就職の際、業界・企業研究の手段の一つとして大切なのが会社説明会への参加です。しかし、

「会社説明会の質問で気をつけることはどのようなことだろうか?」

「会社説明会で質問する際、どのようなことを聞くべきなのだろうか?」

そんな不安や疑問をお持ちの方々も多いことでしょう。

会社説明会では、社員と直接触れ合える貴重な場であるため、マナーを守りながら適切な質問を積極的にして、有益な情報を入手したいものです。

そこで当記事では、会社説明会ですぐに使える質問例を25選、さらに気をつけたい2つのポイントを解説します。

会社説明会では質問をした方がよい理由

企業への理解を深めることができる

ホームページや採用ページなどでも企業情報を入手することはできますが、これらはオープンなものであり、企業からの一方的な情報にすぎません。

しかし、会社説明会では、その企業で実際に働く社員から話しを聞けるため、ホームページなどにはない掘り下げた情報や社風、雰囲気も理解することができます。

会社説明会で質問することは、自分がイメージする会社と実際のギャップを埋めることができるまたとない機会であるため、積極的に行った方がよいでしょう。

企業選びの参考につながることもある

質問への回答やその対応そのものが、企業選びの参考につながることもあります。

例えば会社説明会で、採用担当を行う総務部の人に、営業職に関する質問を行い、しっかりと具体的な回答が得られた場合、普段から部署間の業務連携がなされており、風通しのよい会社であると判断することもできるでしょう。

また、「有給休暇の取得率が低い」「残業時間が多い」といったマイナスイメージにつながる質問にもしっかりと回答できる企業は、むしろその対応に好印象を与える場合もあります。

さらに、マイナス面を上回るプラス要因「給与が高い」「やりがいのある仕事」などがある場合もあり、企業選びの参考にもなります。

採用担当者の記憶に残る場合がある

会社説明会は採用担当者が任されていることがほとんどなので、面接の場でも再び会う可能性が高くなります。

会社説明会で的を得た鋭い質問をすると、採用担当者の記憶に残る場合もあり、その先の選考試験で有利に働くこともあります。

会社説明会での質問例25選

業務内容、商品・サービスについて

1.「詳しい仕事内容について教えてください」

興味がある仕事内容でも、会社によって進め方や具体的内容が異なる場合もあるため、会社説明会でしっかり確認しておきましょう。

2.「1日の仕事の流れ(スケジュール)を教えてください」

入社後、毎日どのような流れで仕事をすることになるのか、出社から退社までの時間の流れを確認し、自分の理想とする働き方にギャップがないかよく確認しましょう。

3.「入社後に身につけるべき資格や技術について教えてください」

入社後、配属先によっては資格の取得を推奨されたり、身につけるべき特別な技術があることもあります。

年間を通じた働き方、スケジュールにも関わることなので、事前によく確認しておきましょう。

4.「仕事での失敗をどのように乗り越えましたか?」

仕事上での失敗は誰もが経験することですが、その失敗談を聞くことで先輩社員がどうその難局を切り抜けたか、また企業体制や立ち回りもわかるため、企業選びの参考につながることもあります。

5.「仕事においてのモチベーションの保ち方を教えてください」

仕事においてのモチベーションの上げ方は、個人によってもその方法は異なるため、聞いておくと参考になります。

また、企業では福利厚生を通じて社員のモチベーションアップにつなげているところもあるため、事前に確認しておきましょう。(給与アップ、昇格、社員旅行、表彰など)

社風・企業風土について

6.「他部署との交流、連携はありますか?」

例えば同じフロアで異なる2つの部署があったとします。

自由に行き来でき、社員同士の連携が取りやすい会社と、他部門に仕事を依頼し連携する場合は上司の承認が必要になる会社とでは、社風や企業風土も大きく変わってしまいます。

このような情報はホームページなどでは入手できないことが多く、入社後の働きやすさに関わることなので、事前によく確認しておきましょう。

7.「この会社に入社して良かったことはなんですか?」

この質問では、具体的に入社後よかったと思ったことを知ることが大切ですが、回答する表情に本音が表れることがよくあるため、どのような表情で答えているかもよく見ておくとよいでしょう。

8.「上司や先輩、部下との関係性を教えてください」

例えば役職者に対しても「〇〇さん」と呼んでいるなどの回答があった場合、上司や部下との間の垣根も低いことが想像できます。

社員同士の垣根が低い場合、入社間もない若い社員の意見も取り入れる風土があるかないかの判断にもつながるため、事前にしっかり聞いておきましょう。

9.「正社員の定着率はどのくらいですか?」

離職した社員がどのくらいいるかを確かめるための質問です。

入社後の将来イメージをどのように持つかに関わることなので、質問できれば質問した方がよいですが、企業によってはデリケートで話しづらいことと認識しているところもあるため、社風や雰囲気をある程度理解した上で質問をした方がよいでしょう。

