採用試験には書類選考や筆記試験もありますが、合否を左右するウエイトが高いのは、やはり何といっても面接試験でしょう。
だからこそ、しっかりとした事前準備や練習が必要になります。しかし、
「面接練習を一人で行うには、どのようなことがポイントになるのだろうか?」
「一人で行う面接練習って、そもそも効果的なのだろうか?」
そんな不安や疑問をお持ちの方も多いことでしょう。
誰かに面接の練習を見てもらえればよいのかもしれませんが、必ずしもそれができない場合もあります。
そこで当記事では、一人でできる効果的な面接練習のコツやメリットを詳しく解説します。
面接の練習はとても大切
面接で質問される志望動機や特技、性格などは履歴書やエントリーシートでも書きます。
そのため「何度も同じような質問には答えてきたから、面接練習なんて必要ないだろう」と考えてしまう人もいます。
また、「質問はすべて自分のことを聞かれるわけだから、面接練習なんてしなくても、答えられて当たり前なんじゃないか」と思う人もいるでしょう。
しかし、面接の現場は独特の緊張感があります。
面接官が一人だけではなく、複数人の場合もあり、緊張から言おうと思っていたことを忘れてしまったり、話が論理的ではなく、何を言いたいのかわからないようなことを話してしまう場合もあります。
面接官に自分のことを熱意を持ちながらもわかりやすく伝えるには、やはりコツもあるのです。
ぶっつけ本番は危険も伴うため、事前のしっかりとした練習が必要なのです。
面接練習を行うことのメリットとは?
本番で落ち着いて受け答えできる
いきなり面接本番を迎えてしまっては、想定外のこともたくさん起こり得るため、余計な緊張感も生まれてしまうでしょう。
しかし、入室から退室までを想定し、予想される質問に対する回答を実際に声に出して練習してみると、気持ちにも余裕が生まれ、本番でも落ち着いて受け答えができます。
自分のクセに気づく
文章では自分で納得のいくことを書けていても、言葉に発すると自分のクセに気づくこともあります。
話の間合いが長すぎたり短すぎたり、話の構成がわかりづらかったり、ダラダラと話してしまうこともあるかもしれません。
面接の練習をしておくと、回答の要点やこれだけは伝えたいといったポイントを自分で把握できるようになるため、本番で言い回しの違う質問をされたとしても、ポイントを外さずに答えられるようになります。
話し方を直すことができる
人は相手の話を聞く際、話の内容以上に視覚や聴覚情報から影響を受けるといった心理学の法則があります。
例えば、面接練習を動画に撮ることで、自分が話すときの表情や身だしなみ、ジェスチャーなどの効果に気づくでしょう。
また、声のトーンや声量、スピードに問題があるかどうかもわかります。
つまり、面接の練習は、自分の話し方の改善点が見つかるといったメリットがあるのです。
面接練習を一人で行うことの効果とは?
「面接練習は対人で行なわなければ効果がないのでは?」と思う人もいるかもしれません。
たしかに対人で行った方が、自分が気づかないクセやマイナスポイントもわかるようになるでしょう。
しかし、一人だからこそ得られる効果もあります。
まず、対人の場合、相手の都合によって練習を行わなければなりませんが、一人の場合は自分の都合だけを考えればよいので、いつでも好きな時間に手軽に練習することができます。
また、対人の場合は質問してもらったり、回答に対する掛け合いの時間なども発生してしまいますが、一人の場合はそのような対話時間がないため、話したい内容を何度も口に出して整理したり、納得できるまで発声練習したりすることもできます。
面接練習を一人で行う場合に注意すべきこととは?
