等の偽り

・年齢の偽り

などになります。

このような偽りは、故意によるものと判断され、内々定が取り消される可能性は高くなります。

ただし、卒業年月や資格・免許取得年月等は、あくまで記載ミスであり、故意ではないと判断されることが多く、このような場合は内々定取り消しにつながることはあまりありません。

素行不良

素行不良とは、生活態度や行動に問題があることを指します。

1回の問題行動で内々定取り消しになることはほとんどありませんが、日頃より繰り返されている場合は内々定取り消しになってしまいます。

例えば、

・暴力行為

・金銭トラブル

・SNSなどを利用した、問題のある投稿やコメント

などがこれに当たります。

健康上の問題

事故や病気などによって、一時的に健康状態が優れない場合でも、治療や薬の投与によって仕事に支障をきたさない状態に回復すれば、内々定取り消しにはなりません。

しかし、入社後の就業が困難な心身の健康状態の場合は、内々定が取り消されてしまうこともあります。

例えば、肉体を使う労働であるにもかかわらず、歩行すらも困難な場合などです。

しかし、企業やその理由によっては内々定を取り消さず、配属変更となる場合もあります。

法律違反・犯罪履歴などの発覚

過去に法律違反や犯罪を犯していて、入社後、社内に悪影響を及ぼすと判断された場合は、内々定が取り消されることがあります。

内々定後の発覚は取り消しになる可能性が高いため、思い当たる就活生は選考試験の段階で正直に企業へ伝え、反省や心を入れ替えたその意思を伝えるようにしましょう。

卒業単位不足

新卒採用の条件として、「四年制大学卒業または卒業見込みの方」としていることがほとんどです。

しかし、卒業に必要な単位が取得できておらず、卒業できないということになれば、新卒採用の条件に合致していないことになるため、内々定が取り消されてしまいます。

内々定の承諾連絡忘れ

内々定通知は先にも述べた通り、電話、メールや書面の場合があります。

この通知に対し、例えば「〇日まで入社意思を連絡してください」と伝えられていたにもかかわらず、期日までに連絡をしなかった場合は、内々定が取り消されてしまうこともあります。

他の本命企業の内々定通知を待っていて、すぐに承諾できない場合もあります。

しかし、内々定はあくまで口約束で法的拘束力は発生しません。

後日、事情を話して辞退することもできるため、まずは連絡忘れを避け、内々定取り消しの事態にならないよう注意しましょう。

承諾書類の未提出

上記の内々定の承諾連絡忘れにも似ていますが、内々定通知の後、承諾書類を提出しなければ、内々定決定とならないこともあります。

特に大手企業では、内々定であっても承諾書類の提出を求められることが一般的です。

未提出や記載の不備がないよう注意が必要です。

企業側の原因で内々定を取り消されてしまうこともある!?

ここまで見てきたように、就活生の行動が原因で、企業側が内々定を取り消してしまうことがあります。

しかし、このような原因とは異なり、企業側の事情によって内々定が取り消されてしまうこともあります。

具体的に見ていくことにしましょう。

企業側の業績悪化

経済情勢、企業側による不祥事など、企業もある日を境に急速に業績が悪化してしまうこともあります。

内々定を通知したときは問題なくても、その後に業績が悪化することもあり得るのです。

このような際、企業も新たな人件費を確保することが困難なため、その年の採用を中止し、内々定を取り消してしまいます。

就活生にとってはとても残念で納得いかないことかもしれませんが、受け入れて他の企業に応募するしかありません。

不測の事態

例えば、「地震や津波などによって会社そのものがなくなってしまった」「火災によって会社や工場が全焼してしまい、存続が難しくなった」など、不測の事態によって会社が営業活動を行えなくなった場合、内々定が取り消されてしまいます。

このような場合も、就活生はどうすることもできないため、事実を受け入れ、次の可能性に向かって就活を続けるしかありません。

内々定を取り消されないために注意すべきこと

問題行動を起こさない

日常において、ごく普通の生活を過ごしていれば内々定が取り消されることはありませんが、ここまで見てきたように、法律違反や公序良俗に反する行動を取ってしまうと内々定取り消しにつながってしまいます。

内々定を掴んで浮かれることなく、問題行動を起こさぬよう、日常生活をしっかりしましょう。

企業側への連絡を怠らない

内々定後、提出しなければならない書類や、期日までに行わなければならない連絡などがあります。

内々定を取ることがけっしてゴールではなく、入社までにすべきことがあるのはもちろんのこと、入社後こそ精一杯努力を続けなければなりません。

書類提出や連絡など、すべきことは必ずきちんと行いましょう。

SNSの取り扱いに注意する

近年、SNSの投稿やコメントで炎上したり、社会的な問題にまで発展してしまうケースも増えてきました。

SNSはルールやマナーを守れば、楽しく利用できる便利なツールですが、不適切行為によって内々定が取り消されるだけでなく、人生に悪影響を及ぼしてしまうこともあるため、取り扱いにはくれぐれも注意しましょう。

まとめ

内々定は、企業が就活生に対し、採用の意思があることを告げる行為ですが、お互いが労働契約を締結したわけではなく、あくまで口約束にすぎず、法的拘束力も発生しません。

そのため、大手であっても中小企業であっても、会社規模に関係なく、内々定を取り消すこともあります。

また、就活生側も事情によって辞退することもできます。

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