就活を行っていると、大学4年時の6月過ぎに企業から「内々定」をもらったという人が現れだします。しかし、

「内々定は承諾したいのだけれど、他社の選考結果によってはその後辞退するかもしれない。これはできるのだろうか?」
「内々定と内定はどのように違うのだろうか?注意点はあるのだろうか?」

そんな不安や疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

そこで当記事では、内々定承諾後に辞退はできるのか?その際の企業への伝え方やマナーについて解説します。

内々定と内定はどう違うのか?

内々定と内定は、言葉は似ていますが内容や意味がまったく異なるため注意が必要です。

まず内々定とは、簡単にいえば、企業と学生の「口約束」にすぎず、企業側が学生に対し今後、労働契約を結ぶ意向があることを通知するといった意味になります。

つまり、内々定はあくまで労働契約の準備であり、正式契約には至っていない状態を指します。

一方、内定は内定通知後に内定承諾書にサインをすると、企業と学生の間で労働契約が取り交わされた状態になります。

そのため、内定は内々定とは異なり、法的な拘束力が発生することになります。

内々定は辞退できる一方、取り消される可能性もある

前述の通り、内々定は法的な拘束力がなく、いわゆる口約束の状態であるため、学生は一度承諾した後でも辞退することはできます。

ただし詳しくは後述しますが、辞退する際でも企業に対し失礼のないように、丁寧な言葉遣いできちんと自分の意思を伝えましょう。

内定通知は一般的には経団連の「採用活動に関する指針」に基づいて行われ、「大学4年時の10月1日以降」とされています。

そのため企業は自社の求める人材に合致した優秀な学生を囲い込むために、正式な内定通知前に内々定を連絡します。

しかし、企業側にとっても内々定はあくまで口約束であるため、取り消すこともできるのです。

内々定が取り消される理由としては、主に以下のことが挙げられます。

学生が卒業できなかった場合

企業側が出す求人の応募条件が「大学卒業」であるにもかかわらず、取得単位が足りずに卒業が見込めない場合は、内々定が取り消されてしまいます。

学生に素行不良が見られた場合

学生が大学やアルバイト先などでトラブルを起こし、生活において問題が発覚した場合は、内々定が取り消されてしまうこともあります。

近年、SNSでの不適切な投稿で炎上してしまい、企業が不利益を被ったり、企業イメージを悪くしてしまう学生が問題になることもありますが、内々定者がこのような問題、事件を起こした場合も、内々定が取り消される可能性は高くなります。

虚偽の申告をしていた場合

履歴書やエントリーシートなどで、学歴詐称や犯罪歴の隠匿など、虚偽の申告があった場合も内々定は取り消されてしまいます。

また、健康状態に問題があるにもかかわらず虚偽申告を行っていた場合も同様です。

さらに、故意ではないにしろ内々定後に健康状態が悪くなった場合も、内々定が取り消されてしまうケースもあります。

内々定承諾後に辞退する際の注意点とは?

辞退決定後は速やかに連絡する

内々定承諾後、例えば「本命他社からも内々定が来たから」などの理由によって辞退を決意した場合は、速やかに採用担当者へ連絡しましょう。

採用担当者もある程度は辞退者が現れることを想定していますが、想定外の辞退者数となってしまった場合、採用計画練り直しの必要も出てきてしまう恐れもあるため、迷惑をかけないためにも早めの連絡が重要になります。

電話で話した後に、メールでも連絡する

内々定承諾後、辞退の連絡を採用担当者に行なう場合は、誠実さが伝わりやすいといった観点から、まずメールではなく電話で直接話しましょう。

ただし、電話で話す際は、採用担当者が忙しい時間帯、例えば就業前や始業開始直後、昼休みなどは避けるのがマナーです。

また、電話で話した後に、伝達内容を記録にも残すといった意味合いでメールでも連絡すると、より丁寧な印象を与えることができます。

電話で話す際の例

先日、御社より内々定をいただきました〇〇大学の△△と申します。

本日は、内々定の件でお話ししたいことがあり、連絡を差し上げました。

内々定をいただいた後、自分の将来についてじっくりと考え、家族や知人に相談したのですが、誠に身勝手ではございますが、他社への入社を決意いたしました。

採用担当の□□様には、採用試験においてとてもお世話になり感謝しております。

大変心苦しく恐縮なのですが、何卒ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。

メールで伝える際の例

株式会社〇〇〇〇  総務部 人事担当者様

お世話になっております。 

先日、貴社から内々定のご連絡をいただきました□□大学 △△学部 〇〇〇〇と申します。

この度は内々定のご連絡をいただきまして、誠にありがとうございます。
内々定をいただいたにも関わらず誠に恐縮ですが、自分の適性を改めて鑑みた結果、貴社からいただきました内々定をやむを得ず辞退させていただくことに決めました。

選考中は多大なるご指導とご配慮を賜りまして、心より感謝申し上げます。
貴社及び採用担当者様の益々のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。

最後となりましたが、この度は誠にありがとうございました。

□□大学 △△学部 〇〇〇〇

要件は簡潔に伝える

内々定承諾後、辞退の連絡をするのはなかなか気が引けることかもしれません。

しかし、企業にとって、せっかく内々定を出した学生が辞退してしまうことは、場合によっては採用計画が狂うことにもつながってしまうため、なんとなくといった漠然とした内容で伝えるわけにはいきません。

連絡の際は、ストレートに辞退することを伝え、理由を問われた場合でも変な言い訳をせず、簡潔に正直に答えるようにしましょう。

内々定をもらったことへの感謝の気持ちを忘れずに伝える

内々定承諾後に辞退する際は、辞退するといった事実だけではなく、選考期間中にお世話になったことや、内々定といった評価をしていただいたことに、必ず感謝の気持ちも伝えましょう。

企業も採用活動のために、多くの時間と費用をかけています。

失礼にならないよう、感謝と丁寧な言葉遣いで連絡することが大切です。

内々定を辞退する前に確認しておきたいこと

就活の目的をもう一度確認しよう

前述の通り、法的な拘束力はないため、内々定承諾後に辞退することはできますが、辞退の連絡をする前に、もう一度確認すべきことがあります。

それは「自分はなぜその会社を選び、他社を辞退するのか?」そして、入社後「その会社でどのように働きたいのか?」ということです。

後になって「やっぱり辞退すべきではなかった」といったことがないよう、十分検討してから辞退を決めましょう。

辞退を取り消すことは不可能ということを認識する

一度辞退した後、内定承諾した企業より、辞退した企業の方がよかったと感じたとしても、辞退を取り消すことは不可能です。

ごく稀に「どうしても入社してほしかったから」また、「急な欠員が出てしまったから」などの理由で辞退を取り消してくれる場合もありますが、一度辞退したという事実に少なからずわだかまりも残るため、辞退の際は、慎重に検討してから伝えるようにしましょう。

まとめ

内々定は、あくまでも企業と学生の口約束であり、労働契約が結ばれたわけではないため、一度承諾した後でも辞退することはできます。

辞退する際は、決意した時点で速やかに採用担当者へ連絡しましょう。

連絡はまず、メールではなく、誠実さが伝わりやすい電話で直接話し、辞退の謝罪と選考でお世話になったことや内々定といった評価をしていただいたことに対する感謝の気持ちを必ず伝えるようにしましょう。

さらに、電話の後でメールでも連絡すると、より丁寧な印象を与えることができます。

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