企業には採用活動で行う取り組みとして、「面接」と「面談」があります。しかし、
「「面接」と「面談」はどう違うのだろうか?」
「「面接」も「面談」も合否に関係するのだろうか?」
そんな不安や疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。
字面で見れば、どちらも似ており、同じような意味として捉えている人もいるかもしれません。
しかし、「面接」と「面談」は企業にとって、異なる採用活動の取り組みです。
そこで当記事では、「面接」と「面談」の違い、そしてどちらも合否に関係するのかどうかなど詳しく解説します。
「面接」と「面談」の違いとは?
まず、両者の違いを端的に説明すると、合否が伴うか伴わないかによって言葉が変わります。
面接は、採用における選考手段として行われ、その結果、合否が出されます。
一方、面談の場合、合否は伴わないため、選考以外の目的で行われます。
例えば近年、「カジュアル面談」という言葉が各企業で使われるようになりましたが、これは選考ではなく、日常会話や雑談に近いニュアンスで用いられています。
次に両者の意味や目的をより詳しく見ていくことにしましょう。
「面接」の意味と目的
まず面接ですが、企業は面接を通じ、自社が求める人材ニーズにその就活生が合致しているかどうかを判断します。
つまり、その就活生の性格や能力などを見極めるために対話することが面接となります。
「面接」の主な形式
面接には主に「個人面接」と「集団面接(グループ面接)」があります。
個人面接は就活生1名が面接にのぞむ形式です。
面接官はその就活生に対し、質問を深掘りすることができるため、より価値観や強みなどを理解することができます。
一方、集団面接(グループ面接)は複数の就活生が一度に面接にのぞむ形式になります。
大企業や人気企業など、応募する就活生が多い企業では主に、選考の初期段階で行われることが一般的です。
この形式の面接では、あるテーマに対するグループディスカッションや、同じ質問に対し全員が答える質疑応答などが行われます。
「面接」のメリット
面接は企業側と就活生側が対等な立場で行われることが基本ですが、面接官から質問したり、課題を与えたりすることがほとんどであるため、企業側が主導権を握って進められます。
そのため、自社が求める人材ニーズに合致しているかを効率よく確認できます。
また、あらかじめ就活生に求めることや、理解したいこと、知りたいことを明確にしておくと、質問を繰り返すことで深掘りすることも可能になります。
「面談」の意味と目的
面談は対面で話をすることという意味です。
企業や就活生、お互いにミスマッチが生じてしまうと早期退職といったことが起きてしまいますが、このような事態を避けるために、両者が理解しあうために面談が行われます。
面談は面接とは異なり、話しやすく和やかな雰囲気で行われることがほとんどで、場所もオフィスとは限らず、カフェやワーキングスペースなどでも行われます。
また、近年では「オンライン面談」も増えています。
「面談」の主な形式
面談は実施するタイミングによって、その形式が異なります。
選考前
就活生に自社のことをよく知ってもらうために行います。
「リクルーター面談」「カジュアル面談」などがこの段階の面談となります。
選考中
選考の途中で、就活生が疑問や不安を感じることもあるでしょう。
このような際に、面接ではなく「面談」という形式で企業と和やかな雰囲気で話しができる機会もあります。
このような面談は対面ではなく、電話などでも行われます。
選考後
内々定者や内定者のアフターフォローのための面談です。
配属先、待遇、条件、ワークスタイルなどのすり合わせや、不安・疑問を払拭することを目的に行われます。
「面談」のメリット
前述の通り、面接は合否が伴うため、就活生は「よそ行き」の言動をしがちです。
しかし、面接だけでは本音の本音が隠れてしまうこともあり、それが時に入社後のミスマッチを引き起こしてしまうこともあります。
しかし面談の場合、気軽にそして和やかに話せるため、企業側は応募者の本音を聞くことができます。
入社前にこうした面談を行うことで、不安や疑問を払拭することができ、ミスマッチの回避や入社志望度の向上を図ることもできます。
「面接」と「面談」それぞれの流れとは?
「面接」の流れ
アイスブレイク
面接は合否を伴い、就活生の性格や能力を見極める場です。
しかし、最初は就活生も面接官もお互いが緊張しているため、いきなり質疑応答に入るのではなく、アイスブレイクの時間が設けられていることもあります。
自社に関する説明
アイスブレイクの後に質疑応答がスタートすることもありますが、企業によっては選考の初期段階などに企業概要や事業内容など、自社に関する説明が行われることもあります。
就活生の自己紹介や自己PR
最初の質問では「自己紹介」や「自己PR」を求められるのが一般的です。
自己紹介は自分の紹介、つまりプロフィール説明となりますが、自己PRは自分の能力や強み、価値観などを積極的にアピールすることが目的で、両者は異なるため注意しましょう。
面接官から就活生への質疑応答
次に面接官から就活生への質疑応答が行われます。
頻出質問としては、
・当社を志望した理由を教えてください
・あなたの強みを教えてください
・学生時代に力を入れていたことを教えてください
・長所と短所を教えてください
・入社後にしたいことを教えてください
・他社の選考状況を教えてください
・最後に何か質問はありますか
などが挙げられます。
応募者から面接官への質疑応答
面接では面接官からの一方的な質問ばかりでなく、「逆質問」と呼ばれる就活生から面接官への質問タイムも用意されています。
逆質問例として
・〇〇職の具体的な1日の業務スケジュールを教えてください。
・御社で活躍する人材はどのような人が多いですか?
・仕事をしていて、楽しいと思ったことやつらいと思ったことを教えてください
・仕事で最もやりがいを感じるのはどのような時ですか?
・仕事をするうえで心掛けている点、重視している点があれば教えてください
・今の目標と、それを達成するためにどのような取り組みをしているか教えてください
・入社前後で感じたギャップはありますか?
などが挙げられます。
クロージング
次の選考スケジュールやどのように合否を伝えるかなどが説明されます。
「面談」の流れ
アイスブレイク
面接と同様に面談でも、まず最初はお互いの緊張を和らげるために、アイスブレイクの時間が設けられています。
面談担当者と就活生がお互いに自己紹介
面談担当者と就活生が、お互いのことを知るために自己紹介を行います。
面談担当者が面談の趣旨を説明
面談担当者から、この面談が「選考の合否には影響しないこと」「お互いの理解を深めることが目的」など、趣旨説明が行われます。
面談担当者から就活生へ質問
会社説明会や面接において、企業からの説明などを聞き、就活生が不安や疑問に思っていることはないかを質問していきます。
また、面談に参加した理由や自社に興味を持ったきっかけなど、志望動機や志望度などの本音を聞き出します。
就活生から面談担当者への質問
不安に感じていることや疑問に思っていることなどを面談担当者に質問します。
今後の選考スケジュールについての案内
最後に今後の選考スケジュールやエントリー方法などについて説明があります。
クロージング
面談担当者、就活生がお互いに挨拶して面談が終了となります。
まとめ
面接は、採用における選考手段として行われ、その結果、合否が出されます。
一方、面談の場合、合否は伴わないため、選考以外の目的で行われます。
企業は面接を通じ、自社が求める人材ニーズにその就活生が合致しているかどうかを判断します。 一方面談は、企業や就活生の間で入社後のミスマッチを避けることを目的とし、両者が理解しあうために面談が行われます。