就職活動の中では、自己PRの作成や志望動機の作りこみなど、様々なことに取り組むことになりますが、中でも自己分析に対して、苦手意識を持っている就活生は多く存在します。たしかに自己分析は、一見とっつきにくそうな印象もありますが、コツさえ押さえたうえで取り組めば、必要以上に身構える必要はなく、案外サクサクと進めることが可能になります。
ここでは、自己分析における簡単なやり方を紹介していきます。自己分析で躓いてしまうことの無いよう、しっかりと押さえていきましょう。
自己分析を行うメリット
就職活動に自己分析はつきものとなっていますが、そもそもなぜ自己分析を行う必要があるのか、しっかりと理解できているでしょうか。しっかりと自己分析を行うことで、就職活動はもちろん、その後の社会人生活にまで大きな影響を及ぼすことが可能になります。まずは自己分析を行う意義について、押さえておきましょう。
就職活動の効率化
自己分析をしっかりと行うことで、自身の長所や短所、性格など、自分自身に関する理解を深めることが可能になります。就職活動は自分の強みを生かすことができ、かつ自分の性格に合った働きやすい会社を探すことを目的に行う活動です。就職活動では日々様々な情報に触れることになるため、どの尺度で会社を比較・検討すればよいか迷ってしまうことが多々あります。そんな中で一度自己分析をしっかりと行い、自分の強みや性格を理解しておくことで、横道にそれることなく、最短ルートで会社選びを進め、選考対策に取り組むことが可能になるのです。
早期離職リスクの軽減
意外に感じるかもしれませんが、せっかく努力して内定を勝ち取り、入社できたにも関わらず、入社後2〜3年以内に退職してしまう人が一定数います。その多くの理由は「思い描いていた働き方と現実とのギャップ」です。このギャップが生じる理由としては、企業研究が不足しており、その会社の文化や風土の理解を十分に深めることができていなかったことも挙げられますが、十分な自己分析をしていなかったことも原因の一つと考えられます。
自己分析をしっかりと行い、自分という人間に対する理解を深め、自分の性格や特徴とうまくかみ合う会社を就職活動の中で見つけることが出来ていれば、早期退職は起こりづらくなるでしょう。自己分析をしっかりと行っておくことは、目先の内定だけでなく、その後の社会人人生にも大きく影響を及ぼすのです。
自己分析のコツ
ここからは具体的に、自己分析を気軽に進めるためのコツを5つ紹介していきます。自己分析はむやみやたらに進めるとドツボにはまり、時間を浪費してしまう恐れがあります。コツを押さえて効率よく自己分析を進めるようにしましょう。
印象的な経験について深掘りする
自己分析をする際にはまず、過去を振り返り、印象的だった経験を思い返してみるところから始めるようにしましょう。我々は日々さまざまな行動を起こしていますが、そのほとんどは無意識で行っているわけではなく、考え、選択した上で、行動を起こしています。その行動を起こした背景等を深掘りしていくことで、自分自身の性格等を明らかにしていくことが可能になるのです。
過去を振り返ってみたときにパッと思い出される印象的な経験であれば、記憶にも深く刻まれているため、深掘りもしやすいでしょう。むやみやたらに過去の経験を書き出し、深掘りしていくのではなく、深掘りしやすそうな経験から自己分析を進めることが1つ目のコツになります。
過去の写真等を見てみる
過去の経験を深掘りする際、思うように進まずに悩むこともあるかと思います。そのような際には当時の写真などを見てみたり、当時よく聴いていた音楽を聴いてみたりするのも効果的です。日々様々な経験をする中で、記憶はどんどん上書きされていきますので、昔の記憶であればあるほど、思い出すのに苦労することでしょう。頭の中だけで考えて思い起こそうとするのは意外と難しいことなのです。
昔のアルバムを開いてみると、当時のことが一気に思い出されることがあります。頭の中だけで考えるのではなく、写真など当時の思い出が詰まったものを活用することで、過去の経験を深掘りしやすくなるのです。
身の回りの人に聞いてみる
親や友人など身の回りの人に、自分という人間について聞いてみるのも非常に効果的です。過去の失敗や悔しかった経験など、自分ではあまり積極的に思い出したくないような記憶もあるでしょう。しかし自己分析ではそのような記憶こそ、しっかりと深掘りしていくことが重要になります。嫌な思い出には蓋をしてしまっており、また良いように補正して記憶してしまっている可能性があります。周りの人に聞いてみることで、より正確な自己分析を行うことが可能になるのです。
また身の回りの人に聞いてみることで、自分自身では思ってもみなかった、自分自身の新たな一面に気づく可能性もあります。ひたすら自分自身と向き合い、一人で黙々と進めるのではなく、身の回りの人の力も借りることで、より自己分析を効果的に進めることが可能になるのです。
自分の強みや性格を決めつけない
自己分析を行う際は、先入観を捨て、まっさらな気持ちで分析を進めることが大事です。自分の強みや性格をあらかじめ決めつけて、それを裏付ける材料を探すことを目的として自己分析を行おうとする就活生がいます。しかしそれでは、自分についての新たな一面を見落としてしまい自分に対する理解を深めることができなくなってしまう恐れがあります。
上述の通り、自己分析は自分自身では思ってもみなかった、新たな自分の一面を見つけることができる貴重な機会なのです。自己分析を行う際は、固定観念を捨て、新たな自分を見つける心持ちで臨むようにしましょう。
求める人物像を意識しない
自己分析を行う際、入社を希望している企業が求める人物像を意識して、それに沿うように進めようとする就活生もいます。たしかに自己分析は就職活動のために行うものであり、志望企業から内定を得られるように、その企業が求める人物像に寄せていきたくなる気持ちはわかります。しかし、初めから結論ありきで自己分析を進めてしまうと、上述の通り、自分の新たな一面を見逃してしまう恐れがあるのです。
また、求める人物像に無理やり寄せて自己分析を行い、それをもとに選考に臨み、運よく内定を勝ち取れたとしても、実際に入社した後で「イメージしていた働き方とはなんか違う」とギャップに苦しみ、転職を余儀なくされる可能性もあります。内定はあくまでもゴールではなく、社会人生活のスタート地点です。充実した社会人生活を送るためにも、フラットな気持ちで自己分析に臨むことが重要なのです。
まとめ
ここまで自己分析を気軽に進めるためのコツを解説してきました。これまであまり自分自身の人生を振り返ってみた経験のない方にとって、自己分析はとっつきにくく、身構えてしまう人も多くいることでしょう。しかしここで紹介したコツを押さえることで、身構えることなく、いい意味で軽いノリで自己分析を進めることが可能になります。社会人として働く中で、じっくり自分自身と向き合い、分析する時間はなかなか取れないものです。一度立ち止まって自分自身を見直すことのできる貴重な機会と捉え、前向きな気持ちで自己分析に取り組んでみましょう。