10.「休みの日は何をしていますか?」

人によっては「日頃疲れているので休みの日はゴロゴロしている」という人もいれば、「先輩と一緒に遊びに行っている」という人もいるでしょう。

休日の過ごし方を質問することで、その会社の人間関係や風土、体制などが垣間見えることもあります。

求める人物像

11.「若手社員に求める人物像があれば教えてください」

企業が若手社員に期待していることを事前に知ることで、入社後の目標も立てやすくなるでしょう。

12.「求める人材のスキルを教えてください」

専門的な仕事を行う場合は、事前によく確認しておいた方がよいでしょう。

入社前からそのスキルは必要ないのか?また、必要がある場合でも、どの程度必要なのか?などの確認になります。

13.「仕事を任せたいと思う人にはどのような特徴がありますか?」

企業が求める人物像と、自分の特徴にどれくらいの相性があるかを知るためにこの質問をします。

14.「御社で活躍している人の共通点はどのようなことですか?」

企業が求める人物像をさらに深く知るために、活躍している人たちの共通点を確認しましょう。

15.「御社が求める人物像が取得している資格はありますか?」

職種によってはその資格取得が条件となっていることもあるため、その職種を希望している場合は早めに確認しておくようにしましょう。

入社後のキャリア

16.「どのような段階を経て昇格・昇進するのでしょうか?」

企業によって、その役職に必要な経験年数を設定しているところもあるため、具体的な年数等を確認することで入社後の将来のイメージを掴むことができます。

17.「育児休暇や介護休暇の取得率はどれくらですか?」

育児休暇や介護休暇は法律で定められている休暇です。

しかし、この質問を行なうことで、実際に休暇を推奨したり、取りやすい職場なのかを判断することができます。

18.「入社までに身につけておくべきスキルや知識はありますか?」

内定をもらってから入社し、実際に働き始めるまでには半年以上の時間があることも珍しくはありません。

入社後、スムーズに仕事を進める上でも身につけておくべきスキルや知識を確認しておくとよいでしょう。

19.「内定者インターンシップはありますか?」

内定者インターンシップは、内定者と企業の入社後のミスマッチをおさえ、早期離職につながらないことを目的に開催されます。

企業として、このような体制が取られているか、事前に確認しておくとよいでしょう。

20.「定年後のキャリアについて教えてください」

就活生で定年後を考える人は少ないかもしれませんが、定年後の再雇用制度なども事前によく確認しておくとよいでしょう。

福利厚生・制度

21.「有給休暇・特別休暇は取れますか?」

近年、働き方改革などの浸透もあり、有給休暇や特別休暇を推奨する企業は増えていますが、実際にその企業での取り組みはどのようなものか確認しておきましょう。

22.「月に残業はどの程度ありますか?」

日によって残業せざるを得ないことはどの企業でもありますが、月の残業時間がどの程度なのか確認することで、一日のスケジュールをイメージすることができます。

23.「社員のスキルアップのサポートはありますか?」

その会社にどのような研修制度があり、どのように活用できるのか事前に確認しておきましょう。

24.「転勤はありますか?」

国内外に支社がある場合、将来的に転勤になる可能性はあります。

しかし、転勤をなしにする条件はあるのか?転勤がある場合は何年おきなのかなど確認しておきましょう。

25.「クラブ活動やサークル活動はありますか?」

クラブ活動やサークル活動が盛んな企業は、社内のコミュニケーションも活性化されている傾向にあります。

社内の風通しの良さや雰囲気も判断できるため、確認しておくとよいでしょう。

会社説明会の質問で気をつけたい2つのポイント

調べればわかることは質問しない

企業のホームページや採用ページに記載されていることなど、事前に調べればわかるようなことは質問しないようにしましょう。

採用担当者にも「企業研究ができていない」と判断され、マイナスの印象を与えてしまうからです。

また、質疑応答時間は限られているため、他の就活生の質問時間を割いてこのような質問をしてしまうと、「空気が読めない」とも思われ、迷惑になることもあります。

しかし、企業のホームページや採用ページに記載されていることでも、そこからさらに深掘りした内容の場合は、志望度が高く熱心であると好印象を与えることもあります。

企業が回答しづらいことや企業を否定すること

・不祥事

・離職率

・ノルマ

など、企業が回答しづらいことは質問しない方が無難です。

また、企業を責めたり否定するような質問の仕方もNGです。

ただし、「先日の不祥事で、御社の迅速な対応が誠実に見えました」と前置きをしながら「その後、どのような対応をされたのですか」と質問の仕方を和らげると、率直で志望度も疑われない印象を与えることができます。

まとめ

会社説明会では「企業への理解を深めることができる」「企業選びの参考につながることもある」「採用担当者の記憶に残る場合もある」などの理由により、積極的に質問をすることをおすすめします。