就職活動を進めるにあたり、自己分析の準備に戸惑う就活生は多くいます。しかしエントリーシートの作成や面接準備など、やるべきことが多々ある就職活動の中で、自己分析にばかり時間をかけてもいられません。企業研究や業界研究なども滞りなく進めるために、出来るだけ効率的に自己分析を進めたいと考えることでしょう。
ここでは、自己分析ノートを活用して、わずか10分で自己分析を行う方法を解説していきます。自己分析は就職活動の肝であり、できればじっくり時間をかけて行うに越したことはありません。しかし同時並行で様々なことに取り組まなければならない就職活動においては、じっくり時間をかけてはいられない状況に陥る恐れもあります。自己分析を時短で進める方法もしっかりと理解し、活用していくようにしましょう。
自己分析には一定時間がかかる
自己分析は本来、ある程度時間をかけて丁寧に行うべきものです。日々生活する中で、自分という人間についてしっかりと理解し、完全に把握できている人は少ないです。自分という人間を理解し、把握しきるには相応の時間をかけて、自分と向き合うことが必要になるのです。
しかし、ただ時間をかければ良いというものでもありません。自己分析には要領よく効率的に進めるためのポイントが存在します。そのポイントを意識して進めることで、わずか10分という短い時間の中で、自分という人間についての理解を一定深めることが可能になるのです。
自己分析ノートを活用する
自己分析を行うにあたっては、自己分析ノートを活用するようにしましょう。これは自己分析に限った話ではないですが、物事を志向する際、頭の中だけで考え、思考を深めようとすると、上手く話を整理できず、躓いてしまった経験のある人も多くいることでしょう。頭の中だけで完結させようとするのではなく、実際に書き出してみると、考えを整理しやすくなります。「実際に書き出すのは面倒」と思うかもしれませんが、それにより考えが整理され、頭の中で考えるよりも効率よく思考を深めることが可能になるのです。
10分で出来る自己分析3ステップ
ここからは具体的に、10分で自己分析を完了させるための手順を3つのステップに沿って解説していきます。「自己分析に費やせる時間は一定あるし、自分には不要」と思う人もいるかもしれませんが、この方法を実践することにより自己分析を一定レベルまで進め、その上でさらに時間をかけて思考を深めていくことで、より効果的に自己分析を行うことが可能になります。自己分析に十分な時間を費やす時間がない人はもちろん、時間の確保が可能な方も是非実践してみてください。
最も印象的な出来事を書き出す
まずはこれまでの人生を振り返り、最も印象的だった出来事を一つ、ノートに書き出してみましょう。ここで書き出す出来事は直近のものでも、昔の経験でもどちらでも構いません。時期を問わず、深く印象に残っている経験を書き出すことが重要になります。
記憶に深く刻まれている経験であれば、その経験の中で自分がとった行動やその時の感情など、当時の自分の状況を細かく書き出すことが可能になります。それらを要素として自己分析を進めていくことになりますので、まずはそれらを書き出しやすい経験を一つ、選択することが大切なのです。
当時の行動、感情を書き出す
次にその経験について、その概要やその中で直面した困難な出来事、その困難に対する対応やその時の心情、そしてその経験から何を学んだのかなど、その経験に紐づく様々なことをどんどん掘り下げて書き出していきましょう。自分の過去の行動やその時に感じたことを振り返り、整理していくことで、自分自身の強みや性格が見えてきます。世の中には無数の会社がありますが、企業の風土という尺度で比べただけでも、若手社員がどんどん自分の意見を主張しやすいところもあれば、年功序列の雰囲気が強い会社もあります。その中で、自分に適している会社を見つけることが必要になるのです。
そのため、どのような環境で、どのような働き方をすることが自分にとっての幸せにつながるのかを、自分自身についての理解を深めることで明らかにすることが重要になります。このステップは自己分析における最重要ステップです。10分のうちの大半の時間をここに費やし、出来る限り細かく、掘り下げて書き出していくようにしましょう。
就活における軸を確立する
最後に、上記ステップで掘り下げた情報をもとに、自分自身の強みや弱み、性格等を整理し、自己分析の結論として、書き記しておくようにしましょう。上述の通り、世の中には無数の会社が存在しています。その中でそれぞれの会社を比較・検討し、その上で選考に進む会社を選択していくことになりますが、比較・検討する際の軸がぶれてしまうといつまでたっても選考に臨む会社を絞ることができません。自分自身に対する分析結果を書き記し、それを軸として企業選びを進めることで、迷いなく選考に進む企業を選択することが可能になるのです。
自己分析におけるテクニック
最後に、自己分析を進めるにあたって重要になるテクニックを2つ紹介します。これらのテクニックを踏まえた上で上記3ステップを踏むことで、10分間という短い時間であっても、実りある自己分析を行うことが可能になります。しっかりと理解し、実践できるようにしておきましょう。
自分を客観視する
自己分析を行う際には、自分を客観視して進めることが重要になります。もし客観視が難しい場合には、周りの人に当時の自分がどんな感じだったのか、聞いてみるのも有効な方法です。自分の記憶は自分にとって都合の良いように記憶されてしまっている可能性もあります。他の人に話を聞くことで、全く違った一面を知ることができるかもしれないのです。
時間を決める
自己分析を行う際には、必ず期限を設けて行うようにしましょう。上記3ステップを踏んで自己分析を進めることで、最短10分で自己分析を完了することが可能になりますが、自己分析は深めようと思えばどんどん思考を深めることが可能であり、気付けば10分などとうに超え、莫大な時間を費やしてしまっている可能性もあります。それぞれのステップで費やす時間をあらかじめある程度決めておき、その上で自己分析を進めた方が賢明だと言えるでしょう。
ステップ1については、最も印象的な出来事を書き出す段階なので、さほど時間をかけず、最初に思いついたものを書き出せばよく、1分もあれば十分でしょう。一方ステップ2はステップ3につながる材料を出来るだけ多く抽出する段階であり、ある程度時間をかけて要素を書き出していく必要があります。4〜5分程度は見ておく必要があるでしょう。最後にステップ3ではそれぞれの要素から自身の性格等を分析し、就活の軸を決めることになります。ここで設定した軸を就職活動では多用していくことになりますので、ステップ3もしっかりと時間をかけて、4〜5分程度行った方が良いでしょう。
まとめ
ここまで自己分析を最短10分で済ませる方法について解説してきました。上述のとおり、自己分析は本来時間をかけて行うものであり、時間に余裕があるのであれば、10分で無理やり済ませようとせず、ある程度時間を費やして進めるのが望ましいです。しかし、時間的に切羽詰まった中で急ぎ自己分析を済ませる必要があるときには、今回示した方法を活用することで、円滑に就職活動を進めることが可能になります。時間に余裕がある人にとっても、自己分析を効率よく一定前進させるための一助となりますので、ぜひ活用してみてください。