面接官を意識しながら練習する
一人で面接練習をする際、質問に対する回答を単純に暗記したり、メモしたものを棒読みしていたのでは意味がありません。
面接は回答を正しく暗記しているかを試す場所ではないからです。
なぜ、その会社で働きたいのか?自分にはどんな強みがあるのかを面接官にしっかりと伝えるのが面接です。
そのため、一人で行う面接練習だったとしても、常に面接官を意識し、どのように話し伝えれば相手にわかりやすいかを意識するようにしましょう。
本番を想定する
面接本番では独特の緊張感があります。
面接官に見られている、いくつもの質問を受けるなどが緊張感を生み出す原因ではありますが、就活生にとって、普段は着慣れていないスーツや姿勢を正しての受け答えなども、緊張感を生み出す要因となります。
一人で面接練習をする場合、普段着で行いがちですが、スーツを着ながらイスに座り、テーブルを使って話すなど本番を想定して練習すると効果も上がります。
客観的にチェックする
一人での面接練習は、とかく自分だけの視点でしか自分を判断できなくなってしまいがちです。
面接では話の内容の他、表情や身だしなみ、声のトーンや声量、話すスピードなどもチェックされ、心の中や価値観なども判断されてしまいます。
そのため、面接練習を一人で行なう場合は、今の自分の表情は相手にとって明るく爽やかな印象を与えているか?聞きやすい声のトーンやスピードなのか?など、自分視点ではなく、客観的にチェックするようにしましょう。
面接練習を一人で行なう場合のコツやポイントとは?
スマホを活用する
スマホの動画で一人で行う面接練習を撮影すると、客観的に自分を見ることができます。
話し方や話す内容だけを動画にとっても効果的ですが、本番を想定し、スーツ着用でイスやテーブルを用意し、入室から退室までの一連の流れを撮影してみると、それまで気づかなかった自分のクセや特徴などを理解することができます。
動画でチェックしたい主なものとしては
・表情
・声のトーンやスピード
・声量
・回答の長さ
・回答のわかりやすさ(論理的になっているか)
・話す際の姿勢
・お辞儀の角度
などです。
また、スマホにはタイマー機能もあるため、30秒、1分、3分などを想定して自己PRの練習をしておくと、本番で回答の長さを指定された場合でも落ち着いて答えることができます。
鏡を使う
身だしなみや表情、しぐさなどをもっと簡単にチェックしたい場合は手鏡や全身鏡を使うとよいでしょう。
口をしっかり開けて話せているか、視点が定まって話をしているか、お辞儀や挨拶はきちんとできているか、猫背になっていないかなど、鏡を使って練習するだけでも、大きな効果が生まれます。
動画サイトを利用する
例えばYouTubeには、面接練習と検索しただけでも様々な動画が出てきます。
中には投稿者が面接官になって、面接を想定した質問をしてくれる動画や、入室から始まり、挨拶や質疑応答、退室までの注意やポイントを解説した動画もたくさんあります。
特に質問を投げかけてくれる動画を見ながらの練習は、一人の練習でありながら対人練習の効果も味わえるためおすすめです。
また、相手に質問されたことへ回答するため、一人で練習するよりは緊張感を持って練習することが可能になります。
とにかく声を出す
一人で面接練習を行う際、頭の中で質問をする面接官をイメージし、自分の回答も頭の中だけで行う人もいます。
しかし、話の構成を考える練習にはなったとしても、話の間合いやスピードなどを整える練習にはなりません。
ブツブツとつぶやくだけでもかまわないので、とにかく回答を声に出して練習してみましょう。
まとめ
面接では誰しも緊張するものです。
そのため、本番で落ち着いて答えるためにも事前の練習は必要です。
面接練習は、対人であれば自分の気づかない問題点をたくさん発見してもらえるなどのメリットもありますが、一人での練習でも、自分の都合に合わせて気軽に行えるなど効果もあります。
面接練習を一人で行う場合でも本番を想定し、できるだけ客観的に自分をチェックすることが大切です。
そのため、スマホの動画やタイマー機能を活用したり、手鏡・全身鏡を使う、動画サイトを利用するなどの工夫が重要になります。