新卒の面接では服装や身だしなみ、そして話し方など、社会人としての基礎的なマナーを理解できているかといったことも面接官にチェックされています。しかし、
「そもそも面接のときは、自分のことを何と言えばよいのだろうか?」
「普段、私なんか使わないからぎこちないし…。「僕」ではダメなのだろうか?」
そんな不安や疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。
学生同士の会話ではなく、企業の面接官とコミュニケーションを図る場だけに、しっかりとした言葉遣いをしたいものです。
そこで当記事では、面接での一人称は何というのが適しているのか、また、マイナスな印象を与えない言い方などをご紹介します。
面接では「僕」や「自分」ではなく、「私」が一般的
結論から先に述べれば、面接では「僕」や「自分」ではなく、一人称に「私」(「わたし」「わたくし」)を使うのが一般的です。
「僕」や「自分」は面接の場では不適切であり、特に「僕」は主に友人や年下に使用する一人称で、年上の面接官に対して用いる言葉ではありません。
ただし、業種や面接官によっては一人称を特に気にしない場合もありますが、基本的な社会のマナーを把握できているかも面接では評価基準となるため、「私」以外を使用するとマイナス評価となってしまう可能性が高くなってしまいます。
それではより詳しく、NGな一人称を見ていくことにしましょう。
面接ではNGの一人称
「僕」「俺」
「僕」もそうですが、「俺」はかなりくだけたシーンで使用する一人称です。
面接では特に「俺」を使用すると面接官に対して失礼であり、人によっては退室を求められてしまう可能性もあります。
「自分」
「自分」は硬派な印象を相手に伝えられる言葉で、ビジネスシーンでも部下が上司に対して用いるときもあります。
しかし、「わたし」「わたくし」の方がより面接やビジネスシーンにふさわしいため、「自分」は面接の場に適しているとはいえません。
「あたし」
女性同士の日常会話として「あたし」が用いられることはあります。
しかしこの「あたし」はくだけた一人称であり、面接の場で使用すると目上の面接官に対し、失礼な印象を与えてしまいます。
「自分の名前」
女性の中には一人称として自分の名前を用いる人もいますが、面接で使用すると面接官に幼い印象を与えてしまうため、使わないようにしましょう。
「面接で自分の名前を用いる人は少ないのでは?」と考えがちですが、緊張感から普段の癖が思わず出てしまう人もいるため注意が必要です。
面接で「わたし」「わたくし」以外を用いたらどうする?どうなる?
マイナス評価になってしまうこともある
業界や企業、職種によっても異なりますが、面接で「わたし」「わたくし」以外を用いてしまった場合、マイナス評価となる場合もあります。
特に顧客とのコミュニケーションに重きを置く業種や接客を伴う職種の場合、「適切な言葉遣いができない」「基本的な社会人としてのマナーを知らない」と思われ、厳しい評価が下されてしまう恐れもあります。
逆に敬語や謙譲語など、しっかり話せる就活生は、「顧客との対話もスムーズに行えるようだ」と判断され、高評価につながる可能性があります。
間違えたときは「わたし」「わたくし」に訂正する
面接中にNG一人称を思わず使ってしまった場合、すぐに訂正することがポイントになります。
その際は「大変失礼いたしました。わたしは」と答えるようにしましょう。
慣れない言葉を使う際、言い間違いは誰にでもあることです。
しかし、それを素通りして話すのではなく、一言謝罪してあらためて話し出すと丁寧な印象や時に優れた対応力を与えることもできるため、焦らずきちんと言い直しましょう。
尊敬語や謙譲語もチェックしておこう
面接の際は、基本的な尊敬語や謙譲語も面接官にチェックされるので、よく知らない就活生の方々は、面接の前に正しく使えるようにしておきましょう。
尊敬語例
「言う」⇒「おっしゃる」
・OB訪問の際、先輩である〇〇さんがおっしゃっていたマーケティング職に興味を持っております。
「する」⇒「なさる」
・毎朝、各部門の担当の方が朝礼の司会をなさるそうですね。
「会う」⇒「お会いになる」
・〇〇さんも〇〇社長にお会いになったのですか?
「見る」⇒「ご覧になる」
・私のエントリーシートをご覧いただきありがとうございます。
「聞く」⇒「お聞きになる」「聞かれる」
・弊社社長の話はお聞きになりましたか?
「行く」⇒「行かれる」「いらっしゃる」
・営業部の方々はよく出張に行かれるそうですが、月にどのくらい行かれるのですか?
「思う」⇒「お考えになる」「思われる」
・なぜそのように思われるのでしょうか?
言葉以外で気をつけたい面接での注意点
受付
・面接予定時刻の10分前には受付を済ませる
・面接会場に入る前にコートを脱いで手に持つ
・髪型や身だしなみをチェックしておく
・スマホの電源をオフにする
面接では面接官が就活生の評価をするのが基本であるため、受付は気を緩めがちですが、上記の基本マナーに違反するような行動や、マイナス印象を受付に与えてしまうと、採用担当者や面接官に連絡が行くこともあります。
受付時から面接はスタートすると思って、気を引き締めてのぞみましょう。
入退室
・自分の名前を呼ばれたらドアを3回ノックし、「失礼します」と一礼してから入室する
・面接官に「どうぞ」と言われてからイスに座る
・退室時も「失礼します」と言い、ドアの前で面接官に振り返り一礼して退室する
面接でうまくアピールできればできるほど、その余韻に満足し、退室を疎かにしがちです。
最後にマナーに従った適切な行動が取れていないと、評価を落とす場合もあるため注意しましょう。
入退室の練習は家でも学校でも気軽にできるため、何度も繰り返し行なっておきましょう。
面接時
・イスは浅めに座り、姿勢を正しくする
・面接官の目を見ながら話す、面接官の目を見ながら話を聞く
・カバンはイスの脇の下に置く
・尊敬語、敬語、一人称(「わたし」「わたくし」)に注意しながら話す
面接中の一人称は、前述の通り「わたし」か「わたくし」を用い、「僕」「自分」「あたし」など、友人に対して使うような言葉は絶対に避けましょう。
面接中、面接官の目を見ながら話したり、聞いたりすることに抵抗がある場合は、あごや口付近など見ると、多少緊張感も和らぐでしょう。
まとめ
面接での一人称として、「僕」「自分」「俺」「あたし」「自分の名前」などはNGとなるため使用を避けましょう。
面接での一人称は、男女ともに「わたし」か「わたくし」が基本マナーになります。
面接中にNGの一人称を使ってしまうと、「適切な言葉遣いができない」「基本的な社会人としてのマナーを知らない」と思われてしまい、マイナス評価につながってしまうこともあります。 間違えたときはそのままにせず、「大変失礼いたしました。わたしは」と一言謝罪してから「わたし」か「わたくし」に訂正しましょう。